坂本沙季17.反抗期
窓際に置いている植木が、窓の方に向かって伸びていくのを見ている。水をあげたときに太陽の当たるところを回転させて、まっすぐ育つようにしている。
少し放って置いたら、気がつかぬうちに太陽の方へ向かってたくさん伸びてしまっていた。
家の中にいると、家の中のことにしか気がつけない。ニュースとかいろんな世界の出来事がものすごく遠くに感じる。
一人というのにも慣れてきていて、慣れたからこそ対処の仕方をいろいろ身につけている。
何かをすることに誰にも何も関与されたくないはずなのに、いつも一人なのは怖いという矛盾を持ってる。
変わらないことを憎んでいたりした。
どんなことをしても何も変わらないから、何もしなくてもいいんじゃないかなとか思う。
でも、それを綺麗だなって言う人がいて、それもいいかもと思う。
noteを書くことをきっかけとして、いろんなことを考えるようになったと思っていたけれど、昔からいろいろと考えることはしていて、中学生のときから書き始めた日記がすごく溜まっていることに気がついた。きっかけを作ったのも自分自身でそう思い始めたのも自分に過ぎない。気がついていないだけで、私はとっくのとうに変わらずに同じことをしている。
酔っ払って無くした手帳にすごく大切なことを書いていた気がして忘れられない。でも、それは無くしてしまったから思うだけで、書ききったノートをもう一度読み返すことなんてしていない。無くした手帳も書ききったノートにもたぶんそう大切なことなんて書いていないと思う。
在るものに安心するし、在るから無くすのが怖い。それなら、いっそそういうものを排除して、"在る"ことを少しでも減らせばいいんじゃないかと思う。
期待するのが怖いのをたぶんみんな知っていて、願掛けしたり何かにあらかじめ頼っておいて自分のせいを少しでも減らしてるんじゃないかと考えている。期待したくないし、なるべく期待されたくない。だから、約束をたくさんちゃんと守りたい。期待とかそういうことをしないでもいいようにしたい。
明日、晴れたらいいなと何気なく言っているのを聞いて、自分は晴れさせることもできないなと思った。今が一番若くて、なんでもできるって感じていたのがどんどん薄れていく感覚と、制限が外れて自由になることでなんでもできるようになる感覚が交差しようとしている。いつになったら交わるんだろうとか思う。
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