「中度の新型インフルエンザ流行」の想定は現状にそっくり
なかなか改善の兆しが見えない厳しい状況が続く今日この頃ではありますが、先日読んだ9年前になる2011年発刊の岡田晴恵『強毒型インフルエンザ』(PHP新書)における、将来的な「中度」の新型インフルエンザウィルス流行時の想定が現状ほぼそのままだったのでちょっとびっくりしました。以下ちょいと長いですが引用です。
中度 カテゴリー2 致死率想定 0.5%発生
アジア風邪インフルエンザ(引用者注:1956年に中国で発生したパンデミック。ウィルスはA型インフルエンザのH2N2亜型)並みを想定
海外発生後1週間程度で国内にウイルスが侵入、小規模な感染集団が確認され始め、感染力にもよるが1カ月程度で大規模な集団感染が全国で発生する。医療機関に受診者が増え、医療現場は混乱する。6~7週間程度で蔓延期となる。ベッド数不足、医薬品の不足などが出る。特にハイリスク者(引用者注:高齢者など)は重症化に要注意。
大流行時には時差出勤、自宅勤務なども行われる。学校は休校が続出する。高齢者の入居する施設等では、感染者がひとりでも出ると施設内に短期間で蔓延する。独居高齢者の安否確認と生活支援が求められる。健常者であっても重症化する場合もあるので、人ごみを避け、感染機会を減らしながら、うがい、手洗い、咳エチケット等の感染予防を徹底する。もし、弱毒型ウイルスの場合は感染しても重症化させないこととして、医師に薬をもらって、安静に自宅療養し、もしも呼吸困難等の重症化の兆候が認められた場合には速やかに医療機関を受診する(自宅療養の事前準備が必要)。パンデミックワクチンは第二波の流行にも間に合わない可能性もあり、接種順位などの激しい議論が為されることになる。個々が感染予防を徹底し、社会の流行規模を抑えることが大切である。
<引用ここまで>
なんというか、今回はインフルエンザじゃないにせよ、前からわかっていてもなかなか防げないものなのですね。ここにあるように、今後ワクチン接種順位の議論が起きたりするのでしょうか。なんだかまた、上級国民/下級国民の話を蒸し返しそうでナンですね。