あらゆる可能性を考える。(2023年度入試・甲陽学院中学算数1日目分析)
芦屋国語教室・理数科の遠藤です。
本日は昨日に引き続き、甲陽学院1日目の分析を行います。本日は算数です。
灘と同様、解答は別記事をご確認下さい。
甲陽学院さんの算数は2回に分けられ、各回55分です。
1日目と2日目に形式の差は少なく、第1問が易しめの1問1答2題、第2問以降はそれぞれ重めの大問が並ぶ形です。
少し傾向、というか「各日程のテーマ」のようなものが見えるときもあったのですが、近年は2日間とも思考力を中心にしたセットになっているように思われますし、「1日目だからこう」といった考え方もなくなってきているようです。
あくまでも「2セットのトータル」で競うのだ、という意識を持って取り組むことが重要なのですが、今年のセットは「計算問題が2日目」「影の求値が1日目」など、例年の傾向などから予想されたであろうバランスが意識的に崩されていました。
そのため、ちょっと面食らってしまったり、1日目に実力が発揮しきれずそれを2日目に引きずってしまったり、と、精神的に厳しかった人がけっこういたのではないかな、と思っています。
事前の準備は大事、なのですが、「これまでこう、だったから今度もこうに決まっている」などと決めつけてしまうと、それから万が一外れたときにパニックになってしまうかもしれません。
また、決めつけたものしか対策をしない、のであれば、それ以外のものへの対応力は著しく下がります。
何でもかんでも可能性のあるものはやっておかないと、というのも大変なので推奨はしませんが、絞り込みすぎるのも考えもの、極端なのはどちらもよくない、ということです。
まず、軸になるものをしっかりやる。
そして、それが終わったからと満足せず、さらに世界を広げる。
「やりきれなかった」ではなく、「これだけできた、広がった」という方に目を向け、自信を持って試験を迎える。
できる範囲で、しっかり積み重ねをしていくこと。
学問に王道なし、近道なし、です。
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