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葦原青
2020年9月10日 23:24
プレイ日記 プロローグへプレイ日記 第12話へ 十数年ぶりに訪れた故郷の村は、記憶にあったそれよりも、はるかに小さく、侘しく、煤けて見えた。 帰ってみようと思ったのは、ほんの気まぐれだった。 任務で傷を負い、静養するよう言い渡され、するべきことも特になかったせいでもある。「おお、おお! よくぞお越しくださいました――いえ、お戻りになりましたというべきですな、ラーゴ殿」 出迎えてく
2020年9月6日 16:10
最初の話へ前の話へ ユリーを追うシュガーの心は、不安に苛まれていた。 勢い余って来てしまったはいいが、シャーリーと離れて大丈夫だろうか。 これでもいっぱしの怪人《ノワール》だろうにと、情けなく思う気持ちはある。 しかし、不安や恐怖というものは目に見えないからこそ大きくなり、それは理屈でどうこうできるものではない。 口を大きくあけ、わざと呼吸を荒くすることで鼓動の高鳴りを鎮める。 点