貪欲に、良いものを目利きする。
某ホテルのWEBサイトをリニューアルする案件があり、先日取材を兼ねてホテルを訪問させていただきました。客室、披露宴会場、チャペル、レストラン、ラウンジ&バー、スパなど、ホテル内の施設を一通り見学。
目に飛び込んでくる非日常の世界
カトラリーは、フランス製のクリストフル。お皿は、ナポレオン3世もご用達だったという、ベルナンド。
ラウンジ&バーに常設されているピアノは、世界に91台、そのうち日本には3台しか無いという、スタインウェイの記念限定モデル。どれもトップクラスのハイブランドで、私の普段の生活では目に触れないようなものばかり。もう、頭の中はカオス状態。
ホテルは、世の中のトップクラスのブランド達が集まってきた空間と言えるんじゃないでしょうか。
目が肥えたホテル業界のプロ
案内していただいた企画広報部の方達は、当然のことながら10タイプある客室の特徴が全て頭の中に入っていて、寝具のブランドやその特長について、壁に飾られている花の名画について、ひとつひとつ丁寧に案内してくださいました。恐らくこのお二方は、普段から日本全国のホテルやレストランを渡り歩き、世の中で良いとされている物やサービスを目利きしているに違いない。ホテル業界を知り尽くしているような、情報量の多さと知識の深さ。相当目が肥えた方達と言える。
ホテルを語るお二人の姿は、とても凛々しく堂々とされていました。話し方はとても穏やかだけど、根っこの部分にどっしりとしたプライドがある。「あぁ、こういう人達のことをプロっていうんだ」と、身の引き締まる思いがしました。
WEBデザイナーとしてインプットを意識する
自分はどうだろうか。
曲がりなりにも、この業界ではWEBデザイナーとして6、7年ほど働いてきたけれど、世間で話題になっているアプリやゲーム、今主流のデザインについて、自分はどれだけ知っているだろうか。
車内広告やコピーを見て、これはどこの広告会社が手掛けているもので、アートディレクターが誰でコピーライターは誰なのか、そういったことを私はどこまで熱く語れるだろうか。
この業界で働いているとはいえ、全てを知り尽くすには限界があります。全てを好きになるも不可能です。
でも、普段からインプットを心掛けている人と、そうでない人とでは、話題になった時に多少なりとも会話の弾み方が違ってくるのではないでしょうか。
我武者羅に仕事をしていた20代が過ぎ、30代になってからは、自分の好きなことに対して直向きに頑張っていればそれで良いと思っていました。でも、こうして物を作る商売をしている以上、世の中で良いとされる物に対して、もっと貪欲に情報をインプットしていくべきなんだと痛感しました。
今回のホテル訪問は、自分がデザイナーとして普段どれだけインプットをしているか、その姿勢を見直す機会にもなったと思います。
このままでいいと思ってしまえば、そこで成長は止まってしまう。
自分がするべきこと
その道のプロの人に会うと、自分はこの人と同じくらい何ができるだろうって考えます。彼らがプライドを持ってプロの仕事をしているように、私もまた、貪欲に目を肥やして良いものを作り、彼らの期待を超えていきたいと思いました。