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坂本沙季19.海に近い月は大きい

また新しく大切だと言えるものができた。いつも人の目を気にしているとそれすらを言えなくなる。どんなところが?と聞かれてもふわっとしか語れない。

感覚で考えることを肯定したい。それを経験によるものだと自分に言い聞かせて、理屈で考えられないことから逃げてきた。でも、最近は大切だと言わないとそっちが逃げてしまう気がしてきた。

やっと、演劇を日常的に見たり作ったりできるようになってきた。でも隣の席が空いていたり、マスクの着用を申し訳なさそうにお願いされたり、注意しなければいけないことがあって、戻ってはない。

これから戻ることができないことが増えていくことを実感している。時間は平等に過ぎていく。だから、大切なものを忘れないでおきたい。

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