クオンツアナリストとクオンツファンドマネージャーの違い
クオンツには2種類の職種が存在します。
クオンツアナリストとクオンツファンドマネージャーです。
両者では基本的に役割が異なりますが、中には共通する部分もあります。
また規模が大きくない運用会社の場合にはアナリスト兼ファンドマネージャーといって、両方の役割を担うこともあります(これはクオンツに限らずジャッジメンタルでも)
アナリストは文字通り分析をする人、ファンドマネージャーはファンドを管理・運営する人ですが、ここでは特にその中身についてご紹介します。
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クオンツアナリストの役割
クオンツアナリストの主な仕事は運用に使うモデルを作ることです。
例えばバリュー株を主体としたモデルを作る場合には、ポートフォリオの特性値をバリューに偏らせながら、トラッキングエラーや業種などの制約の中で最適なポートフォリオを算出できるようなモデルを作るということです。
実際には、新しいモデルを作る機会はそれほど多くなく、既存のモデルを改良したり、モデルの改良のヒントとなりそうな分析を行ったりといったことに時間を費やすことも多いです。
クオンツファンドマネージャーの役割
クオンツファンドマネージャーの役割は、クオンツアナリストが作ったモデルをベースに実際にポートフォリオを構築し、運用することです。
こう書くとただモデルの指示に従って機械的に仕事をこなしているだけではないか?と思われるかもしれませんが、そうではありません。
まず実際に個別銘柄を売買する際には、流動性を勘案したり、資金の出入りに対応したりする必要があります。
また、株式の分割や合併といったコーポレートアクションに対しても随時対応する必要があります。
特にグローバル株になると、いろんな国でいろんなコーポレートアクションが発生したりするため、それだけでかなり時間をとられることもあります。
また、クオンツ運用には定期的にリバランスが伴うため、適切にリバランスを行っていくということも必要です。
ポートフォリオマネジメント以外の部分では、顧客へのパフォーマンスの説明、見込み客への外交、運用報告書のコメントの作成なども、仕事の範疇になります。
概してファンドマネージャーの方が、よりマーケットや顧客の近くで仕事をするという特徴があります。
モデルの開発にファンドマネージャーも関わる
上記の通り、ざっくりいうとモデルを作るのがクオンツアナリストで、そのモデルを使って運用するのがファンドマネージャーなのですが、現実にはそんなに明確に切り離されているわけではありません。
ファンドマネージャーも自分があまりよくわかっていないモデルを使って運用したいとは思わないので、モデルを作ったり、改良したりするときにはかなり口出しをしてきます。
力関係によっては、ファンドマネージャーの指示に従って、クオンツアナリストがモデルを作っていくということもあります。
既に述べたように、規模が大きくない運用会社の場合には、アナリストとファンドマネージャーを兼ねて、自分でモデルを作り、自分で運用するということも多々あります。
適性の違い
ざっくりではありますが、クオンツアナリストとクオンツファンドマネージャーの違いをご紹介しました。
この両者にはそれなりに違いがありますが、コンピューターが得意であったり、手を動かすのが得意な人はクオンツアナリスト、マーケットを見るのが好きだったり、より外部との関わりを持ちたいという人はクオンツファンドマネージャーが向くのではないかと思います。
まあこの2つの職種はかなり近い部分があるため、両方を行き来することもそんなに難しくはないかと思います。
<出典>
投資総合研究所
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