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#短編小説
勝手にルーンナイツストーリー 『盤上の夢』前編
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『Chase! Chase! Chase!』へ
「ねえねえエルザお姉ちゃん」
執務室の机にあごを載せた体勢で、シュガーが話しかけてきた。
眉間にしわをよせて書類と睨み合っていたエルザは、顔をあげると同時にため息をついた。
「シュガー。仕事中は騒がしくしないでっていってるでしょ」
「根の詰めすぎはよくないよー。お姉ちゃんが倒れたら、共和国軍はお終いなんだから。ほら
勝手にルーンナイツストーリー 『Chase! Chase! Chase!』
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『灰よりふたたび』へ
マナ・サリージア法王国の都市、ベスティリス。
ミレルバ諸島連邦との国境にほど近く、平時にはポートサイドから流入する物資や人を送り出す中継地点となり、戦時には首都ザイの東の守りを固める重要拠点となる。
人の入れ替わりも激しいが、留まる者もまた多く、常に賑わいを見せる大都市――その裏道を、一人の男が必死の形相で走っていた。
「はぁっ、はぁっ……
勝手にルーンナイツストーリー 『灰よりふたたび』
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『ザイに吹く風』へ
ため息が出る。
キャンバスを前に、朝から座り続けていたが、いっこうに筆が動く気配はなかった。
まっさらな、乾いた布地。
まるで私の心のようだ――ティルダは口許に自嘲の笑みを浮かべた。
布地ごしに見えるのは、失った輝き。
いまはもう手の届かない、愛した獣たちと過ごした日々。
あの頃は、なにもかもが美しいと思えていたのに。
おなじ姿勢を