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知らないとまずい企業年金(運用編)の用語集①

1.アキュムレーション

額面金額を下回る価格(アンダー・パー)で取得した債券を満期日まで保有した場合、満期日に償還差益(キャピタル・ゲイン)が生じます。この償還差益を保有期間中の各期に配分し、債券の簿価(帳簿価額)を引き上げていく会計処理をアキュムレーションといいます。
例えば、今、残存期間が5年で表面利率が5%(年1回利払い)の債券を、額面100円につき98円で購入したとします(当初の簿価は980,000円)。このとき、償還差益を毎期均等配分するという単純なアキュムレーションを考えてみましょう。5年後の満期時には、20,000円の償還差益が得られますから、これを均等に配分すると、毎年、4,000円の差益が振り分けられます。その分について、簿価を引き上げることにより、当該差益がその年に実現するかのような会計処理を行います。このように、償還差益を均等に配分した場合、各期の利回り(単利)は次第に小さくなっていきます。

2.アドミニストレーター

ファンド運用における事務管理人のこと。ファンド・マネージャー等からの発注や約定の確認、ファンドの貸借対照表の作成、資金収支の計算、運用資産の評価額算定、純資産総額(NAV)の算出等を主な業務としています。

3.アモチゼーション

額面金額を上回る価額(オーバー・パー)で取得した債券を満期日まで保有した場合、満期日に償還差損(キャピタル・ロス)が生じます。この償還差損を保有期間中の各期に配分し、簿価を引き下げていく会計処理をアモチゼーションといいます。これは、前述のアキュムレーションとは逆の会計処理を行うものです。

4.アルファ値(α値)

個別証券に対する投資家の予想収益率と資本資産評価モデル(CAPM)による均衡収益率の差をアルファ値と呼び、市場で形成される証券価格の歪みを表す尺度として利用されます。このアルファ値の考え方は、証券市場が効率的であり、証券の価格形成がCAPMに基づいていることを前提としています。
例えば、アルファ値がプラスの場合、投資家の予想収益率が均衡収益率を上回っており、証券価格が過小評価されていることを表しています。このとき、証券価格は上昇し、投資家の予想収益率が均衡収益率まで低下することが期待されるため、プラスのアルファ値をもつ証券は買いシグナルをもっているという判断ができます。
逆に、アルファ値がマイナスの場合、投資家の予想収益率が均衡収益率を下回っており、証券価格が過大評価されていることを表しています。したがって、アルファ値がマイナスの証券は売りシグナルをもっているという判断ができます。

5.イールド・スプレッド

もともとは、債券の銘柄間における利回り格差をイールド・スプレッドと呼んでいましたが、最近では債券と株式との利回り格差を指す場合が多くなっています。
債券と株式のイールド・スプレッドは、長期債の利回りから株式の益利回り(株価収益率の逆数:1株当り利益÷株価)を差し引いた値を用いるのが一般的です。
イールド・スプレッドの拡大は、株価が金利水準に比べて割高になっている状態を表しています。したがって、この場合、株式に投資するよりも債券に投資した方が有利だという判断ができます。
逆に、イールド・スプレッドの縮小は、株価が金利水準に比べて割安になっている状態を表しています。このときには、債券に投資するよりも株式に投資した方が有利だということになります。

<出典>
りそな銀行

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