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サンデー関連与太考察メモ日記4【崩壊:スターレイル】

 2.3開拓クエスト、最後まで終えましたが、あのまま仙舟行くってマジですか? おそらくあの監獄って、扉が閉じていれば真っ暗闇だと思われるし、声もなんだかもう疲れ切ったというように掠れていて、そんな場所にただ独り、大きな野望もささやかな温もりも失って、失意のうちに鎖に繋がれて死を待っていたというんですか? どうしてそんな…………
 ジェイドとの会話もあるし、流石にあの光円錐は獄中ではなく2.3本編後だと思うけれども、読み手として覚悟していた以上に扱いが惨くてショックを受けている。というか丹恒の光円錐のときも思ったけど運営は輝く魂を持つ男を鎖に繋ぐ性癖を持っているのか?
 これから少なくとも数バージョンの間、サンデーには会えないだろう。今、「自由」と生命と夢のほかすべてを失った彼が、実装されるときに(生きているんだからされるでしょう、これは自明とさせてくれ)どうなっているのか、を考えてみたい。


以前の答え合わせ

 以前から飽きもせずメモ記事を書き散らしてきたが、書きっぱなしもどうかと思うので、ちょっと答え合わせ。

 これで2.3〜のひとり予想大会をやっていた。

ゴフェル自死説:当たり?

 ヴェルトの説明を信じるならば、ファミリーは、首謀者はゴフェルだと認識しており、ゴフェル=鴉の群れは亡くなったという。2.2の場面から、サンデーか他の誰かが手を下したわけではなさそうなので、おそらく自死。
 気になる点としては、モントール星系のファミリーが風の噂で駆けつけて現場をコントロール下においた、ということ。モントール星系はゴフェルの故郷である。かの星系にいたファミリーは「調和」の信者で、離反したゴフェルの行動を償いにきた、という話であればいいのだが……。「コントロール」という言葉選びも、「秩序」に通ずるようで引っかかる。

ノートの会話は「別人」:はずれ?

 2.3でボイスがついた。声音から判断するに、私たちが戦ったサンデーと、助力したロビンの会話と思われる。にも関わらず、2.2クエスト後のロビンがサンデーの生存どころか落下後の会話をも覚えていないのは、やはりショックによる記憶喪失か、救助したファミリーに記憶を消されたのか……。もっとも、ロビンはやり手のオーディも認める巧者なので、開拓者には真実を伝えてはいなかったかもしれない。

カンパニー加入説:はずれ、ただし接触はあった

 与太話として以下のようにカンパニー加入説を書いていた。書いていたけど……

過去記事スクショ引用
ここまで過去記事スクショ引用

 ひとまず答え合わせ。
 蛇=ジェイドがサンデーを楽園=ピノコニーから追放する:たぶん正解。刑罰としての追放ではなく、脱獄の手引きではあるが、モチーフとしては楽園追放で間違いないだろう。
 カンパニーとクリフォトの加護が楽園の基盤になる:ジェイドの意図としては正解かもしれないが、サンデーにとっては不明。説明を聞くに、ジェイドは信用ポイント経済圏の拡大が「存護」の助けになると考えていそう。
 希望は無償の投資:不明。子供たち相手ならともかく、サンデーに持ちかけたのは「取引」であるから、彼女は求める見返りを想定しているはず。
 ジェイドがサンデーを勧誘する:たぶん正解。サンデーが断ること、すぐには返答を求めないこと、世界を見てこさせることは正解。当たってもどういうわけかあまり嬉しくない……
 カンパニーが指名手配しなければ日の下を歩ける:たぶん正解。ただし、ピノコニーでは不可能。ピノコニー以外でも、公私問わず注目されるスター歌手のロビンと、公に理由は不明ながらオーク家当主ではなくなり、「調和セレモニー」にも姿を見せなかったサンデーが、少なくとも通常の状況で会うことも、外野の勘繰りを受けるので不可能。

キーパーソン・ジェイド

 ここから本題、2.3の内容について。

ロビンとジェイドの取引

 ロビンはジェイドとの会話(この場面が初対面ではなさそう)で、彼女と取引をしたことを仄めかしている。

カンパニー(ジェイド)とファミリー(オーディ)の交渉のことかとも思ったが、この口ぶりだと、ジェイドとロビン本人の取引を指すと考えるのが妥当か

 ロビンが提供したのは、ファミリーによるピノコニーの保護(「秩序」の力)が失効し、夢境での死が不可能ではなくなった、というファミリーの最高機密である。

「調和」の未来を案じる少女、がロビンのこと。
ロビンはしばしば「少女」として言及されている。

 「情報が私を見つけた」というジェイドの言葉からすると、ロビンの方からジェイド、あるいは「ポーンショップヒスイ」の店主に接触し、情報を寄せたのだろう。
 ジェイドとカンパニーは、夢境の安全の崩壊という情報を切り札にしてオーディの自主上場計画を破り、ピノコニー進出への足掛かりを築くことに成功した。この重要な情報の対価として「私も彼女のために何かしてあげる必要はあるけれど…それはまた後での話」。ジェイドはこの取引を「投資」と表現する。チャンスの種を芽吹かせて、辛抱強く待つのだと。
 ではロビンは何を対価としてジェイドに求めたのか? それは兄、サンデーの身柄の安全か、亡命の手引きではないのか?
 「この取引から…お互いに望むものを得られることを願っているわ。」とロビンは告げた。ジェイドの望むものはピノコニーへの足掛かり、ロビンの望むものは兄の未来、ということではないか?

ホタルとジェイドの会話

 ホタルは星核ハンターとしての正体を隠して「ポーンショップヒスイ」を訪れたが、身分と状況をジェイドに看破される。ジェイドは彼女を捕らえようとはせず、「取引」を持ちかける。カンパニーの技術とネットワークであれば、ロストエントロピー症候群を治癒できるチャンスがあるかもしれない。引き換えに、星核ハンター全員で自らの質屋を訪れてほしい、と。
 ジェイドはホタルと接触する以前から、星核ハンターという組織に興味を抱いていた。おそらくは彼女が待っていた最後の「ゲスト」はホタルのことだろう。

「もっと」興味が湧いたわ。

 興味を抱いているのは、おそらく、星核ハンターは十の石心と在り方が似ている(異なる点もある)から、そして「いずれ訪れるであろう『神々の戦い』において、『存護(ダイヤモンド)』の偉業を成し遂げる」ための助けになると考えているから。「同類」だからあるいは「協力」できるかもしれないのである。
 「神々の戦い」といえば、仙舟でカフカが列車とナヌークの戦いに言及していた。これは「最高と最悪の未来」で起こりうるということから、おそらく未来の確定事項である。また、同じく仙舟で、鏡流が「神々の対局」に言及していた。同一の将来を指しているのだろうか。

提案自体はジェイド個人からのものだが、「捨て駒になるリスクを背負ってまで、どうして『ダイヤモンド』のためにそんなこと(星核ハンターへの「招待」)をしようとするの?」という問いに答えているので、「存護」の使令であるダイヤモンドの助けになると考えていると思っていいだろう。

 もっとも、ジェイドはすぐの答えを求めない。

 この会話では、「取引」は成立していない。あくまでもジェイドがホタルに提案し、ホタルは保留として提案を持ち帰る、それだけである。双方に、まだいかなる義務も拘束も発生していない
 ジェイドはここでも、「私が一番得意なのは待つこと」と語る。

サンデーとジェイドの会話

 サンデーの状態に衝撃を受けたことはさておき……。

サンデーはジェイドのことを十の石心、かつポーンショップヒスイの店主としても認識している。初対面ではないのだろうか? それとも2.1で翡翠を入手したときに調べた?

 サンデーの独房を訪れたジェイド。鎖に繋がれてうなだれるサンデーを見、彼と話し、「元気な姿を見られて嬉しい」と語る。サンデーはやや気分を害している(当然だろうけど……)が、皮肉でないならジェイドはなぜ「元気な姿」や「嬉しい」などと言ったのか?
 先述したように、ジェイドが強固な警備を苦心してくぐり抜けてまで、サンデーを脱獄させようとするのは、おそらくロビンの情報の対価として、「彼女に何かしてあげる」ためである。
 加えて、ジェイドはロビンとは関係なく、サンデーに新たな「取引」を持ちかける。これはサンデーの態度が変わらない、つまり彼の気力は削がれていても、志や気質は変わっていないことを確かめられたことで、ジェイドが提案する気になったと捉えていいのでは。

英語ではgenerous
そうだけど、なぜ知っているのか。ロビンが話した? 基石の力?

 ジェイドはいう。ロビンとの約束、「誰もが平和を享受できる真の楽園を築く」ことを実現できるチャンスと引き換えに「話」をしよう、と。この提案も、ホタルに対してと同様、「ポーンショップヒスイ」店主のジェイド個人として(「ダイヤモンド」の利益を考慮しつつ)行ったものだろう。

 ホタルとのやり取りで見たように、受け入れればサンデーは大きな代償を支払うことになるだろう。それを承知しているジェイドは、「とても重い質問」であるから「すぐに答える必要はない」ともいう。

 出た、楽園追放
 ジェイド=蛇は、サンデー=アダムをピノコニー=楽園から脱獄させる=追放する。ジェイドと取引したロビンもまたピノコニーを離れて旅に出るというから、ロビン=イブという見立ても成り立ちそう。彼女はオーディも認めるやり手なので、騙されるのではなく取引をしたということか。
 「神に選ばれし者」。ゴフェルはロビンのことをこう呼んだ。しかし実際には兄妹は秩序の双子であり、どちらか一方がその道をゆく、つまりどちらもが「神に選ばれし者」だったのだろう。
 翼を折る、が気になる。英語版ではsever(切り離す)だった。が、まあこれはレトリック……レトリックだからね……。「俗世を訪れ、大地を歩き、この世界の真の姿を見てくる」。これこそが「大地を想う鳥」サンデーに必要なことだったんじゃないかと思うが、まさかジェイドがこれを告げるとは思わなかった。

ヴェルトの喩えが美しい

 案の定というべきか、サンデーはジェイドの「慈悲」を断る。ジェイドは「慈悲」ではなく「取引」だと訂正する。

 この時点でのジェイドの状況をまとめると、以下のようになるだろう。

  • ロビンとの取引を完了した。夢境の機密情報と引き換えに、サンデーを脱獄させた。

  • ホタルに取引を提案した。ロストエントロピー症候群の治癒のチャンスと引き換えに、星核ハンター全員を「ポーンショップヒスイ」に連れてくるという内容。ホタルは保留のまま去り、双方に義務は発生していない。

  • サンデーに取引を提案した。ロビンとの約束を果たせるチャンスと引き換えに、何らかの代償を払う。サンデーは返答せず、双方に義務は発生していない。

 よって、サンデーは今の時点ではジェイドに何の義理もないことになる。ジェイドが見せた代償の例はなかなかひどいものだったし、サンデーは既に自分自身を永遠の代償として「エナの夢」を実現しかかっていたから、ひと安心というべきか。

彼女はサンデーに何を求めるつもりなのか

 十の石心ジェイドは、「存護」の使令「ダイヤモンド」から基石を与えられ、それにより心の穴=野心を満たすと共に、「神々の戦い」に際して「ダイヤモンド」の偉業を成し遂げようとしている。ジェイドの解釈では、「存護」は信用ポイント経済圏の拡大によって遂げられるものであるから、これをサンデーの楽園の基盤にするという構想を持っていそうだ。つまり、サンデーの望みを叶えようとするのが「ジェイド」、担保を取り立てようとするのが「レディ・ヒスイ」なのではないか。
 「ポーンショップヒスイ」の店主レディ・ヒスイは、人間が自らの願望を実現するのにどれだけの代償を支払えるのかを試すこと、そして代償として供されたものをコレクションすることを楽しんでいる節がある(露悪的解釈だろうか?)。
 2.3終了現在のサンデーが手にしているものは、生命、ピノコニー以外での「自由」、夢と約束と志だけである。そんな彼から、彼にとって最も大事と言っていいであろう約束の実現の担保に取り立てられるものは、ロビンとの思い出、ロビンをロビンとして認識すること、等々……。
 賭けてもいいが、碌なことにならない。
 ちなみにジェイドの基石「貸付の翡翠」の能力は何だろうか。供された代償に応じて願い主の望みを叶えること? だいぶチートっぽいが……。

星核ハンター加入説・改

 これまでに何度か書いているので、もし全く初耳の方がいたらこちらか、他の考察などを参照されたい。概要だけ後続の記事からコピペしておく。
【根拠】
・『レイヴンズ・デス』でここまで詳細にサンデーの過去、動機、結果を描けるのは未来視ができるエリオしかいない。
・現役ハンターに対してと同様、夢や願望の実現を条件に勧誘している。
【星核ハンターの利点】
・サンデーは控えめにも戦闘向きの人物ではなさそうので不明だが、エリオの視る未来では必要なのかもしれない……。
・世界を救う崇高な志を持った人材として?
【サンデーの利点】
・過去から現在に渡り兄妹を翻弄してきた災いの大元は星核。「星核ハンター」の原義に立ち返って星核の回収と無力化を行うなら承諾するかも。
・エリオの申し出を受けるのが現状として最もマシな選択。
・孤独からは程よく解消される。
【反論】
・ファミリーを「裏切った」のみならず星間指名手配集団に加わったと知れれば、ロビンに心労をかけることが想像されるため、敢えてこれ以上アウトローになる道を選ばない。
→前線には出ないように立ち回り、指名手配を避ける。/もう世間からの印象は最悪なのだからこれ以上失うものはない。

 以上は大まかに2.2までを踏まえたもの。
 以下、2.3を踏まえて補足をしていく。

『レイヴンズ・デス』差出人再考

 初っ端から疑義をかけてしまうが……。
 『レイヴンズ・デス』の中で著者「シーセル・シムス」の個性が表れている最後の部分をもう一度見てみる。

 「土地」「希望の種」「あなたが来るのを待っている」……これはジェイドのセリフに奇妙に合致している。

 そして、スターピースカンパニーは「無限の可能性」という言葉が好きなようだ。

千の星を巡る紀行PV「スターピース案内:選別、計画と好機」

 サンデーの夢はしばしば「野望」と表現されてきた。

 ジェイドは十の石心の心には「野心」という穴が空いていると語る。服装の謎の胸穴はそういうことだったのか

 「野望をすべて実現する」からは、光円錐動画での彼の言葉を連想させられる。

「得るものは全て 願いしもの」
May all wishes come true.

光の残影 日本語版・英語版

 差出人「シーセル・シムス」は英語で「Cecil Simmes」と綴るので、もしかしてセシル・ローズ(南アフリカのダイヤモンド鉱山で財を成した英国の帝国主義者)が元ネタなのかと思ったが、中国語表記を見る限り違うので、これは勘繰りすぎ。中国語表記で検索してみると真っ先に某ゲームの黒猫が出てくる。エリオ?

カンパニー加入説への反論

 ……という具合に、どうも辻褄があいすぎていて不穏なのである。断っておくと私はカンパニー加入には断固反対派だ。だってまずジェイドと取引したら碌なことないじゃん!!!! どうする? ロビンとの約束と夢を叶える代わりに、サンデーにとって何よりも大事だったロビンとの思い出を犠牲にしたり、自我を失ったりしたら? 2.2で永遠の孤独の運命から解き放たれたのに、あまりにも残酷だ。
 しかも、そもそもカンパニーの行動原理は、基本的に経済的利益の追求であり、それ以上でもそれ以下でもない。「存護」は経済圏の拡大に体現されると考えている。そのためにオスワルド・シュナイダーはツガンニヤに手を入れるし、アルガン=アパシェ(ブートヒルの故郷)を火の海にするし、戦略投資部は数百年前の借金を取り立てに来るし、ピノコニーでファミリーに対峙するのだ。模擬宇宙の分裂金貨の説明を読めば、カンパニーが現地経済を破綻させる様子がわかる。敵として出てくるカンパニー平社員はとてもではないが福利厚生に恵まれて「幸福」でいるとはいえない。内外に対してブラック企業、これがカンパニーへのイメージだ。

末日の幻影でエレジーから聞ける話

 という諸々を踏まえて、サンデーがカンパニーへの協力を諾うかについては、「ノー」であることを望みたい。サンデーの約束、夢は、「すべての人が幸福を得られる楽園を築くこと」であり、いくら「存護」が発端とはいえ、「すべてを琥珀の王に捧げ」て、全宇宙を(抵抗を押し潰しながら)カンパニー経済システムに組み込むことではないはずなので。

「終焉」

 2.3ストーリーにおいて、ジェイドは重要な情報を開示した。星核ハンターは「終焉」の派閥であると。

 「終焉」テルミヌスは、時間を逆行し、必ず的中する預言を囁いている亡霊のような星神である。「運命の奴隷」として外れることのない「脚本」を書くエリオと関係していると思われていたが、これが確認されたことになる。
 2.3は「終焉」にまつわるコンテンツが多い気がする。「終焉の視界」然り、「末日の幻影」然り。
 「幻影」のエレジーは「終焉」の派閥「葬儀客」であり、テルミヌスの話をしてくれる。

 ジェイドは、星核ハンターたちが「(『終焉』の)運命とは逆の方向に進もうと躍起になっている」と形容していた。これは同じ「終焉」派閥の「葬儀客」の目的、三つの質問をテルミヌスに投げかけること、と通じるところがある。両者とも、定められた「終焉」に抗う「存在意義」を求めているのだろうか。

其がすべてを終わらせたいなら、なぜ過去に警告するのでしょうか?
すべてを救いたいなら、なぜ終末をもたらすのでしょうか?
もしもすべてが滅びるなら、私たちが存在する意味は何なのでしょうか?

 エレジーによる「終焉」の描写が興味深い。

しかし、「終焉」は全ての終着点ではありません。
全てはそこから始まり、次の「終焉」に向かって進む
のです。

 これ、何かを思い出さないだろうか?

 英語版だともっとわかりやすいかもしれない__The beginning of someone’s cycle marks the end of another person’s. 英語版では人が単数扱いになっているが。
 これも。

 「終わり」について、サンデーは2.2で次のように語っていた。

 「終わり」についてネガティブなイメージを抱いていたサンデーが、「終わりは始まりでもある。」と呟くに至る過程には、思考の変化があるはずだ。

 個人的な感想だが、ピノコニー編のテーマの一つは「『それでも』〇〇する」ということだったのではないかと思っている。
 「結末が定められているなら、なぜ生きるのか?」に対しては、黄泉が2.1で答えている。結末に向かうまでにできることはたくさんある、と。

 「落ちて苦痛の死を迎えるかもしれないのに、なぜ飛ぶのか?」

 「石を投げてできた水面の波紋はいつか消えるのに、どうしてそれでも石を投げるのか?」

 だんだん論点がずれてきた気がするが、余談として捉えていただきたい……。

 繰り返しになるが、「終焉」は定められた、不可避の結末である。視野を狭めてみてもいい。人は必ず死ぬ。永遠の楽園は潰えた。波紋は消える。しかし、それでも人は生きていく。「葬儀客」は存在意義を問い、星核ハンターは「終焉」に抗おうとする。これを踏まえた上で、2.3本編後と思われる光円錐の説明と、動画のセリフを見てみると。

目覚めた後も、世界は変わらず苦痛の輪廻の中にあるだろう。
そこから逃げることはできない、今までのように……

ステッカーの「輪廻」は苦痛の輪廻を指していたのだろうか?

得るものは全て、願いしもの
終わりは始まりでもある。

 一に、世界のあり方が変わらないことを認識しながら、それでも全てが叶うことを願っている。二に、「終わり」の捉え方が変化し、「終焉」派閥の考え方に近づいている。
 まとめると、サンデーの考え方が「限界」「終わり」を認識した上での「それでも」型に変わったということだ。この変化に、「終焉」の派閥である星核ハンターとの接触が関わっていると考えることは、突飛だろうか?

審議:蓄音機

 光円錐の蓄音機を見たとき、カフカの光円錐と共通モチーフで匂わせているのではないか、と思ったものだった。

「調和が沈黙した後」、「フェルマータ」

 ところが(!)。

2.1

 ジェイドの初登場(回想)シーンにも、蓄音機が置いてあったのだ(気づいたときギョッとした)。カンパニーは嫌だ……カンパニーは嫌だ……

 伏線だという考えは捨てますから、離れていても兄妹だという意味にしてください、お願いします。

サンデーとホタルへの提案の類似

 改めて眺めてみると、サンデーとホタルは、ともにジェイドから、すぐに答える必要のない重い質問/取引の提案をされている。文言も若干似ている。

 つまり? サンデーは星核ハンターと接触、ホタルと話すことで同様の提案をされていたことが判明する。エリオの脚本に十の石心の記載があり、秘密裏にハンターとジェイドが接触する__とか。これがいいです。どうか。
 しかし、何といっても星核ハンターは指名手配犯の集団であり、サンデーが積極的に関わろうとするとは思えない。ではどうやって接点を持つのか?

 花火だ。

花火の終演挨拶PV

「タルタロフの終焉の挨拶」PV

 「生命体はなぜ眠るのか?」に答えを出してない人、だ〜れだ?

2.2

 サンデーだ。
 PV内でも紹介されているように、ホタル、アベンチュリン、黄泉、ミハイル、開拓者……と、この問いに触れたメインキャラクターは皆答えを出した。ただ一人、サンデーだけは、開拓者に問いかけたのみで、彼自身の答えを得ていない。

 この辺のセリフを書き出してみると次の通り。

で…「生命体はなぜ眠るのか」?
答えなんてどうでもいい
そんな真面目にならないでよ
結局 愉しければそれでいいでしょ?

 花火が話しかけているのは、まあ「第四の壁」を超えたところにいる私たちだろう。しかし……しかしね……

2.0

 2.0ストーリーで、花火はサンデーに「そんな仏頂面しないで〜」「なんでそんなに真面目なのかな〜」とこぼしている。似てない……?
 もし、花火が「私たち」に向かって話しているように見せかけて、実際は側にいるサンデーに話しかけているのだとしたら……???

 黄泉のPVで、花火は星核ハンターたちに化けていた。2.3では、銀狼が花火を雇い、脚本を共有したことが明かされた。星核ハンターと花火には接点というかコネがあるのだ。が、花火がホタルの死を安全なものにするために善意だけで行動したとは到底思えない。何らかの「愉悦」がなければ、いくら金を積まれようとも動くものか。
 花火はサンデーについて、「手羽先にピアスをつけた男の子なんて、誰が無視できると思う?」と評している。弄り甲斐があるのだろうか。話しかけるとすぐ機嫌を悪くするあたりなど。

キャラクター紹介|花火

 手羽先といえばニワトリだが、キャラクター紹介で彼女は「ニワトリの相棒なんてどうかな?白いタキシードを着て、黒猫の眼鏡をかけてるんだ!」と語る。ニワトリ=サンデー、白いタキシード=サンデーが服装に気を遣うことのたとえ、黒猫の眼鏡=エリオの脚本を読むこと、だったらどうする????
 それで、終演挨拶PVでは、サンデー自身はまったくそのつもりはなかったのに、花火のピノコニーという舞台上の「相棒」として絡まれている……とかだったら。

まとめ(与太予想)

 サンデーはジェイドの取引の提案を保留したまま脱獄することになった。
 「自由」になったものの、行く当てのないサンデーに声をかけたのは花火だった。パブかどこかへ不本意な彼を連れて歩いた(PV)のち、「清廉潔白な手羽男ちゃんを指名手配犯の集団に放り込んだら面白そう〜〜」とばかりに、サンデーをハンターの拠点に置き去りにする。
 花火はエリオがサンデーに興味を示し、『レイヴンズ・デス』を送っていたことを知って連れてきたのだろうか、それともただ「愉悦」のために行ったのだろうか。いずれにせよ彼は来た。
 改めて「招待」を受けたサンデーは、自分の行くべき道について、「終焉」について、熟考する(光円錐)。
 人の苦しみも死も、逃れられない宿命だ。しかし、それでも人は眠りから覚め、現実世界を生き抜こうとする。ならば、平和をもたらしたいと願う対象、「人」の認識を、自分は改める必要があるのではないか。「終焉」、定められた結末の概念がもたらす無力感や逃れられない苦しみにも関わらず、抗いながら生きることで、彼らが人らしい幸せを実現しようと望んでいるのならば。
 加入にせよ協力にせよ、ハンターと道行をともにすることになったサンデー。どうにも折り合いをつけることが難しかったホタルとも話す機会を得、ある事実に気が付く。自分も彼女も、ジェイドから取引を持ちかけられていたのだ、ということに。

余談

 ここまで記事を書くのにだいぶ骨を折った。ここからは気力があれば書きたいものや、考えがまとまっていないもののメモとして。

登場人物たちの「対」としてのサンデー

アベンチュリンとサンデー(姉妹の存在)
ホタルとサンデー(利己・生存:利他・犠牲)
ミハイルとサンデー(ギャラガーの指摘。何なら「稚児の夢」ってサンデーの幼少期と被せてきていない?)

「エリオ(Elio)」

 ギリシャの太陽神ヘリオス(Helios)を連想するのと。

「ある兄妹が長い別れを迎えた」

 英語版ではeternal separationだが、どうも中国語などでは「永遠」ではなく「長い」のニュアンスらしい。ビビらせるなよ……。
 この別離の理由は、サンデーが「秩序」、ロビンが「調和」の道を歩んだことと、ロビンが注目を集める歌手である一方、サンデーはピノコニーの「裏切り者」になったこと、になるだろう。別にジェイドが二人を引き離したとかではなく。


長々と書いてきたのでこの辺で。それではまた。
2.7後半クリスマス実装待ってるよ〜〜〜〜!!