支援級の卒業式
全体の卒業式の後は支援級の卒業式。
「9組支援級の卒業式を始めます!」
卒業証書授与は勇希から。
勇希の代は支援級の3年生が多く、10人いる。
1〜3年生合同なので先生は6人。
1年生の時は下級生として、2年生は上と下の狭間、
3年生でトップとして立場が変わる環境。
家では下級生として振る舞えても、教室ではできない。
ひとりっ子の勇希には下がいる環境がとても良かった。
卒業証書授与が終わると、今度は卒業生から先生6人へのプレゼント。
お別れに涙する卒業生。
後ろにいる親達も一緒に泣く。
卒業生から先生方へ花束を渡し、お別れの時間。
先生も卒業生もよく泣いていた卒業式。
全体も支援級も、男の先生が涙で話せなくなるシーンが多かった。
愛されてきたんだなぁ。
校舎を出ようと靴を履いていると、
普通級の男子生徒に「阿瀬井君バイバイ!」と話しかけられた。
「おう!バイバイ!」と対等に返事をする勇希。
通常級の生徒とやり取りするところはあまり見れないから嬉しい。
「名残惜しくないの?」
「俺そーゆーのないんや。」
寂しさもあるけど、次への嬉しさもある。
玄関前は人がいっぱいで早く帰りたがります。
写真も撮ったし帰ろっか。
いつの間にかちょっかい追いかけてくる父を交わすよう前を歩いていた。
卒業式の後、小学1年の頃から利用していた発達支援施設に顔を見せに。
極端に嫌がる勇希。
こういう時は、会話をすると暴言のようになる勇希。
私は車の外で黙って待ち、施設の方を見て勇希を見ない。
少し緊張感を与えると状況判断力が長けた勇希は大人しく出てきた。
通りすがりに勇希を見つけた先生が2度見し、
えッ!!?
他の先生呼んでくるわ!!!
と、慌てて呼びに行った。
先生と事務員さん、送迎のおじさん、10人くらいに囲まれる。
「え〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「めっちゃ大っきくなったやん!!!」
「久しぶり〜〜〜〜!!!」
「ムリ!!!!だから来たくなかった!!!!」
と抵抗を示す。
「見てすぐわかったで!」と言われると、
「問題児だったから?」
(全員苦笑い)
「やっぱそうか!」
と今までの自覚はあるらしい。
勇希を見る先生方の顔が本当に嬉しそうで。
こんなに沢山の人に愛されてるんだなぁ。
一度捨てられた里子の命は見事に成長しました。
子は環境の中で大きく育つんだなぁ。
先生の前ではツンツンしてても、離れると元の勇希に戻る。
「そうか。俺ってこんなに人気あったんか。」と嬉しそう。
次にお赤飯を取りに行く。
いとー君がやってるからいいやん!
と調子に乗ってくる。
これを全受容することがとても難しい。
しかし、今日は卒業式。
怒らない怒らない。
やっぱり無理だった。
怒られた後。
ったく…最後の最後によ…。
毎回恒例になっているこれ。
兄弟のよう。
こうして無事に卒業式は終わりました。
その後勇希は、急な体調不良で珍しくダウン。
前回の体調不良は6年生になる丁度同じ時期。
昨日やっと復活し、食事を始めたところ。
逃げていた変革をする流れが来たようです。
来月もう一回り成長を遂げるため、もう少し色々あるかも。
この休み中、いよいよ電車練習です。
それでは!