【#4】映画『ゆるキャン△』
「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。
今回は2022年7月1日に公開された映画『ゆるキャン△』について書いていく。
大人になってもまたキャンプがしたい。
あのケバブ、あの花火の日のように。
大人になり就職すればやれる事は増えるが、予定が合わずなかなか会えない、それでも共通で好きであるキャンプがあれば繋がりは消えない。
キャンプがつないだ5人。
そんな中でのお久し振りがとても心地よい。
序盤からそう思わせてくる映画ゆるキャン△は最高だ。
登場人物について
キャラクターに関してはみんな成長し、社会人として奮闘中。
しまりんは名古屋にある小さな出版社の編集部勤め。
OPではしまりんの出勤するまでが描かれて、満員電車であったりと大人になったんだねと改めて思わされる。
しまりんのやっていた〇〇〇巡りのプレゼンからも、しまりんの趣味が活かされそうな感じもある。
また、営業から編集に移動したばかりという事で、孤軍奮闘している感じは新鮮味を感じる。
先輩社員の刈谷さんはアフロだけでなく見守るタイプの頼れそうな先輩感が良かった。
先輩がお土産くれるのも分かるし、あげたくなる可愛さをしてるのよ。
バイクが原付きではないところではしまりんにカッコよさが増した。
しまりんは学生時代とほとんど変わってなく仕草など可愛さは継続だ。
ぷくっとなった表情がたまらん。
なでしこは東京のアウトドアショップの定員。
なでしこ定員の通勤はチャリでアクティブ元気は相変わらずだった。
一方でショップで働いている時のなでしこは大人の落ち着きが加わり、美し可愛いとなった。
ショップで働いている時は…
そんな大人のなでしこがランタンを勧めるシーンはアニメでのワンシーンを思い出す。
常にお客様の目線でリピートしたくなるような良い店員さんとはまさになでしこ店員のことを指すであろう。
店長もなでしこの人の良さを熟知しているって所がこれまた良い。
千明はイベント会社を辞めて現在は山梨観光推進機構で富士川町高下地区を再開発を進めている。
千明は都会での仕事を経験したからこそ山梨に帰って盛り上げたいという気持ちは素敵だと思う。
山梨盛り上げたいは流石梨っ子あきちゃん!
アクティブであってこその千明。
へやキャンでもそうだったが、人を喜ばせるのが好きよね。
唯一避けたい部分は酒飲んだ時だw
酔った姿はまさに二代目グビ姉w
あまり見たくなかったw
イヌ子は小学校の教員。
イヌ子は生徒からもあおいちゃん呼ばれて好かれているのが分かる。
むしろリアルにイヌ子みたいな先生いたら小学生ながらに惚れてまう。
決め台詞の「うそやでー」はむしろご褒美!
斉藤さんはトリマー。
愛犬のちくわからも犬好きで、天職と言ってもいいかも。
片目が隠れている髪型に大人っぽさを感じる。
老いはあるけど「ちくわだー!」のシーンがまた見れるのは嬉しい限りだ。
キャンプ場作り
この映画でのメインは「キャンプ場作り」。
↑これは映画のPVからもアピールしていたところでもある。
キャンプ場作りの場所となるのは、山梨県富士川町高下地区の青年自然センター跡地。
冬至から元旦にかけてダイヤモンド富士が有名。
実際にしまりんが見た朝日は絶景で、「日出る里」言われるのに相応しい。
楽しむ側では終わらず、楽しませる側に。
何か恩返し的なものにも見えてくる。
「再生」をテーマに、あるものを活かし、5人のやりたいことも詰まった最高のキャンプ場を目指す!
そんな素敵な跡地で「週末戦士作業着レンジャー」、「平日戦士作業着レンジャー」たちの戦いが始まる。
※ゆるキャン△好きなら絵が浮かぶだろう。
作戦本部は高校の時の部室を思い出す。
眠っていたロボットのジンジャー君が軽くホラーなのが笑える。
5人は予定が合わない事が多いが、それでもわりと順調にキャンプ場作りが進むのは、アニメ版でも見られたお互いに干渉しすぎないところの良さが活きているのだと思う。
ただキャンプ場をつくるのではなく、記事になるからなのもあるが、しまりんの企画として取材して仕事に繋がり、本人にあった曇りが晴れてきたなと感じさせる。
高下地区だけでなく、本栖湖を取材したりして、自分の今までをキャンプ場作りに活かしているのもこれまた良い。
人だけでなく、場所も繋がるのがこの作品の良いところだ。
この企画であるが、刈谷さんの男気は忘れてはいけないね。
キャンプ場作りのおさらい、テストキャンプでの飯のレシピの紹介で際立つのが大塚明夫さんのナレーション。
実家の様な安心感がある。
それ以外の場所の紹介などでも声が入るが一気に作品が締まる感じもあるから相変わらず作品との相性が良いなと思う。
キャンプと言ったらキャンプ飯。
作中でも多くの飯テロシーンがありました。
カニ鍋、サーモンスープ、石狩鍋など絶対うまいやーつで、なでしこの美味しそうに食べる姿からも余計おいしそうに見えた。
課題と大人の事情
課題と大人の事情は避けて通れない。
スケジュールに関しては千明の性格もあるけど、実際にテストキャンプやってみると課題が見えてきたりと、結構リアルな所は面白いなと思う。
これも今までの経験を活かしたりして、うまく乗り越えていた。
作中でのシーンを挙げると「鳥かご」でのアイディアは素敵であった。
リアルという所では、物語の後半には暗雲が立ち込めるシーンは酷だなと思った。
というのも、山梨という場所が関係しているから、どうしようもないかと思う。
誰が悪いとかではなく自分たちではどうしようもない問題は生きていると誰でもあると思うが、ここで来るかと作品を見ていて可哀想だなと思った。
タイミング的にはイヌ子の学校の件も被るからね…
しかし、物語として見る分には嫌いな展開ではない。
伝えたい原点
しまりんとなでしこの二人旅は原点を振り返るかのような旅だったので感慨深いものがあった。
野天風呂までの山を登るに、カップ麺食べたりと、まさに原点にふさわしい。
また地味にしまりんといえばのヤマハのビーノを出してくれたのは粋すぎる。
細かい点まで抜かりないのは制作陣からの愛を感じる。
大人になったからといってなんでもできるわけでもない。
野天風呂でのしまりんとなでしこの会話は名言のオンパレードで、社会人であれば響く人は多いであろう。
なでしこがキャンプ場作りを終わりにしたくない、その原点はなでしこの原点でもあり、この作品の原点である。
ブレない再生と伝わった原点
当初の形、スケジュールとはならなかったが、再生は最後までブレていなかった。
困難を乗り越え、そこからの再生には爽快感を感じた。
途中気持ちは折れかけたが、折れない原点があるから、再生が続けられた。
大人になっても、根源を折ってはいけない、好きでいることの大切さのようなものを感じた。
伝わった原点、その先に見える景色はキャンプをやる側から、キャンプ場を運営する側になっても変わらなく、相変わらずポカポカだ。
しまりんのおじいちゃんの言葉を借りてこの作品を評価するならこうだ。
完成したんだな。良い作品だ。
大塚明夫さんボイスで再生してみ。
文句のつけようのないぐらい、良い作品ってことだ。
この作品においてのアニメ版と映画の違いは、キャラが社会人となり、お仕事系アニメ感が増したという点だ。
それでも作品の雰囲気は崩れないのは、「好き」や「楽しむ」といった気持ちが常にあるからだ。
大人への、大人になった時のメッセージが込められているなとも思う。
どんな形であれ、ゆるキャン△は映画になろうともゆるキャン△していて満足できた。
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