スーさんの言葉を浴びたくて#読書ログ
タイトル:生きるとか死ぬとか父親とか
著者:ジェーン・スー
きっかけ:
仕事中Podcastをよく聞く。
お気に入り番組のメインパーソナリティは、話の瞬発力が高くポンポン話題を出してくるのが好み。Podcast番組だからか、ラジオよりはちょいと気楽らしく、番組中にお菓子を食べたり電話をしたりする。(そのラフな雰囲気も好きな部分)
収録中、時折スーさんにかかってくる父親からの電話。ご飯食べた報告だったり、お金の無心だったりだけど、その話を秒でネタにするこの女性の度胸が素晴らしく、父親との関係を描いたエッセイを読みたくなった。
破天荒な父親と、一人娘のスーさんの、そして父親を通して、早くに亡くなった母親を思う。
文章は淡々と日常を綴るが、幼少期に過ごした街の風景だったり、行きつけ東京のお店だったりで、幼少期は裕福だった日常が浮かんできて、その風景がもう当たり前じゃなくなっていることに諸行無常というか、侘しさを感じる。
女性に好かれやすく、色んな仕事に手を出す父親の行動に振り回されながら、周りの女性のように、結局は父を許してしまう。
母親がそうだったように。
冷静に、淡々と繋がる文章に、何故こんな所業を悪態ひとつで許してしまうのか、という疑問を浮かべるが、本人もこれが普通ではないと知りながら、親だから、そういうものだから、結局認めざるを得ないのか
死を通して、今の自分たちを振り返り、その滑稽さを認めながらも生きて進んでいく。
立ち止まったりはしない。
エッセイは、読後、その人の視点がちょっと自分に入ってきた気持ちになる。
私の両親は健在だが、だからこそなのか
当たり前にいるものだと思って、2人の人間の成り立ちを考える事は無かった。
これを機に、彼らに少しだけ向き合ってみようか。
申し付けをわざわざ残すような2人じゃないから、そっと探ってみよう。
まずはお気に入りの甘味屋さんから。
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