小説をリアルタイムで映像化してみた ー小説が「スポーツ」になる可能性ー
1.小説のリアルタイム映像化プラグインの概要
こんにちは。葦沢かもめです。
小説を自分で書いたり、書いてくれるAIを作ってみたりしています。
今回は、現在開発中のソフト「かもめエディタ」のプラグインとして、小説をリアルタイムで映像化するプログラムを作ってみました。
これを発展させれば、ライブイベントだったりネットの生放送で、作家(あるいはAI作家)が書きながら、それをリアルタイムで演出して観客に「魅せる」パフォーマンスをする、なんてことも可能になります。
あるいは、一人で小説を書きながら別窓で眺めていると、次の展開のアイディアが湧いてくるかもしれません。
そのためにも、演出のバリエーションを増やしたり、BGMをつけたりしたいです。
文の意味を抽出して適切に演出する機能も面白そうですね。「雨」や「水」が文にあれば、背景を青くして、水の音を鳴らしてみたりとか。
いつかは「マトリョシカ」みたいなボカロ動画とか、あるいはノベルゲームみたいになったらいいなと思っています。
ちなみに、今回の演出については、化物語のアニメを参考にしました(下の画像みたいな、背景色+文字の演出の部分)。
こうして手軽に文章を映像化できるようになると、小説=「読むのが面倒」というイメージを変えるかもしれません。
テキストの一回の表示時間は、1分に約500文字になるようにしてます。これくらいが人間の読書速度みたいですね。動画は短尺が要求されるので、この形式に限っては、ショートショート(1000~5000字くらい?)が主流になるかもしれません。
2.なぜ小説のリアルタイム映像化をやろうと思ったか?
私が、リアルタイムに映像化しようと思った理由。
それは、小説を「スポーツ化」することで、小説界隈を盛り上げられるかな、と思ったからです。
文学賞って、要は作家同士が小説を書いて競う訳ですが、その競争過程は今まで可視化されていませんでした。
実際に生のイベントで制限時間内に作家たちが小説を書くというイベントもあるみたいですが、作家が頭を抱えながらペンを走らせてる姿は、将棋に似た趣はありますが、地味でエンターテイメント性に欠けます。
また、いずれ近いうちにAI作家が生まれると思いますが、PCが冷却ファンを回すのをただ眺めるというのは、近未来的な侘び寂びとも言えますが、やはり面白いと思う人はごくわずかでしょう。
いずれにせよ、小説執筆の観戦というのは、やはりライトユーザーにはとっつきにくいところがあります。
それよりも昨今話題のラグビーみたいに、「なんかルール分かんないけど、とにかくスゴイ!」と思ってもらって、にわかファンを増やす方がいいかな、と私は思っています。
ただ小説執筆と将棋やラグビーとの最大の違いは、明確な対戦相手がいない点です。
相手がいれば戦略が生まれ、そこが見どころの一つになります。
しかし小説というのは、競う相手がいたとしても、基本的には自分自身との戦いになります。
実は、これに似た競技があります。それはフィギュアスケートです。
フィギュアスケートも、ポイントで相手と競うスポーツですが、自己表現という芸術性を持つ一面があります。
しかもテレビで視聴されている理由は、恐らくポイントの勝負というよりは、各選手の芸術的な演技の方が大きいでしょう。
であれば、小説執筆というものもそれをうまく演出してやれば、作家の自己表現を多くの人が見て楽しめる「スポーツ」になるのではないか。
そう私は考えたのです。
3.技術面の雑談
技術的な話に移ります。実は自動生成しているのはHTMLとCSSです。
元々は、動画編集ソフトでコードから動画を生成できたらいいなと思っていたのですが、そんな機能を持つソフトは見つかりませんでした。本当はあるのかもしれませんが、悲しいかな、私には分からなかったのです……。
仕方がないと諦めつつも悶々としていたところ、一昨日の夜に、CSSとかJavascript使えばアニメーション表示はできるじゃん、と気付きました。
残念ながら動画保存はできませんが、リアルタイムに演出することはできます。最低限、表示ができればキャプチャして動画にはできます。だから妥協しました。
動画保存できれば、SNSでの小説の宣伝にも気軽に使えるので便利なんですよね。誰も切実に訴えてはいませんが、潜在的には需要があると思っています。
小説投稿サイトさんが自動生成してくれると嬉しいなー、なんて(チラッ)。
もし動画保存もできる良案がある方は教えて下さい(あるいは自分で作ってみんなで使えるようにしてくださいお願いします)。
また、演出効果はランダムで選択されています。編集する機能はつけていません。生成したHTMLなりCSSなりを改変すれば可能ですが、本格的なアニメーション効果をWebでやってもな、と思ったのでやってません。
いずれは動画編集ソフトでできるようになると思います(希望)。
3.最後に
今回のプラグインについては、思い付きで作っただけなので、まだ公開する予定はありません。それまでは修正を加えて、気が向いた時に公開すると思います。
ではまた。