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属性による権利の制限は悪か

私は前回、こんな記事を書いた。

このnoteは、トランスジェンダーという属性で権利を制限するという結論になっている。が、属性による権利の制限こそが差別ではないだろうか。本noteではこれを争点とする。


「属性による権利の制限」とは

まずは、具体例を見てみよう。

これらは、多くの人から批判されたフェミニストの言葉だ。

伊是名さんは「自分が車椅子ユーザーだから」JRから乗車拒否をされたと、エトセトラブックスは「女性だから」石川さんが批判されていると、笛美さんは「フェミニストだから」嫌われている、と主張している。

だが、それは大きな間違いだ。

伊是名さんは車椅子ユーザーだからJRから乗車拒否をされた(そもそも乗車拒否はされていないが)のではない。事前連絡を怠り、合理的配慮を当然のように求めたからだ。

石川さんは女性だから批判されているのではない。

このような馬鹿なことをしているから批判されているのだ。(もちろん彼女への批判はこの件だけではないが)。

笛美さんはフェミニストだから嫌われているのではない。

言動がおかしいから嫌われているのだ。

そこを理解せずに「属性だけで差別されている」というのはお門違いであろう。


フェミニストのnoteから

では、こちらはどうだろうか。

笛美さんが最近のモヤモヤ事案をまとめたものだという。

正直ポテサラ事件もミルクレープ事件もどうでもいいが、特筆すべきと判断したものをいくつか紹介する。

これは女性差別だろうか?

がんばらなければならないのは男女共にそうだが、女性にのみ「がんばれ」と言われることが何を意味するか。

男性はがんばることが当たり前、という思想の裏返しではないか。

ついでにもう一つ突っ込んでおこう。

現代社会は男性社会ではない

こちらのnoteで詳しく書かれているが、法的制度、社会情勢、幸福度、そのどれを取っても男性社会とはいえない。むしろ女性社会であるといえる。


今度はこちらを見てみよう。

これは、企業にとっては困る話だ。女性は妊娠・出産の可能性がある。その間は仕事に穴が開くことになるのだ。だから妊娠予定の有無を聞くのは当然だろう。だが、それを聞くことすらも許されないとしたら……?

(実は私がフェミっていたとき、この間違いに陥っていた)

これは確かに属性による権利の制限の一つの例だ。

だが、この制限は正当なものだ。こちらについての補足を後述する。

続いてこちら。

これは果たして女性差別か……?

単に名前が分からなかったから、職業で呼んだだけではないか。

丁度、教師のことを先生と呼ぶように。

また、このツイートが暗に主張するものとして「女性の方が派遣社員が多い」というものがありそうだが、これについてはどうか。

女性が派遣を選ぶというだけではないか。

女性は男性に比べ、出世志向のある人が少ない。派遣を選ぶ人が多いのもそういう理由が多いだろう。妊娠・出産を視野に入れて派遣を選ぶ人もいるかもしれないが、似たようなものだ。

続いて、こちら。

これも女性差別とは言えないだろう。なぜなら、セクハラは男女共に存在するからだ。

こちらの記事によると、セクハラを受けたことのある人は女性で76%、男性で50%だ。

確かに女性の方が多いが、だからといって男性のセクハラが問題ないということには決してならない。セクハラは男女共に問題なのだ。


続いてこちら。

しつこいようだが、所得が低いのは出世志向の人が少ないから。出産に関しては属性による権利の制限の一例であるので後述する。

次へ進もう。

これは個人的には賛成。供託金が多いことで金持ちしか立候補できないからだ。

だが、笛美さんはこう付け足している。

この制度だと例えば低所得になりがちのが立候補しにくく、お金持ちの男性ばかりが立候補することになってしまいます。

なぜ男性に限る?

被選挙権は男女共に持っているはずだし、供託金の金額も変わらない。さらにお金持ち=男性という発想が出てくるとは、バイアスがかかりすぎであろう。


まだまだある。

まあ、緊急避妊薬が手に入りにくいというのは問題であろう。ただ、報道の通り、性教育が不十分なため安易に緊急避妊薬に流れる可能性ももちろんあるので慎重に考えるべきだ。

続いてはツイートではないが。

性犯罪者が教員や保育士にならないようにしてほしい

わいせつ事件を起こした人間が教育や保育士にならないようにするのなら話は分かる。が、わいせつ事件を未然に防ぐよう警戒しすぎて男性保育士が排除されているのは事実だ。


次は二つ一気に紹介しよう。

女性出演者が少なければ増やせと文句を言い、女性出演者を増やせば「華」という役割だと決めつける。

ジェンダーバイアスがかかりすぎなのは笛美さんの方であろう

笛美さんは、このような動画にも、「女性を華として使っている」と言い、

このような動画では「女性を出せ」とでも言うのではないだろうか。

続いてこちら。

これは言うまでもないことだが、単なるお気持ちに過ぎない。性暴力を題材にした作品が即犯罪に結び付くことはないからだ。

前にnoteで書いたが、表現の自由はお気持ちによって制限していいものではない。


最後に挙げられているのはこちらだ。

レイプは最低の犯罪だが、避難所となると、100%防げるとはとても言えない。また、避難所でのレイプを問題にするなら、レイプを除いた暴力事件についても言及すべきだろう。

女性差別とは言えないが、議論の必要はある。


属性"のみ"による権利の制限

こうして見ると、属性"のみ"による権利の制限は、

妊娠・出産によって仕事に穴が開くことに関するもの

のみだといえる。これは正当な制限だろうか。

女性の妊娠・出産はいわば性的役割である。その役割を果たすために産休・育休制度がある。また、女性が出産するまでの間、家計を支えるのは夫であろう。

つまり、女性は既に制度的にも実質的にも保護されているのだ。

保護をされているのに、そこにさらに権利を要求するのは欲張りではないか? 男性は権利を得ている代わりに保護はされていない。ここで女性の権利の制限がなくなれば、不平等になるのが分かるだろう。

また、伊是名さんの件に関して補足する。彼女が公共機関を使う際に事前連絡をしなければならないというのも、この属性による権利の制限に当たる。が、障害を持つ人ということでそれ相応の保護は受けているはずだ。よって、この権利の制限は正当なものである。

また、セクシャルマイノリティに関してはnoteで書いた通り、犯罪に繋がる権利は抑制すべきだ。(公共の福祉)


以上のように考えると、属性によって権利を制限するのは、その属性が保護されている限りは許容されるべきだといえる。

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