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しみじみと夜を待つ

自分で私は恵まれていると思っていて
それを私は人にいうことをためらわない。

別に有り余るお金があるわけでもないし
自慢できる美貌があるわけでもない
世界に必要とされる特技があるわけでもない
わりかし世間一般的なステータスという面で行くと無い無い尽くしだ。良いことだ。持たぬことはシンプルだ。

私は満足しているのだ。
大した人間でない自分がお互いに大切にできる友人がいて
アイを伝えても拒絶されずに一緒に遊んでくれる。
私はとてもうれしくなるのだ。
公園に行って、日当たりと涼し気な影を見つけて
ただただ緑と水と光と風がある景色にざわめいて
上を見上げた青空の色は、きっともっと生きにくかった昔よりも深い色に見えるようになった。

あとはとてもポジティブに自分で自分の始末をつけるだけなのだがこれが金がないと難しい。
金はないしなあ。
最近の一番のさもしい思いは、食べ物を買うときに我慢することだ。
金がないというのは余裕がない。
今人生で一番金がないが、これで死んだとて
私は死因が何になるんだろうなあと思う。
楽しく死ねなかったなら、それはきっと寂しいと思う。

いつも部屋の隅にある寂しい未来への予感を私は大事な人たちに伝えてない。
これは持たぬ私の持ち物だから。

人に恵まれている私は、大好きな人達へ別に全てを分け合えることを望んでいない。
望まぬことをしないというのは正気でないとできないから難しいものだなと大人になってからすごく思うようになった。
現実を見て、弱さを見て、自分がゆがまないまま受け止められるかどうかは本当に人による。
私はないないの人間だから「ああ、そうなのね」と生きている。

もうすぐ短い夜が来る。
今日も寝るまできっと何もしない。
タヌキになるまで、寝たいと思う。

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