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坂本沙季⑥夏という性格

氷を作り始めること。
扇風機をまわすこと。
サンダルを取り出すこと。

やっぱり8月が夏の到来という感じで、そのための支度をこつこつと、その前の月に、その前の前の月にやっているという心持ちでいる。

今年は梅雨が長いうえに、学校に通うこともなくて春休みの延長のようなものが続いているようだった。いつもと少し違うのに、暑くなるということは同じだ。

夏が好きだ。
開放的で自由なところ、日が長いところ、アイスが美味しいところ。

どんなことが起きていても平等に季節も暑さもこの土地にはやってきて、いつも通り夏は暑く、いつも通り日は長い。

季節は裏切らない。こつこつと準備してきたことを裏切らない。今年も半袖で過ごせる。

8月が終われば、秋へ向けて準備する。その繰り返しを何度も何度もする。
四季には生活があると思う。

変わるものと変わらないもの。
どんなことが変わっていて、どんなことが変わっていないのか探してみる。

変わらないことに身を寄せて、少しでも救われればいいと考える。変わることには少しずつ身を寄せて、馴染めばいいと思う。


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