雨の日の皮肉
傘をさす機会が増えてきて、彼らを道に見かけると、梅雨の季節も悪くないだとか柄にもないことを考えるけれど、もしかすると彼らはそんなこと、欠片も考えてないのかもしれない。
もしかすると、こんな風に思ってるのかもしれない。
ああ、もう。
また立ち止まっては眺めてやがる。
あんたがそこにいると、貴重な雨に打たれないだろうが。
ただでさえ大所帯だってのにさ!
かわいいって?きれいだって?
もう、まったくもって何を言ってるんだか。
そもそも僕らが主役の顔した脇役だって知ってるのかい?
どいつもこいつもヒロインみたいに澄ましてみせて、気味が悪いったらないってば。
言いたいことがいっぱいあるから、鬱憤ばっか溜まってんだ。
赤だ青だって、酸性だってアルカリだって、
今更そんなこと自慢げに語るなよ。
見た目だけで決めつけられたら紫の行き場が無くなるぜ。
根源だけで区別してんなよな。
黒だって白だって、そんな見た目で判断してんなよ。灰色だってきっとあるんだろ。
賛成だって反対だって、参戦だって降参だって、
自分の意見の芯を見つけろ。
足元の土壌で一生を決めつけられるなんて馬鹿らしいぜ。
ほらまた僕らがきれいだって。まとめて見ている。見えてないんだよな。
有象無象に塗れて紛れて、もう外形もわからないや。
集団でいることを美しいなんて
そのひとつだって見えちゃいないだろ。
醜い僕らの争いだけど、きっとどこも似たり寄ったり。
とにもかくにも、出来ることは両手を広げるだけなのさ。
とか、紫陽花が男気溢れてたら、面白いななんて思うわけです。
人間が考えるんだから、たぶん花も考えてるんでしょうね。
視野を広くいきたいものです。
それでは。