【#9】ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜
「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。
第9回は2023年8月3日にNetflixで配信された石田雄介監督作品「ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと」について書いていく。
原作は漫画でアニメ化もされている。
カオスなのにパラダイス
徹夜当たり前、パワハラ、うつ病寸前、ブラック企業でゾンビのように働く主人公・天道輝。
とある朝、目が覚めると街中ゾンビだらけなカオス名世界になるのだが、輝は会社から解放されたことから歓喜する。
後悔しない生き方をするため、輝は「ゾンビになるまでにしたい100のこと」をリストにしてやりたいことを実現していく物語。
「ゾンビだらけでどうしよう」ではなく「今日から会社に行かなくてもいい」。
周りはゾンビなのに、社畜だった輝からするとゾンビから人間になれた開放感には見ているこちらも気持ちのよいものであった。
輝のリストの大半が子供じみているが、やりたいことを何一つできなかった会社時代の反動からもそうなったのかもしれない。
作中でゾンビになっていない人間も登場するわけだが、ヒロインの閑は「すべきこと」で動いていて、「やりたいこと」で動いている輝と良い対比になっていて印象に残るキャラであった。
ツンツンな性格の閑もコンビニで買った商品からも欲には勝てないところやなんだかんだで輝のやりたいことを謳歌していたり徐々に人間らしさ、可愛らしさが出てきて良いキャラしてた。
この映画を端的にまとめると前半は「やりたいこと」と「すべきこと」で、後半は「肯定」と「否定」になっている。
後半に関しては輝がヒーローになるため、ブラック企業との過去の鎖を断ち切るというただ単に「自由」が手に入っただけで終わらないところも良かった。
それと同時に輝を「肯定」してくれる友達2人の姿からも、3人がやりたいことをやる姿をもっと見たくなった。
子供っぽい100のやりたいことかもしれんが、飽きそうなぐらいでどんな事がでるかは気になる。
社畜×ゾンビという面白い観点からの青春ゾンビ映画。
設定に関してはゾンビがいる世界になってしまったのにTVがついていたり、電気が通っていたりとツッコミどころはあるが、私はゾンビになっても使命感やブラック企業に染められていたら仕事しちゃうのかな?と思ってしまった。
これは思い込みすぎているのかもしれない。
ストレスしかない現代社会、もしかするとぶっ壊れるだけ、ぶっ壊れたほうがノンストレス社会になるのかもしれない。
大きなくくりで見ると、自分にとって生きるとは何か?働くとは何か?のヒントになるかもしれない。