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嫉妬と感謝――発達障害を抱える当事者たちが考える幸せの在り方
発達障害のある人たちが、人生の中で「嫉妬」という感情に直面することは珍しくありません。それは、他者が当たり前のように手に入れているものが自分には難しい、もしくは手に入らないという現実を目の当たりにする場面が多いからです。
ある発達障害当事者は、同じ境遇の人が恋愛し、結婚し、子どもを授かったという話を聞いて嫉妬を覚えたと語りました。彼はその感情について、「嫉妬は向かうべき行先を教えてくれるコンパス」と例えました。確かに、嫉妬の裏側には「自分もこうなりたい」という願望や理想が隠れていることが多く、それを目標として努力するエネルギーに変えられるかもしれません。
しかし、別の当事者はそれに対し、嫉妬の行き先には明るい未来が待っていないことがあると指摘しました。特に発達障害という特性を持つ人にとって、「無いものに嫉妬する」ことは心の消耗を招きやすいと感じているようです。彼は、「無いものではなく、あるものに感謝することが幸せにつながるのではないか」と提案します。
このやり取りから考えさせられるのは、当事者たちがどのように「嫉妬」と向き合うべきかということです。嫉妬の感情そのものを否定する必要はありません。それは自然な感情であり、時に自分の内面を見つめ直すきっかけになるからです。しかし、嫉妬だけに囚われてしまうと、失うものも大きくなります。
一方で、「感謝」の姿勢を持つことは、心の平穏を保つ助けになります。感謝とは、今の自分が持っているもの、そしてその中で得られる小さな幸せに目を向けることです。それは、他人と比較して得られる優越感や劣等感ではなく、自分自身の価値観に基づいた幸福感を育てるための大切な要素となるでしょう。
発達障害を抱える当事者たちにとって、社会の中での生きづらさや自分の特性への向き合い方は大きなテーマです。その中で、「嫉妬」と「感謝」という二つの感情がどのように共存できるかを考えることは、幸せに近づくための重要な鍵になるかもしれません。
最終的には、嫉妬と感謝のバランスを見つけることが、自分らしい生き方や幸せの形を見つけるための指針になるのではないでしょうか。それぞれの感情を受け入れつつ、そこから自分なりの道を切り開いていくことが大切です。嫉妬が目指す方向と感謝が示す今の幸せ、その両方を見つめることで、私を含め当事者たちは一歩ずつ前に進むことができるでしょう。
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