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「精神年齢が幼い」と見られることへの嫌悪感とその背景

 皆さん、こんにちは。読者の皆さんは「発達障害者は健常者の精神年齢の2/3程度だ」という話を聞いたことがあるでしょうか。

 精神年齢が実年齢より幼いと見られることに対して、嫌悪感や劣等感を抱く人は少なくありません。自分もかつてはそうでした。また、精神的に幼く見える人を嘲笑したり蔑んだりする行為も社会で見受けられます。これらの現象は、社会的な期待や文化的背景、個人の心理など、さまざまな要因が絡み合って生じています。今回は、その理由と背景について考えてみたいと思います。

 社会では、年齢に応じて特定の行動や責任感が求められます。成人になれば、自立し、仕事を持ち、家族を支えるなど、様々な役割が期待されます。これらの役割を果たすためには、一定の精神的な成熟が必要とされます。

 また、年齢に応じた行動やマナーが求められ、それに従うことが「大人らしさ」として評価されます。これらの規範から外れると、社会的に未熟と見なされ、嫌悪感や劣等感の対象となることがあります。

 精神的に成熟していると見なされる人は、信頼性や責任感が高いと評価されやすいです。反対に、幼いと見られると、信頼を得にくく、重要な役割や責任を任されにくくなる可能性があります。これが、キャリアや社会的地位に影響を及ぼすとの懸念を生み、嫌悪感や劣等感を引き起こす原因となるでしょう。

 日本は集団主義的な社会であり、個人が集団の中で円滑に機能することが重視されます。精神的な成熟度は、集団内での調和や協調性を維持するために重要とされます。また、感情や欲求をコントロールし、控えめに振る舞うことが美徳とされる文化もあります。このため、精神的に幼いと見られる行動は、文化的価値観に反し、否定的に評価されがちです。

 年齢とともに地位や権威が上がる年功序列の文化も、精神的な成熟さに対する社会的期待を強化します。年長者は尊敬され、リーダーシップを発揮することが期待される一方で、精神的に未熟と見られると、この期待に応えられないと判断され、批判や嘲笑の対象となりやすいです。

 他者から「精神年齢が幼い」と指摘されると、自己評価と他者からの評価にギャップが生じ、劣等感や不安を感じることがあります。特に、成熟しているとされる同年代と比較すると、その感情が強まる可能性が高いです。

 さらに「精神的に幼い=未熟である、責任感がない」というステレオタイプが存在し、それが偏見や差別を生む原因となります。このような固定観念に基づいて評価されると、不当な扱いを受けていると感じ、ネガティブな感情が生まれます。また、他者を嘲笑する行為は、自分自身の不安や劣等感を隠すための防衛機制であることが多く、自尊心を保つために行われることがあります。

 そして発達障害に関する正しい知識や理解が社会全体で十分に共有されていないことも偏見を生む一つの要因でしょう。その結果、発達障害を持つ人々が「精神的に幼い」と一括りにされ、不当な評価を受けることがあります。また、発達障害は外見から分かりにくいことが多いため、行動や反応が周囲の期待と異なると、「理解力がない」「幼稚だ」と指摘されることがあります。

 ところで、自分のように発達障害を持つ人が自虐的な投稿をするのは、他者からの批判や偏見を和らげるための自己防衛の一種である場合があります。自分から先にネタにすることで、他者からの攻撃を避けようとする心理が働いているのでしょう。あるいは同じ経験を持つ人々との共感や繋がりを求めて、自虐的な表現を用いることもあるかもしれません。

 発達障害や精神的な成熟に関する正しい知識や指標を社会全体で共有することで、偏見や誤解を減らすことに希望が持てるかもしれません。学校教育やメディアを通じた啓発活動が重要です。また、人々が持つ多様な特性や個性を尊重し、受け入れる社会を築くことも必要です。これにより、精神的な成熟さの違いに対する否定的な評価を減らすことができるでしょう。

 大切なのは自己肯定感を高め、自分自身の特性や強みといったストレングスを認識することです。それにより他者からの否定的な評価に左右されにくくなるでしょう。また、効果的なコミュニケーションスキルを身につけることも、誤解を減らし、周囲との関係を良好に保つために重要です。

 精神年齢が実年齢よりも幼いと見られることに対する嫌悪感や劣等感、そしてそのような人々を嘲笑や蔑視する行為は、社会的期待、文化的背景、個人の心理的要因、そして発達障害に対する理解不足など、複合的な要因によって引き起こされています。
 これらの問題を解決し、多様性を尊重する社会を築くためには、正しい知識の共有と理解の促進が不可欠です。また、個人レベルでも自己肯定感を高め、効果的なコミュニケーションを行うトレーニングが重要です。お互いの違いを認め合い、尊重し合うことで、誰もが生きやすい社会の実現を願いたいです。

 今回は「精神年齢が幼いと見られることへの嫌悪感とその背景」について考えてみました。最後までお読みいただきありがとうございます。

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猫男@ASD
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