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安倍元首相襲撃事件から浮き彫りになる宗教の問題点
安倍元首相襲撃事件により、宗教二世という言葉が話題に上っている。
逮捕された容疑者は、ある宗教に母親が多額の金をつぎ込んだことで破産して家庭崩壊が起こっていたという。そのことからその宗教への恨みを募らせ、宗教に関係のあった安部元首相を殺害するに至ったのだそうだ。
事件が起こった直後の私の(殴り書き)備忘録も紹介する。
宗教二世の問題
今回の容疑者のような境遇の人を宗教二世と呼ぶ。宗教二世とは、親が信仰している宗教をそのまま受け継ぎ信仰している(あるいはさせられている)子供のことである。
この宗教二世(最初に宗教を信仰したのが祖父や祖母の代なら宗教三世、と時代を遡るに連れて呼び方が変わるが)、実は様々な問題がある。
統一教会の教会長の娘でした
— 元統一教会教会長の娘 (@mpjgmmd) July 13, 2022
小さい頃から貧乏を強いられ学校ではいじめられ、親は信者とランチに行っていました
私がバイトをし出すと親は給与を全て奪い、隠れて貯めたお金も私が精神病棟に初めて入院した際、勝手に引き落とされていました。入院した理由は介護になった祖母を家族で虐待していたこと
宗教二世は、自分の意志でその宗教を信仰しているわけではなく、親等から「強制されて」信仰している。かくいう筆者も宗教二世や三世どころではなくかなり上の代からある宗教を代々信仰している宗教一家なのだが、私は物心つく前からその宗教に触れており、小学生くらいまでは宗教的な価値観に全く疑問を持たずに過ごしていた。
つまり、宗教二世は子供の頃から宗教的な価値観に染まりきってしまい、偏った価値観を持つようになるのである。だが、記事の筆者や私もそうだが、子供はずっと家に閉じ込めておくわけにはいかないし、当然宗教的な価値観以外の「普通の」価値観も知ることになる。そこで彼ら(私も含め)は愕然とする。私が今まで信じていたのは何だったのか、と。
この事件においては、宗教によって家庭が崩壊してしまったことで、容疑者がいわゆる「無敵の人」に近い状況に陥ったのではないかと思われる。「普通の」価値観を知って「目覚めた」宗教二世は、宗教を信仰している家族に対して不信感を抱くようになるかもしれない。まして家族が宗教に多額の金をつぎ込んでいたとしたらどうか。これほど馬鹿馬鹿しい話はないだろう。そして宗教に対して恨みを募らせてしまったとすれば……。
もちろん賞賛されたことではないが、私も一歩間違えば彼のようになっていたかもしれないと感じる。
だから…
— おーしゃん (@p2_ocean) July 10, 2022
40代無職、という人たちが起こす事件に直面して、心が穏やかならざる心境になるし、心にさざ波が立つ
もし、20年前に、1つ道を外れていたら 最もつらい時に助けが得られていなかったら
どこかの路上で罪もない人や高名な政治家に刃を向けるのは、僕だったかもしれない
紙一重だったんだ
今回の事件が仮に宗教の恨みによるものであったとしたら、安部元首相が宗教と密接に関わっていたことも原因の一つではないか、と考える人もいる。
政治と宗教の境界が曖昧になってきたというのは、安倍政権で起きた(そして意外と表面化してこなかった)大きな問題だったと言えるでしょう。
そもそもなぜ政教分離が必要なのか。理由は様々あるが、一つは組織票が入ることだろう。宗教はそれを信仰している人にとっては絶対的な権力である。信者は宗教という絶対的権力のためにテロさえも引き起こす。(暴力を正当化するために宗教を使うこともあるが)
絶対的権力は、時に世界を揺るがすほどの影響を与えるのだ。
Heated debate in US Senate erupts over abortion rights for men
— RT (@RT_com) July 14, 2022
Details: https://t.co/HLe38WUHMc pic.twitter.com/7wsEgWWFM4
【世界的大ベストセラー】
— 徳間書店 学芸編集部・編集企画室 (@tokumaippan) April 17, 2022
行き過ぎた「多様性尊重」は、社会をどのように破壊したのか--
世界的ベストセラー『西洋の自死』の著者が、圧倒的な知性と知識を武器に新たなタブーに挑む!
『大衆の狂気 ジェンダー・人種・アイデンティティ』ダグラス・マレーhttps://t.co/Z7hjTyjZRO pic.twitter.com/b1iZH6kTNg
宗教が与える影響
宗教が与える影響には様々ある。それは無神教であると言われる日本であっても例外ではない。
日本では自然の全てに神様が宿っているという考え方を古くから持っており、現代でも時々言われる「罰が当たる」などもこれに当たるだろう。
キリスト教が与える影響もある。
現代では当たり前になっている一夫一婦制であるが、実は明治時代に開国と共に流入してきた価値観である。この価値観はキリスト教の影響を受けている。
キリスト教は、今日のジェンダー論的概念で特徴づければ、家父長主義以前の一対婚に拘る宗教である
キリスト教的男女観に関する詳細はnoteを読んで頂くとして、現在日本に根付いている価値観は宗教から来るものであった。
宗教が政治に大きな影響を与えている例もある。
女性の中絶の権利を求めるプロチョイス派に対して胎児に権利があるとするプロライフ派は、こちらもキリスト教的な考え方に根ざしており、生命の誕生を「受胎(受精)した段階である」として人工妊娠中絶に反対する。
他にも、世界史で発生する戦争の多くは宗教戦争であるし、現代でも宗教的な価値観はあらゆる分野に影響を及ぼしている。
政教分離の限界
昔も今も、宗教は政治に深く関わっている。そのため、政教分離の原則だと言われておいそれと宗教を政治から切り離すことはできない。まして個人単位での宗教二世問題など氷山の一角である。
そのような弱者救済の観点からリベラリズムは生まれたのだが、その結果がまさにカルト宗教のようなフェミニズムであるならば、何と皮肉なことだろう。
であれば、このような事件を未然に防ぐ方法は全くないのかと言われると、まだ希望はあるかもしれない。
じゃあ、何故、僕がそうならずに済んだのか。今、思い返してみて感じるのは、世知辛い話だけれど、「実家の太さ」と「自分が積み上げてきた事」があったから、なのだと思う。 常日頃から「男は働いてナンボや」と言い続けていた父が、「もう、お前、限界やろ。家に帰ってこい」と言ってくれたこと。
— おーしゃん (@p2_ocean) July 10, 2022
僕の異常な精神状態に気付き、僕の下宿先までやってきて、僕の代わりに退職届を一人で職場に出しに行ってくれた母。「長期間欠勤した翌日に1人で営業に行かせる」という、異常な状況にいち早く気付いて僕を止めてくれた母。 僕が今ここに居て、社会人として自律できているのは、両親のおかげだ。
— おーしゃん (@p2_ocean) July 10, 2022
このような事件を未然に防ぐには、「無敵の人」を出さない、すなわち彼らと社会との繋がりを保っておく必要があるのだろうと私は思う。
このような事件が二度と起こらないことを願って、結びとさせて頂く。