10月31日は衆院選!(6)ふさわしくない裁判官を投票で辞めさせることができます!
今回の記事では、衆院選のときのもう1つのポイント、「最高裁判所裁判官 国民審査」についてご説明します!
裁判所の役割とは?
実は衆院選の投票に行くと、小選挙区と比例代表の2枚の投票用紙に加えてもう1枚、投票用紙が渡されます。
これは、最高裁判所の裁判官を審査するためのものです。
社会科の授業などで、三権分立について習ったことを覚えていますか?
三権分立とは、国の権力を「立法・行政・司法」の3つに分けて、それぞれがお互いに監視・抑制をすることで、国の権力が一箇所に集中し好き勝手にしてしまうことを防ぐ、というもの。
特に、国会は多数派によっていろいろなことが決められてしまうので、マイノリティの声が反映されにくいという問題があります。
そこで司法(最高裁判所)は、「今の法律が憲法に違反していないか」という観点で、社会の中の少数派であってもきちんと1人ひとりの権利が守られるように判断する役割を担っているのです。
最高裁判所の裁判官を国民が審査する意味とは
最高裁判所の裁判官は全部で15人。とはいえ、裁判官を務めるのも1人の人間です。
なので、ときには「本当に人々の権利を守ろうとしてくれているのかな?」という裁判官がいるのも事実。
そこで、この選挙で「この裁判官は、本当に裁判官としてふさわしいか」を審査し、「ふさわしくない」と判断された人を罷免する(やめさせる)ことができます。
私たち1人ひとりの生活や権利を守る社会を作っていくために、この裁判官の国民審査もとても重要な意思表示のチャンスなのです。
どうやって審査するの?
今回、審査されるのは、裁判官15人中11人です。
投票所では、この11人の名前が書かれた投票用紙が配られるので、この中から罷免したいと思う裁判官の名前の上に、「✕」印を記入します。
罷免したいと思う人がいない場合は、特に記入はしません。
※「✕」以外の「◯」や「✓」などを記入すると無効になってしまうので要注意!
そして、「✕」印が過半数に達するとその裁判官は罷免されます。
どうやって決めればいいの?(例:選択的夫婦別姓)
誰を罷免させるかを考えるときには、「その裁判官が過去にどんな判決を出したか」を元に決めます。
たとえば「選択的夫婦別姓を認めない今の法律は、憲法違反かどうか」という裁判では、結局「合憲(憲法違反ではない)」という司法判断が下されました。
夫婦別姓を選択できないことによって多くの人が、様々な権利を侵害されているのですが、最高裁判所はこれを「問題ない」と判断してしまったのです。
このとき、15人の裁判官のうち11人が「合憲」と判断しました。
今回の国民審査で審査される裁判官のうち、選択的夫婦別姓に「合憲」という判断をしたのは以下の4名です。
・深山卓也
・林道晴
・岡村和美
・長嶺安政
もしあなたが「選択的夫婦別姓は認められるべき!」と考えるならば、この4人に「✕」印をつけることで、意見を表明することができます。
この他にも、こちらのサイトには様々な判決の情報がまとめられています。
気になる裁判の判決を見て、「この人は最高裁の裁判官としてふさわしいか」をチェックしてみてください!
投票に行く前に、裁判官をチェックしよう!
私たちの暮らしている社会には多くのルール(法律)が存在しますが、その法律自体が私たちの権利を侵害しているケースは過去にも現在にも多くあります。
私たちの権利をきちんと守る法律や社会を作るためには、「選挙で法律を作る政治家を選ぶ」というのもとても大切なことですが、同時に「法律をチェックする裁判官を審査する」ことも重要なのです。
現在全国で進行中の「同性婚訴訟」も、ゆくゆくは最高裁にて判決が下されることになります。そのときに、きちんと私たちの権利について考えてくれる裁判官を選ぶ必要があります。
この裁判官の国民審査についてはまだまだ認知度が低く、いざ投票に行って「知らなかった!/忘れてた!」と後悔する人も多いのが現状…。
ぜひ、私たちの持つ権利をきちんと使うために、投票所に行く前に国民審査についてもチェックしておいてください!
参考:
今年の衆院選についてもっと知りたい方は、こちらのマガジンをみてね!