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主要な独立系運用会社

つみたてNISAの開始による投資家の長期積立投資に対する関心の高まりや、メディア、セミナーなどでのファンドマネジャーによる積極的な情報発信を背景に独立系運用会社(以下、独立系)が脚光を浴びている。先駆けとなった「さわかみファンド」は、1999年8月の設定から2019年8月で20年の節目を迎えた。そこで今回は、独立系の過去の歩みや特徴について振り返ってみたい。

 2019年7月末時点において、主な独立系10社の運用ファンドは19本にのぼる。同月末時点の純資産額は、「ひふみプラス」が5,954億円と19本の中でトップ、かつ投信全体

の中でも第5位と圧倒的な資産規模を誇る。このほかに純資産額が1,000億円を超える大型ファンドには、「さわかみファンド」、「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」、「ひふみ投信」が名を連ねている

同月末時点の大分類別純資産額比率を見ると、独立系ファンドは国内株式・アクティブが77.8%、海外株式・アクティブが7.6%、バランス・アクティブが14.6%となり、投信全体では海外株式・アクティブが29.0%、海外債券・アクティブが20.0%、バランス・アクティブが15.2%などとなっている。投信全体では、アクティブが8割超で、海外資産やバランス型が高い比率となる一方で、独立系ファンドは全てがアクティブであり、国内外株式とバランス型に特化し、特に国内株式に集中している点が特徴的である。

大分類別純資産額比率

独立系ファンドが多くの投資家から評価されるポイントの一つには、ファンドを保有している期間中に負担し続ける信託報酬等(税込)の低さがある。独立系ファンドの信託報酬等(税込)の純資産額加重平均は1.05%と、投信全体及びアクティブファンドの平均に比べて、それぞれ0.40%、0.50%下回る。さらに、上記独立系ファンド19本のうち、2019年7月22日時点で6本がつみたてNISA対象ファンドと、金融庁が定めた厳しい基準をクリアしているファンドが多いことも特徴的だ。

信託報酬等(税込)の純資産額加重平均

また、独立系ファンドは運用期間が長期にわたるファンドが多いことも評価されるポイントだ。運用期間別本数比率では、10年以上の運用期間を有する独立系ファンドは52.6%(19本中10本)と、投信全体に比べて23.5%も上回る一方で、運用期間が5年以上10年未満や5年未満の独立系ファンドは、投信全体に対してそれぞれ8.2%、15.2%下回った。次々と新たなファンドを設定するのではなく、注力するファンドを絞り、時間をかけて運用・情報発信することで、独立系は運用ファンドの純資産額を成長させてきたといえるだろう。

運用期間別本数比率

さて、独立系ファンドの20年の軌跡を振り返ると、先駆けとなった「さわかみファンド」の設定以降、本格的な普及には2度の大きなヤマがあった。1回目は、金融危機を挟んだ2008年から2009年にかけて「浪花おふくろファンド」、「ユニオンファンド」、「コモンズ 30ファンド」など計6本が設定され、合計10本を突破したことだ。2回目は、レオスの代表取締役社長兼最高投資責任者である藤野 英人氏が様々なメディアに出演することで人気が高まり、2019年7月末までの30カ月間で独立系ファンド全体の純資産額が約2倍に急増したことである。

 1999年8月当時は「さわかみファンド」1本で純資産額が18億円、投信全体に対するシェアも0.03%にとどまっていたが、2019年7月末時点では19本の純資産額が1.4兆円、シェア2.85%にまで拡大した。今後もどのような成長を遂げていくか、独立系とその運用ファンドを投資家とともに注目していきたい。

独立系ファンドの純資産額とシェアの推移


<出典>モーニングスター

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