映画を短く切り取る 『恋愛小説家』
もし、すごく魅力的でモテる人に
あなたは素敵だ!と言われたら
どんな気分になるだろうか
一時、耳が熱くなる突然の高揚感でいっぱいになると思う
もしかしたら1両日中は、ニコニコとした気持ちになるかもしれない
でもそれはそれで終わりなのだ
特別の時効は短い
でも、もし、物凄く頑固で偏屈な人が
あなたは素敵な人だ
本当に素敵なのに、あなたは街の片隅にいて
だれもそのことに気づいていない
もし、自分を誇れるとしたら
あなたの素敵さに気づいたことだ
そんなふうに言われた、どうだろうか
街で1番の変わり者で
頑固で偏屈で
そんな人に言われたら
はじめは眉を潜め
受け入れられないかもしれない
でも、まるで夜の空に星がきらめき
風で雲がぐんぐんと押し流されているように
あなたの夢の中へひたひたとその言葉が染み込んで
幾日も数ヶ月ももしかしたら何年も
ふとしたときにあなたの心をあたためてくれる
恋愛小説家はそんな映画
あなたのなかの普通をすてきに変えてくれる
あなたのなかの頑固ものをすこし赦してくれる
そんな映画でした