サンデー関連与太考察メモ日記5【崩壊:スターレイル】
サンデー実装おめでとう!!!!!!! やった〜〜〜〜!!!!!!!!!
と思うばかりで、与太考察すらしていないこの頃。noteを開くのも久々だったが、思いの外お読みの方がいらっしゃるようでびっくりしたので、せっかくのタイミングだしなんか書いとくか、という記事。中身はあまりない。
……とだけ書いてまたしばらくnoteを放置して2.6開拓ストーリーを読んだら言いたいことが積もってきたので、まあまあ中身を詰めて書いていきたい。
2.6開拓クエストは2.0~2.2のリライトである
と、私は考えている。急に言われてもだと思うので、まずは2.6ストーリーを簡単に振り返ってみたい。
2.6ストーリー概要
以下、2.0~2.2(ピノコニー本編と表記)と2.6の対応を列挙していく。
1.人々の内心:苦しみからの逃避の種
ピノコニー本編において、サンデーは人々の人生につきまとう苦痛__鳥に喩えるならうまく飛べずに墜ちることを憂えた。苦しみから逃れたいと思う心(「誰の心にも逃避の種はある」)に寄り添った結果、エナの夢を作り出し、人々にはそれと悟らせずに、尊厳のある理想の人生を夢の中で送らせようとしたのである。
2.6のプリモン教授は、学生たちの不安や劣等感に目をつけた。バナ師やバナシスタントは「バナ育」を通して彼らに誘導尋問のように問いかけ、苦しみを生み出す元となる自我を捨てて楽になる=サルになることへ導いていく。
2.首謀者の思想の同質性:サンデーとプリモン教授
本編のサンデーは現実世界を「適者生存」の場であり、(相対的)強者が(相対的)弱者を搾取して成り立っていると断じた。この不平等を是正できるのが「秩序」であると。(余談だが、「自然状態」を悪とし、「秩序」を尊ぶ思想は、ホッブズの『リヴァイアサン』に通じる。ディエス・ドミニの威圧的にも見える姿を思えば、元ネタでもあったのではないか?)
そして、人々に上流階級の洗練された暮らしではなく、夢の中で誰もが尊厳と共に「幸せ」に生きていける人生を送らせてやりたいと願う。
2.6のプリモン教授は、人類を利己的な植物に喩えた。「個性」や「自我」を持ち、野蛮に成長すると。一方でバナナは栄養生殖(種や胚によらない殖え方)する植物であり、一株から増えて星系、さらには宇宙全体の食糧問題を解決できると。
ウェルスバナ師は、輝く成功者の人生はあまりにも遠いと説き、サルになって毎日やるべきことにも追われず、バナナを食べたり寝たりしてハッピーに暮らす日々を広めようとする。
対比がわかりやすいように、サンデーとプリモン教授の言葉を並べてみる。
◎「自然」と「秩序」について
◎理想の生活について:エリートと普通の人の対比
つまり、2.6は一見コミカルな装丁をされているだけで、中身を見れば2.2のシリアス話と本質は同じなのである。
ここで余談。サンデーと原始博士の信奉者(本人ではない!)に通じる人類・文明観は悲観であり、手段が分岐したということになるだろう。サンデーは夢で問題を解消することを選び、原始博士の信奉者は人類を退化させて文明をリセット、リトライすることを選んだということ。サンデーについては人の可能性を信じることができれば彼自身も救われるだろうと思うが、信奉者たちは原始博士のお眼鏡に適いたいという下心もあり、救いようがないかもしれない。
3.エナの夢とバナーネの刻
本編でサンデーが調弦師となったディエス・ドミニ、もとい「衆願のドミニクス」は、人々の苦しみを厭う心を束ねてエナの夢を作り出した。エナの夢は人々の願いが一つになったときに現れると言及があったが、この願いは夢の中であっても(そうとは自覚せずに)幸せに生きたいというものであったろう。
2.6のバナーネの刻は、プリモン教授がサルとなった人々の諦めの心を集めて作り出したものである。
この二つの夢は、その破り方もだいたい同じである。
本編ではエナの夢が夢だと気づいて目覚めたロビンや開拓者一行、黄泉、ブラックスワン、ブートヒルらによって作戦が決行された。ロビンは調和の歌で人々を呼び覚まし、黄泉は虚無の「使令」の力で夢を揺るがし、ブートヒルは巡海レンジャーを外部から呼び寄せ、開拓者一行がディエス・ドミニを倒した。
2.6では、ロビンとブートヒルがMr.レックの導きを得つつ、ドリームリーフにてディスコパーティーを開いた。音楽と人々のあげる「調和」の歓呼が夢を内側から揺るがす役割を担ったといえるだろう。乱破と開拓者、丹恒はプリモン教授と対峙し、夢を外側から破壊した。
また、エナの夢にもバナーネの刻にも、開拓者は序盤に迷い込んでいる。
まとめ:2.6は〜2.2の再演
以上の本編と2.6の対比をまとめてみると次のようになる。
まさに「サルでもわかる2.2ストーリーのおさらい」! サンデー実装を控えたいま、より簡易に構図を再現してあげたからおさらいしといてね、ってことか。
余談:プリモン教授と永火官邸
プリモン教授や、乱破の過去に出てきた僾逮館主は、「知恵」の使令である原始博士の目に留まり、気に入ってもらうことを渇望して勝手にあれこれやらかしている人物である。原始博士自身はマスター・苦茶の言葉にもあったように、凡人のことなど気にも留めていなさそうだが……。
ピノコニー本編にも似たような集団がいた。永火官邸! ナヌークに一瞥されたくてあれこれやってたけど見向きもされず、自分たちが壊滅してしまった者たち!
ピノコニー本編への文句
ほとんど愚痴。
キャラクターの背景の描き方
これは2.6が良かっただけに本編でもやってほしかったという話になるのだが、2.6はちゃんと味方サイドの過去や行動や思考を無理のない流れで描いてくれていた。乱破は忍者語録に染まったキャラクターであるが、実は文字通り「ミーム」に感染させられた被験体であったことを、開拓者がMr.レックの頼みを受け、追体験する形で知ることができた。話の運びがうまい。
こういう描き方がどうして本編ではできなかったんでしょうね?
2.0ではホタルと名乗る謎の少女が市中引き回しデート作戦(???)を決行し、挙句眼前で「死ぬ」。なぜ開拓者に異様に親しく自己開示をしてきたかは、本編中で明かされず。結局あれ何でだったの? 開拓者が星核ハンターだった時代に親しかった説とかあるけど、そうだとしたら尚更何でそれを示すセリフの1行も入れてないんですか? って話。
2.1ではアベンチュリンが開拓者(notプレイヤー)の預かり知らぬところで長い尺を取って過去と本心(それも、かなりキャラクターの核になるような)を開示。開拓者はそれを一切知らないので、突然敵として出てきたような印象だったのでは? しかも「死んで」から割とあっさり帰ってきたらしく、本編にも以後大きな絡みもなく。本当にアベンチュリンがピノコニー編というストーリーにおいて、何の役割を果たしたのかわからない(カンパニーの交渉のためにってのはわかるけど、物語として)。同行クエストでやるならともかく。アルジェンティの扱いも雑すぎるでしょ。キャラクターを面白くて便利な装置にするな。
2.2ではようやく(敵側ではあるが)サンデーの本心と過去が明かされる。これの尺と内容に不満はないのだが、願わくば2.0と2.1をホタルとアベンチュリン全振りにせず、ちょっとくらい彼の憂慮や「調和」「秩序」への考えを散りばめておいてほしかった。2.1あたりアベンチュリンに肩入れした人からの若干のヘイト値上昇を感じた。
ピノコニーで一番割を食ったのがロビン。2.0でろくに会話もしないまま「死んで」しまい、2.2で再登場して兄と対峙したのだが、サンデーが2.2でとにかく言葉を尽くして自分の考えとバックボーンを語っただけに、ロビンが撃たれるなどの挫折があってもなぜ強くあれるのか本編だけではわからず、物足りなさが残った。2.0で開拓者と「デート」するはずだったのはホタルではなくロビン説を見かけて納得してしまうくらいには。確かにコンサートPVやスゴロクイベントではお忍びロビンが見られるし、ピノコニーに来たばかりのホタルが秘密基地を持っているのは整合性が取れてないし……。
ブートヒルもキャラストを読まなければ、キャラの核になるような過去が一切わからない作りだったし、何ならホタルも割を食っている。あれだけやっておいて彼女の過去はゲーム外のムービー頼りですか!? 花火演出の「3回の死」も星核の話もピノコニーの理念と今後(十の石心PV参照)もなあなあになってるし。2.3の茶番は何とかしてくれよ。週刊ファミ通で言い訳するんじゃなくてさ。
サンデーとの論戦
そういえば開拓者も空気だったなあ。ミハイルたち過去の開拓者の意志を継ぐってのはわかるけど、その前置きが弱すぎ。これまでのサイドストーリーとかで出会ったNPCのエピソードをあげて反論する(ココナとか。ただ彼女は選択肢によっては……)とかでもあればまだ良かったんだけど、
・姫子「サンデーは神になろうとしてる」←違います
・姫子「弱者の意志を見て」←列車って「弱者」なの!?
・開拓者「ピノコニーは『秩序』なんかのものじゃない」←代理戦争?
・ホタル「あたしは弱者じゃない(怒ってる?)」←貶してないですよ……
・なのか「……」
だからね……それで「夢から覚めるためだよ」。うん。その答え自体に不満はないから導き出す過程をくれ。
というかこんな的外れな議論を見せられるくらいだったら、2.6みたいに「人の幸せを勝手に決めつけるな!!」「夢はしょせん夢、力の前にはなすすべない脆いものなのだと教えてあげる(実力行使)」で突破してもらった方がよっぽど納得できますよ!!!
2.6で良かったところ
愚痴で終わるのは気分が良くないので、良かったところを書いて、サンデー実装を楽しみに待ちたい。
ロビンの2.2~3後の考え
2.2ではこれからの見通しを持つどころではなく、2.3でも傷心を抱えていたロビンだが、今回パーティーでDJを務める前に2.2の出来事を経た自分の考えについて、人に話をしている。サンデーのことで心を痛めるのではなく、彼も別のところで自分と同じように次へ進むための準備をしているのではないかと、2.2のときよりも確信を持って、楽観的に考えている。また「調和」をより良いものにするための気づきを得ている。これまでの調和は心を一つに団結することを求めていたが、実際には人々の個性を尊び、異なりながら共存することこそが「調和」ではないか、と考えているのである。
個人的には、「サンデーとロビンは互いが元気で生きていることを知った上で別の道を歩むべき派」なので、今回ロビンが「調和」サイドでこういうことを考えているのだと開示されて良かったなと思っている。2.7(?)でサンデーが新しい道に踏み出せることを願うばかりである。
こちらは終盤、ロビンの挨拶。2.2ラストの「兄様……夢から覚める時よ」を踏まえて、2.7で兄妹が再会したのち、それぞれのやり方と考えを持って別の道に分かれるとき、こういうことをサンデーに告げてほしいな〜〜をお出しされた感じ。
ことにサンデーとロビンは、同じ夢を抱いて育った双子であるから、夢が道しるべであれば、いずれは夢のかなった地で再会できよう、ということにもなる。
余談だが、次の星「オンパロス」は、ギリシャ神話において、放たれた2羽の鳥が、反対方向に飛び立ったのち再会した地点である。
Mr.レックが2.2に居てくれたら……
「(相対的)弱者」である大衆の意志を汲み取れる監督、Mr.レック! 彼が2.2でサンデーと対峙してくれたら!! 「そんな彼らの何気ないワンシーンの中にも、人の心を救う魂の光を見ることができる」。言ってやってくださいよ、サンデーに。
2.7楽しみ〜〜〜〜