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小説

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異形ひしめく船上都市での群像劇『バラックシップ流離譚』他連載中
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#短編集

『バラックシップ流離譚』 美しき剣・2

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 居住区下層にある岩盤住居街――その一画。
〈暁闇の牙〉――かねてから反乱を準備しているとの疑いがあった新興組織のアジトである。
 蛙人《フロギー》の商人を締めあげ、取引相手が彼らであるとわかってからの、憲兵隊の動きは迅速だった。
 居住区の住人には知られていない、秘密のルートを通じて各部隊にレギルの命令を伝達し、一時間と経たぬうちに戦力を結集させた。
 甲板での取引が潰されたとあれば

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『バラックシップ流離譚』 美しき剣・1

序文へ

 レギル・フォルカーは自分の顔が嫌いだ。
 輝くばかりの金髪。
 白磁のような肌。
 まるで絶世の美女、と形容されるほど整った面構え。
 だいたいが、容姿が美しいからなんだというのだ。
 ‟彼”は〈幽霊船〉の憲兵隊を率いる身である。
 恐れられこそすれ、愛される存在ではないし、そうあるべきとは断じて思わぬ。
 なまじ美形であるばかりに、トラブルの種を招き寄せることも多かった――というか、

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