ゲーム「Tales of ARISE テイルズ オブ アライズ」を語る(トロコン済、ネタバレ注意)
~はじめに~
本日ご紹介するのは、テイルズオブシリーズの最新作である「Tales of ARISE テイルズ オブ アライズ」である。本作は2021年9月9日に発売された。国産RPGとしてはファイナルファンタジーやドラゴンクエストに次いでファンの多いと思われるテイルズオブシリーズであるが、実は私にとっては本作がテイルズオブシリーズ初プレイである。前回、プレイ開始後すぐの感想を投稿したが、今回はトロコンまで完全クリアしたので改めて感想を述べたいと思う。
~あらすじ~
~プレイ感想~
①ストーリーに関して
ストーリーの軸としては、RPGとしては王道であり、理不尽な運命に抵抗し自分たちで道を切り開いていくという物語である。面白いと思った点としては、当初、ダナ人vsレナ人の構図での争いであったが、実はレナ人は本物のレナ人によって改造されたレナ人であり、しかも本物のレナ人も「レナの星霊の意思」によって操られていたという多重支配構造にある。当初は主人公や仲間のダナ人達は、レナ人=悪い奴ら=倒すべき敵という分かりやすい考えに捕らわれ、レナは根絶やしにしなければならないと考えていたが、冒険を進めていくにつれて、レナ人の中にも良い人はいるしダナ人の中にも悪い人はいる、しかもレナ人は実はもともと同じダナ人だったという事実などを知り、悪いことをするのは「ダナ人」でも「レナ人」でもなく「誰か」個人であると言うことに気付かされるのだ。こういった考えは何もゲームの中だけの話ではないと思う。現実でも「○○人だから○○だ」といった国や民族単位で人の良し悪しや性格を判断し、戦争でも「○○人は許せない、根絶やしにするべきだ」といった「全体に対する敵意」が横行しているようにも思われる。本作のストーリーはそういった考えの間違いを気付かせてくれる良いストーリーだったと思う。
②戦闘に関して
戦闘に参加するのは最大6人のパーティーメンバーの内4名で、その内一人を操作していく。私は基本的に4人は固定で、特殊なボスの時だけ入れ替えるというスタイルでプレイした。というのもメンバーそれぞれに特殊な攻撃が設定されているからで、例えば「空中の敵を打ち落とす」「敵の魔法を妨害する」「敵のガードを破壊する」などである。これらの特殊な攻撃は、戦闘中いつでも使えるわけではなく、敵にダメージを与えたりしてゲージが貯まると使える。しかしながら戦闘パーティに入っていなくともゲージは貯まり、特殊攻撃は使えるので基本的にメンバーを替える必要がないのだ。操作キャラは一番癖がなく使いやすい主人公を専ら使用していたが、他のキャラを使うことでより戦略性も上がることだろう。難易度はノーマルでプレイしたが、基本的にはストーリーに沿って敵を倒していればラスボスはもちろん裏ボスまでレベル上げの必要はなく、サクサクと進められる親切設計であった。正確には敵が自分のレベルより下のレベルになると得られる経験値が激減するため、ストーリーを進めないとレベルが非常に上げにくいのだ。このシステムによって、レベルを大幅に上げてボスも楽勝、という事は中々難しく、常に適度な強さのボスとの戦闘を楽しむことができるという設定になっている。
③アイテムなどについて
本作においてアイテムは非常に貴重だ。特にCP(回復魔法などを使うのに必要なパラメーター)回復アイテムや蘇生薬は敵からはほぼドロップしない上に、店で買うと非常に高価であるのでむやみに使ってはならない。序盤はそれを知らずにバンバン使って苦労したが、後半はマップに落ちているこれらのアイテムを見逃さずに回収したり、後述するクエストをこなしてアイテムや資金を得ることで耐えられた。武器や防具は宝箱から入手する物もあるのだが、基本的には防具は店で買い、武器は素材を集めて鍛冶屋で作製する。どちらも高価なので資金稼ぎが重要になるが、本作では敵を倒してもお金は得られず、ドロップしたアイテムの売却やクエストクリア報酬などでしかお金を集められないので資金管理が重要だ。また、アクセサリも集めた素材から製作することができ、攻撃力アップや詠唱時間短縮など、特に後半では戦闘に非常に役に立つアイテムとなっている。
また本作の特徴として、実際に装備している武器や防具以外に、見た目が変わる「ビジュアル」を選択・装備することができ、戦闘中はもちろん全てのイベントシーンにそれが反映される。コスチュームには武器や防具(衣装)はもちろん、ネコ耳や犬しっぽ、サングラスや翼など様々有り、キャラの印象を大きく変えることができる。コスチュームは主にクエストをクリアすることで入手できるため、楽しみたい方は小まめにクエストもクリアしていただきたい。
④やりこみ要素について
本作ではやりこみ要素が非常にたくさん存在する。その多くがトロフィー要素であるので一通りコンプリートした。一つずつ見ていく。
④-1:クエスト
全70種で本編クリア前では67種クリアすることができる。クエストをクリアすることで前述のようにお金やアイテムが得られることに加え、各キャラの思わぬ一面や面白いやり取りも見ることができるのでぜひ一通りクリアしてみていただきたい。また、クリア後に解放される3クエストの内の一つ「追憶機械」ではレベル95以上の強敵と7連戦することになるが、クリアすると感慨深いイベントが見られるのでぜひクリアしてみていただきたい。
④-2:ギガント
本作では全20種類の「ギガント」と呼ばれる大型モンスターが存在しており、クエストなどで戦闘することができる。ギガントは倒すとCP最大値を10上げる「星霊花」というアイテムをドロップするため、エクストラダンジョンクリアにはぜひ倒したい。
④-3:釣り
ストーリーをある程度進めると特定のスポットで釣りをすることが可能になる。釣りには釣り竿とルアーが必要で、ルアーは店で購入したり宝箱から入手する。ルアーによって釣り易い魚が決まっており、ヌシクラスになると特定のルアーが必要になる。釣り上げるには魚の動きに合わせて特定のボタンを押したり左右に引っ張ったりする必要があり、なれるまでは激ムズだがなれると意外と簡単だ。魚は全44種類いるのでぜひコンプリート目指して頑張っていただきたい。
④-4:アーティファクト
特定のクエストをクリアしたりすると「アーティファクト」と呼ばれる特殊なアイテムを入手できる。アーティファクトは全23種類で、それぞれに効果が設定されている。中には「獲得経験値アップ」や「獲得スキルポイントアップ」などかなり重要な物もあるので忘れずに入手したい。
④-5:フクロウ
マップの様々なところにフクロウが存在し、それぞれからネコ耳などのコスチュームを入手できる。また一定数見つけることで追加で特殊なコスチュームを入手できる。フクロウは全38匹で特にクリア直前に現れる特殊なフクロウは、発見すると金品や装備品を2周目以降に引き継げるアーティファクトを入手できるので、2周目を考えている方は必ず入手したい。
④-6:武器・アクセサリー作製
マップ上の収集アイテムやドロップ素材から武器やアクセサリーを作れる。武器は小まめに新作が出るので常に最新にしておくと戦闘が楽。アクセサリーも序盤は必要ないが終盤はあると非常に戦闘が楽になる。アクセサリーは作ったアクセサリー同士を組み合わせて自分だけの効果の組合せを作れるのが、デフォルトの物でも十分に使える。
④-7:料理
宝箱やクエストクリアで得られる料理のレシピと、マップ上の収集や店で購入できる食材があれば野営場で料理が作れる。料理を食べると一定時間攻撃力や防御力アップなどの特殊効果が得られる。特に獲得経験値アップはレベル上げをするならぜひ食べておきたい。また、料理によってはイベントシーンを見ることができるのでファン必見だ。
④-8:スキット
ストーリーの進行や特殊な条件を達成すると「スキット」と呼ばれるキャラ同士の会話シーンを見ることができる。スキットは全320個もあり(トロフィーは300個で達成)、見逃しても野営の時に見返すことができるのでぜひ全て御覧頂きたい。
④-9:闘技場
ストーリーを進めていくと闘技場が開放される。闘技場では「個人戦」と「集団戦」を楽しむことができ、クリアすると報酬のアイテムがもらえる。ここでしか手に入らないアイテムも多いため、余裕ができたらぜひクリアしてみていただきたい。また、無料DLCによって追加される集団戦もここで楽しむことができ、クリアすると特殊なビジュアルアイテムを入手できるのでぜひプレイしてみていただきたい。
④-10:エクストラダンジョン
クリア後に解放されるクエストの一つで、エクストラダンジョンの「異界」を訪問できる。異界では本編以上の強敵と戦える他、過去作のキャラとも対戦することができるのでファン必見だ。異界のラスボスはレベル95と強敵だが、普通に異界をクリアしていけばレベルも上がるため、そこまで強くない。また、異界の各ボスを倒すと「魔装備」を入手でき、これまで各キャラが倒してきた敵の数(ラストにダメージを与えた敵の数)に応じて攻撃力が上がるため、ほぼ主人公のみを操作してきた私は主人公のみ大幅に攻撃力がアップした。
~最後に~
私にとってテイルズオブシリーズ最初の作品となった本作だが、非常に高い満足度であった。トロコンまで約60時間と適度な難易度・内容でストーリーやシステムも申し分ない。王道RPGとしてはまれに見る名作の一つになることだろう。私のようにテイルズオブシリーズ未プレイの方もぜひプレイしてみていただきたい。
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