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坂本沙季⑩息をするのがうまくない

問題はどんな人間であるかとか、性格や容姿などではなく、息ができないということ。

その上手さを作り上げてきたのは、きっと様々な環境や生まれ持った性格とか、見た目や考え方なんだろうけど、思ったより下手くそになってしまったと思う。

その日は、中学の同級生と久しぶりに会った。
全然違う生き方をしていて、自分の話をなんでも面白そうに聞いていた。外でアイスを食べながら話したから、たくさん蚊に食われてしまった。

その日は、たくさん本を買った。最低でも月に一冊は買ってしまうけれど、久しぶりにまとめてたくさん買った。その日にたくさん読み進めた。新しい本は早く読まないと繰り返し読みたい本に負けてしまう。その日の最後に読んだ話が怖くて、一人の部屋でそわそわしたまま寝た。

何もない日。昼下がりに起きて、朝昼兼用のご飯を作りながら、音楽を聴いた。(もしくは、音楽を聴きながら、朝昼兼用のお昼ご飯を作っていた?)アマプラで映画を一本観て、本を読んで、ネットサーフィンをして、溜め込んでしまう連絡を返して、また音楽を流しながら夕飯を作って食べた。音楽を流したままお風呂に入って、髪を乾かしたあと、前髪を少し切った。

その日は、久しぶりに美術展に行った。
ずっとスマホの調子も悪いのと同じように自分の体調が悪かったのを忘れた。この日から、水分を1日1Lは飲むように決めた。体温もちゃんと測ろう。ちゃんと化粧もしよう。

最近は久しぶりが増えた。
状況は少しずつ変わっている。

まだ、演劇を観に行けていない。演劇がなくても生きていけてしまった数ヶ月を生きてしまった。毎月観に行かないといられなかった自分はいなくなった。

でも、あの頃のような美術展に行きたいときに行ったり、観たいものをみたり、学びたいことを学びやすかったり、人に会いやすかったときより、息をするのがちゃんと下手くそになった。

同じ状況でもちゃんと生活しているひとがいる以上、問題は環境だけじゃない。

ガチガチになった負けず嫌いやプライドが毎日、夜深くまで連れて行く。

最近は、44000字を越えるものを書いている。
長すぎる!!!!!!!
手が腱鞘炎になる。身体を労わらなきゃならない。

友人と毎月、俳句をよむ。
すでに夏を回想した。

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