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Miskatonic Repository 出版備忘録2
この記事は、私が米国のTRPG専門の販売サイト”DriveThruRPG”に自作シナリオを出版した際の備忘録、第二回です。前回の記事はこちら。
Miskatonic Repository(以下、MR)には、明確なガイドラインが制定されており、コンテンツの作成手順がサポートされています。今回はこれをかいつまんでいきましょう。
はじめに
「この記事を参考にしたせいで問題が起こった!」と言われても責任は負えません。実際に出版される際には、ご自分でも公式サイトで原文をご確認いただけますようお願いいたします。
要約
いきなりですが、今回の記事をめちゃくちゃ要約すると......
MRに出版するコンテンツは……
・他者の著作権、知的財産権を侵害しないこと
・AIアートを使わないこと
・クラウドファウンディングを使わないこと
・使用できるのは最新版のルールブックとパルプ・クトゥルフだけ
・テンプレートを利用しよう
著作権
MR用に作成したコンテンツの著作権は、制作者が保持しますが、ルールやその他の設定などの知的財産権はケイオシアムが所有します。公認とはいえ、あくまで二次創作ということですね。
また作品のクレジットページには、Call of Cthulhuの商標とライセンス表示や、自身の著作権表示([作品名] [©日付] [著者名])、アートの帰属を表示する必要があります。後述のテンプレートには商標とライセンス表示が記載されていますので、使用されることをお勧めします。
Miskatonic Repositoryで使用できるルール
以下の書籍の第7版ルールが使用できます。
Call of Cthulhu Keeper Rulebook
Call of Cthulhu Investigator Handbook
Keeper Screen Pack
Pulp Cthulhu
日本の環境で言えば『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック』、そして、11月末に発売が決定している『新クトゥルフ神話TRPG パルプクトゥルフ』の二つが相当します。
つまり、ソースブックの類は適用できません。ちなみにソースブックを出版することはできますよ。
Miskatonic Repository アート
MRのコンテンツに限定されますが、無償で使用できるアートワークが提供されています。使用する場合は、クレジットにアーティスト名を記載しなければなりません。(Rogues’ Galleryは”Miskatonic Repository Rogues’ Gallery Art Pack”と記載する。)
Miskatonic Repository Curious Things Art Pack(by Mara Braun)
Miskatonic Repository Ill Omens Art Pack(by Marco Monte)
Miskatonic Repository Mythos Monster Silhouettes Art Pack(by Simon Bray)
Miskatonic Repository Weapons and Relics Art Pack(by Marco Monte)
Miskatonic Repository Phantasmagorical Art Pack(by Rueben Dodd)
禁止事項
他のゲームや他のコンテンツをCall of Cthulhuにコンバートすること
Call of Cthulhuの第1版から第6版向けに書かれたものすべて
コミックやフィクションの出版(リプレイはOKのようです)
ソフトウェアまたはアプリの公開
他者の知的財産権を侵害する製品の出版
クラウドファンディングを使用してコンテンツを出版すること
ケイオシアムがリリースした神話フィクション、ラムジー・キャンベルの神話作品、ブライアン・ラムレイの神話作品に関する素材を使用すること
ポルノ、極度の暴力、名誉毀損、中傷、人種差別、同性愛嫌悪、差別、他者の著作権や商標を侵害する内容、法律に違反する内容
AIアートを使用すること
公序良俗に反しないこと、AIアートを使用しないこと、クラウドファウンディングを使用しないこと、あたりをおさえておいた方が良さそうです。
FAQには、「Miskatonic Repositoryで出版したコンテンツを他の場所で公開してはいけない」という意味合いの文言がありました。私のようにBoothで日本語版を公開し、英語版をMRで公開したというパターンも当てはまるのか、ちょっと調査します。(記事を書きながら、この文言を見つけてしまった。)
(2024/10/16 追記)
「BoothやTALTOなど日本のプラットフォームで公開済みのコンテンツを英訳し、MRに公開すること」について、MRライターのMJRRPGさんからコメントをいただきました。
彼も日本語のシナリオを英訳し、MRで出版されていますが、その際にケイオシアムおよびDriveThruRPGに問い合わせをし、許諾を受けたそうです。気兼ねなく日本のシナリオをMRで出版することができますね。
「Miskatonic Repositoryで出版したコンテンツを他の場所で公開してはいけない」について、先にTALTO等に出版済みシナリオを訳してDTRPGに出版することは問題なし。JaponismをDriveThruRPGにアップする前に、Chaosium社のNick BrookeとMichael O'Brien、またDTRPGのスタッフから許可を貰いました。
— MJRRPG (@MJRRPG1) October 16, 2024
これがNick Brookeさんの詳しく報告ですが、基本のルールが他の言語から英語に翻訳する場合、別のサイトが元に掲載されていたら問題ありません。
— MJRRPG (@MJRRPG1) October 16, 2024
逆の形(DTRPGからTALTOへ、それとも同時に出版)についてまだわかりませんので、いつか確認した方がいいかもしれませんね。 pic.twitter.com/yq3Y8EEcVz
質問や確認したいところがあれば、コミュニティ担当者のNick Brookeさん(X:@moonbroth)に連絡してみてください。とのことです。
テンプレート
PDFを制作するにあたって、様々な形式のテンプレートとそのチュートリアルが提供されています。Microsoft Word、Adobe InDesignあたりが一般的でしょうか。テンプレートには、見出しや箇条書き、NPCステータスなどの”スタイル”が設定されているので、これらを活用するとある程度整った文字組みができます。
Microsoft Word
Download MS Word Tutorial|Download MS Word Templates
InDesign
Download InDesign Tutorial|Download InDesign Templates
ちなみに私は、InDesign形式を読み込むことができるAffinity Publisher 2というソフトウェアを使用しています。 InDesign形式のテンプレートは、最初から二段組になっているのでかなり便利です。
最適なファイル形式にするために(2024/11/16 追記)
アップロードできるファイル形式は、EPUBやMOBIにも対応しているようですが、PDFが最も一般的だと思います。PDF形式に関しては、適切な設定について言及されています。
QUICK SPECS (PDF) / QUICK CHECKLIST (PDF)
適切なPDF形式のほか、プリフライトや"しおり"の設定の方法が記載されています。InDesignやAdobe Acrobatをお持ちでないと、対応するのが難しい内容かと思いますが、最低限、以下の設定を守る必要があります。
解像度|150 dpi
カラースペース|RGB
JPEG2000圧縮を使用しない
望ましいフォーマット|PDF (.pdf)
PDF/A形式を使用しない
PDF保護をかけない
次回の内容
次回はDriveThruRPGでコンテンツを公開してみましょう。