坂本沙季14.ガリガリ君のソーダ味しか知らない
いつまで経っても、新しい経験や出会いに飢えていていろんなところに行きたいし、いろんなものを読みたいし、いろんなものを見たくて、いろんな人と話したい。
たぶん、私がこう考え出したのは意外と最近のことだと思う。
いつだって新しいものに出会いたい!
別に新作とか新商品みたいな時間的な新しいではなく、経験としてのあたらしい。
意外と家の近くにいい雰囲気の喫茶店を見つけたとかでいい。
私はこれを自分だと考えているし、ごく普通なことだと思っていた。
でも、友人がガリガリ君はソーダ味しか食べたことないような人で私は新しいものに出会いに行っていることに気づいた。
どっちが特別とかどっちが普通とかじゃなくて、出会いに行かなきゃという気になっている。そのときから自分がそういったものに飢えているという自覚をもって、自分はそれを続けようと思った。
ガリガリ君のソーダ味は美味しい。
梨味が私は好きだから食べてみてと言った。
梨味が美味しかったことを報告してくれた。
ガリガリ君のソーダ味しか知らないのを、少し壊してしまった気がしたけれど、友人との境目みたいなものが少しぐにゃっとした気がして嬉しかった。
小さい小さい違いのところを知り合って、溶かして、ぐにゃっとしたときの感覚を嫌いじゃない。弾き合うときはちょっと悲しい。冷めてしまう。なるべく冷めないように、溶かせるように梨味をおすすめしていきたい。
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