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ひとりで過ごす最高の誕生日

43歳の誕生日を迎えた。今年は、誕生日が金曜日の平日。子ども達が学校に元気に登校、夫も会社へ出勤。

さぁてと。わたしは、岩盤浴だ。前から決めていた。生理がかぶらなければ、今年の誕生日は、午前中からひとりで近所の温泉施設へ行き、3時間ほどかけて岩盤浴を堪能すると。今月は早めにきてくれたのでわずらわしいことも終わり、ちょうどよいくらいに溜め込んだストレスと体調不安(体調が悪くなるかもしれない、と何もないうちから不安になる症状のこと)で岩盤浴にはもってこいな感じに。

この状態で岩盤浴でがっつりデトックスと薄暗い静かな空間で瞑想なんかしたら最高にリフレッシュできる。

わたしにとって、岩盤浴は特別でここぞという時にしか行かないと決めている。毎週毎月のように行ったら、有難みがなくなり醍醐味を味わえないから。自転車で5分ほどという好立地にあるにもかかわらず、実に前回行ったのは3月以来。満を持して、という感じに持っていけたことも自分の中で、”良しっ”とうなずけた。

1月という寒い季節、汗もなかなか出ないので、本気で汗を出すには結構な時間を要した。焦らず、ゆったりと3つの種類の岩盤浴の部屋を順番に入って寝そべる。1つの部屋で20分ほど。1セット終えたら、外のソファで、水をたっぷり飲みながらクールダウン。さくらももこのエッセイ『ももこの話』を持参して、エッセイをじっくり再読。わたしはけっこう暑めの部屋がお気に入りでその部屋だと60度!2番にその部屋に入り、真剣に集中して寝そべり、寝返りをうち、軽くストレッチなんかしていると、汗がどんどん出てきた。いい感じ!さくらももこの本が一区切りしたら、次は施設が用意してくれている雑誌からわたしのお気に入りの美容雑誌『Voce』に収録されている美容コラムニスト斎藤薫の珠玉のエッセイを読む。これは数年前から毎度お決まりのルーティン。

なんの予定も入れずに時間を気にせず、思いのままに。もちろんスマホは家に置いてきた。誰ともしゃべらず、何にも縛られず、ただひたすらに汗を流し、静かに過ごすことは贅沢の極み。

気づけば、3時間。12時半になっていた。岩盤浴を終えたら、下の温泉風呂へ。熱めのお風呂で満足してから、不感炭酸温泉という熱くもぬるくも感じない究極にカラダに良いお風呂に入って整った感じで上がり、着替えてすっぴんのまま帰宅。

帰宅したら13時20分になっていた。うーむ、お昼ごはんはどうしようかな。今日はわたしの誕生日だから、本当に食べたいものを食べよう。

赴くままに、今度は自転車に乗って担々麺が美味しい近所の中華料理店へ。ここの担々麺が大好きなのに、それにここも近所なのに、本当に久しぶりに来た。もっと通うべきだな、と思いながらひとりで席に着いた。ピーナッツが練り込んであるまろやかな白胡麻担々麺か山椒などの香辛料が爽快な黒胡麻担々麺か、常にその二択で悩むお店。自転車を走らせながら、白か黒かを考え、お店に着いたときには「黒胡麻担々麺ひとつおねがいします」と即注文。ちょっとカッコイイかも、自分(笑)。

女の人は、ひとりでラーメン屋さんに入れるかどうか、これは人それぞれだと思うけれど、わたしはもうだいぶ前から、ひとりでどこにでも行ける。

そしてこの担々麺なら、むしろ集中して味を堪能できるからひとりが良いのかも、とすら思うくらい。


わたしの大好きな担々麺、今日は黒胡麻担々麺990円に即決。

ここの担々麺はやはり辛いので、食べている間に鼻水は出るし、鼻の下やおでこに汗がにじむ。岩盤浴でも汗を流し、担々麺でも汗を出して、爽快すぎる一日。このスープもたまらなく美味しくて、どうしたらこんな美味しい味を作り出せるのだろうか、とあまり飲んではいけないとわかっていながら、もう一口もう一口と汁もどんどんすくってしまった。食べ物で感動する、というのはやっぱり幸せなことの代表格だ。

夢中で担々麺を食べ終えて、帰るころにはすっかり日常にもどる。

”今日の夕飯、明日の夕飯、あ、明日は寄せ鍋にしようと思うから大根ほしいな”と

近所の農家さんの直売所を覗いていく。

大根1本買おうと思ったのに、魅力的な野菜たちが並んでる。この先っちょがとんがった葉っぱのサニーレタスは”ハンサムレッド”っていう名前なんだって。ときめいちゃう。まぁ!新鮮で立派なチンゲン菜が150円!ルッコラもサラダでいただくと美味しいのよね、赤かぶ120円だなんて!結局あれこれ選び、農家のおばあちゃんに、小銭を渡して結局820円分の野菜をかごに入れて帰った。地産地消バンザイ!


近所の農家大谷さんの産直野菜を買った誕生日。

なんて素敵なバースデー。身も心も軽やかに。ひとつ歳を重ねたことに歓びを感じた。

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