『花は窓』石川朝23.「3人」

「お姉ちゃん」と呼ばれたことがありません。 うちは3人兄弟で弟と妹がいます。 わたしは長女です。 下の２人はかしこく精神年齢が高いのでちょうど3人で一緒にいると友達3人組のようになります。おかあさんは「あさの友達をつくるために下２人を産んだのよ」と言っていました。 「お姉ちゃん」と呼ばれることに憧れていた幼少期のわたしはとうとう自分で自分のことを「おねいちゃん」と呼びはじめました。 「おねいちゃんはさー、おねいちゃんねー、」しかし一向に呼んでくれることはありませんでした。 あさおねいちゃん（仮）は妹と２人でいると妹にご飯を作ってあげます。 弟はわたしと２人だとご飯を作ってくれます。 弟と妹が２人だけだと弟がご飯を作ります。 やっぱり人間そうやって回ってんだなと思います。弟はいつもごはんを作らされているけれど。 誰かといる時には誰かが妹に、そして兄に、 そうやって回っている自分の家が割とすきです。 おかあさん、お友達を産んでくれてありがとう だけどお姉ちゃんの憧れはいつまでも捨てられないのでした。 おしまい