M1 (M2) Mac の R に必要な gfortran
統計処理の R ソフトウェアには、Mac版が2種類あります。
Armバージョン (R-4.3.1-arm64.pkg) と Intel バージョン (R-4.3.1-x86_64.pkg) です。どちらを使うかは、 Mac に搭載されている CPU の種類によって選択することになります。
最近の Mac であれば、 M1 もしくは、M2 の CPU です。その場合、Arm バージョンを選択してインストールします。以前の Mac であれば、Core i5 や i7 などの CPU ですので、 Intel バージョンをインストールする必要があります。
パッケージのインストールに必要な Fortran コンパイラ
R をインストールした後、追加でパッケージをインストールすることがあります。パッケージは、install.packages('パッケージ名') のコマンドでインストールできますが、Arm バージョンの R では、一部のパッケージがインストールの途中でエラーになってしまいます。これらは、Fortran コンパイラを必要とするためです。
(例えば、Bioconductor に含まれる edgeR や preprocessCore, impute などのパッケージ。)
M1 プロセッサが出始めて、間もない頃は、その M1 で動作する Fortran コンパイラがありませんでした。現在は、M1 でも動作する gfortran が提供されています。
もしくは、homebrew で提供されている gcc にも gfortran が含まれています。
homebrew で fortran をインストールする場合
gcc をインストールすると、 gfortran も一緒にインストールされます。
brew install gcc
homebrew で gfortran をインストールした場合、R の実行時に、gfortran の場所を指定する必要があります。これは、ホームディレクトリの ~/.R/Makevars に記述します。
FC = /opt/homebrew/bin/gfortran
F77 = /opt/homebrew/bin/gfortran
FLIBS = -L/usr/local/opt/gcc/lib
homebrew は、 Arm と Intel 版でインストールされているディレクトリが異なるので注意してください。Arm 版は、 /opt/homebrew 以下にあります。(Intel版は、/usr/local/ 以下でした。https://www.cynkra.com/blog/2021-03-16-gfortran-macos/)