本の紹介『きみは宇宙線を見たか』
ー 霧箱で宇宙線を見よう ー 山本海行・小林眞理子 仮説社
あなたは、宇宙線ということばを聞いたことがありますか?
「うちゅうせん」と聞くと「宇宙船」を思い浮かべた人もいるかもしれませんが、文字がちがいます。
宇宙空間にはものすごく小さい粒がものすごいスピードで飛びまわっています。わたしたちが気づかないうちに、その小さい粒は地球にもやってきます。この粒は宇宙線と呼ばれています。粒のことを○○線というのは変な感じがするかもしれません。英語では Cosmic Ray コズミックレイ です。Cosmic は「宇宙の」、 Ray には「光線」とか「まっすぐ放射状にすすむもの」という意味があります。これを日本語で「宇宙線」といっています。
宇宙船は、地球から宇宙にでかけていく乗りものですが、宇宙線のほうは反対に宇宙から地球にやってくるのです。
宇宙線とはどんなものなのでしょうか。あなたも宇宙線を見てみませんか。
この本は、小林が勤務していた学校で実施した「霧箱をつくって宇宙線を見よう」という中高生向けの課外実験講座で実施した授業をもとにしています。東京大学宇宙線研究所の梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞された年(2015年)の暮れに開催したその実験講座には、中学生を中心に高校生や他教科の先生たちも参加して、その場で自分たちが作成した霧箱で宇宙線を観察し、宇宙と物質の歴史に思いをはせる楽しいひと時をすごしました。
あっけないほど簡単につくれて、宇宙線がバンバン見られる画期的な霧箱のつくり方をくわしく紹介しています。(名古屋大学素粒子宇宙物理系F研究室 林熙崇(はやしひろたか) さん考案の霧箱が原型です)
宇宙線入門の本として、中学生くらいの人が自分で読みすすめることができるように専門用語は最小限にして、初心者向けに書きました。
小学校、中学校、高校の先生方が授業プランとしてお使いになるときは、学年に応じた内容や用語、知識を補ってお使いいただければと思います。もっと詳しく知りたいという人のためには、おすすめの本やウェブサイトを巻末に紹介してあります。
* 本書は『たのしい授業』2016 年2 月号に発表した原稿に大幅に加筆したものです。 (小林眞理子 p3 はじめに より)
お求めは 仮説社オンラインショップ より
定価1320円(税込み) ISBN978-4-7735-0285-5 C0044
霧箱をすぐに作ってみたい方には 最近発表したので本にはまだ紹介されていないのですが とっても簡単 ペーパー霧箱用植毛厚紙 で作る霧箱がおすすめです。
作り方動画はこちら
共著者の山本海行さんが、2023年に『霧箱で見える放射線と原子より小さい世界』(仮説社) と題した美しい写真がいっぱいの すてきな霧箱の本を出版しました。この本についても ぜひ紹介投稿したいので、乞うご期待!
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