石川朝⑨どこでも走れるよ
小さいころ、いっつも口がちょっとあいてて明後日の方を見ていて困ったり恥ずかしいときにちらっとべろが出てるような子供だった。
幼稚園のお遊戯会はみんなが踊っている中わたしはいつも何もせずただにこにこして立っていた。練習の記憶は何もない。
小学校に入ってからは算数の時間先生が「ここの問題をやってください」と指定しているのに自分のすきな数字で作ったお手製問題を解いて持って行って「あさちゃんこれどこやってきたの!?」と言われたり
授業中、はっと気がついたらみんなが手を挙げてるから自分も挙げてみたら当てられて、「あっ、たぶん、間違えて手あげました」とか、
徒競走に関しては小学校3年生くらいまで「位置について、よーいドン」の合図で走り出すことすらまず理解していなかったのでみんなが走ったからなんとなく走ってみた、みたいな調子で「将来の夢はサーティワンでアイスを売ります」とドヤ顔していた。
先生との面談は時間が伸びてもいいように必ず一番最後でわたしの前後はいつも空欄にされてあった。
「問題児」ではないけど多分「心配児」
だけどやさしいお友達たちに恵まれ、仲間外れにされたり意地悪されたり馴染めなくてつらい思いをしたことが人生で一度もない。
だから自分の欠点や出来ないことを真剣に悩んだり考えたりすることがあまりなく、ここまですくすく大きく育ってしまった。
でもね直さなきゃ変えなきゃ、じゃなくて
今は持ってないもの、追加で持ってたらいいなって思う
ここまでとんとこ進んできたから今までのわたしもこれからのわたしも大丈夫だと思う
だからほんとにやりたいこと大事にしたいこと欲しいもの、手を離したらいけない忘れちゃいけない
目の前の誘惑につられてふっと忘れそうになってもぐっと踏ん張らなくちゃいけない
わたしもそう思う、だいじょうぶ。
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