平成20年の木工本から感じる道具の進化

木工本を読みあさっていたらどんどん昔の本に遡っていきました。ちょっと家庭用木工の歴史ってあるときから革命が起こったよね?と思ったので。

図書館を利用して、公立図書館の蔵書をどんどん過去に遡って借りていきます。意外と木工の本は少ないので、2000年代までの読めそうな本はあらかた読み終わり、更に過去の本を掘っているところ。

平成20年発行の木工の本を発見。実はこのあたりの市町村で図書館が整備されたのはそれほど昔ではありません。平成になってからできた図書館も多いです。平成の合併の前は図書室だったところも結構あります。そういうところ、実用書の数がとても少ないんですね。昭和の時代の本は本館にしかないジャンルも結構あります。古い本、どんどん破棄してしまうので。

さて、平成二十年発行の木工の本。かなり厚いですが、まだ印刷編集の世界がデジタルになる前。と、いうことは図案が非常に少ない。当時は写真を印刷に適したものに加工する(網焼き)必要があり、それにお金かかったので写真も小さいものが多いです。あと文字が小さい。今の本は本文のフォントが変わっていたり、レイアウトが全体的にゆったりしていますが、当時は電算写植組んでいたのでかなりツメツメ。

そして道具がちがう。

まず、インパクトドライバーがほとんどどこにも載ってない。

木工ビスが一本も出てこない。

そもそも電動工具が電動ドリルと電動ドライバー、電動ノコギリくらいしかない。サンダー、あるのか?

スライドノコギリもない。でも電動カンナはある。

替え刃ノコギリも端にちょこっとある程度。ノコギリの刃を研ぎ直すよう指示があります。研ぎ直す??どこで??もうここらへんになるとさっぱりわからない。

ノミとかんなの使い方がとても詳しく載っています。写真も豊富なので、力をいれていることもわかります。当時はカンナの使い方が非常に大切だったんですね。ホムセンで切ってもらうサービスが一般的ではなかった、ということなのかな。

そもそも肝腎の木材の入手先にホームセンターが一言も出てきません。今なら真っ先に出てくるところなのに。

木工の本という大ざっぱなくくりにバードカービング、フィッシュカービング、作業用の馬の作り方まで載ってます。大型の家具と言いながら角度つき曲がりテーブルを継いで作るとかあります。無理でしょこんなん…継ぎにタボ隠しに角度切りなのですが、曲尺の説明がセンチじゃないのでもうわからん。尺で角度説明されてる段階で意味がわからない。

そして塗装。木工用塗装で今なら不動の地位にあるオイルがない!ワトコオイルがまだ日本に入る前なのかな?

ウレタンニスもなさそう。今木工の塗装といったら一にも二にもワトコオイルでしょ…せめてウッドオイルとかじゃないの…家具なら…というあたりにびっくり。

この時代の木工のままだったら、確かに取っつきにくいだろうな、と思います。そもそもかんなを引くのが女子には無理なんだが? とおもわないでもない。

女子わりと背筋ないので、背中に力入れて引く動き難しく感じやすいように思えます。自分が運動嫌いだからか。押す動きの方が楽です。

今は木工の本にバードカービングとかまず一緒に掲載されないし、全部組み込みのリビングテーブルみたいな大物はほぼ載りませんな。

釘でタボ隠しのままだったら、今日日のDIYの興隆はなかったでしょうね、ということを改めて感じた貴重な機会でした。

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