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人々が「負の感情のゴミ箱」を選ぶ基準と選ばれやすい人の特徴

 私たちが他人と関わる中で、意識していなくても「負の感情のゴミ箱」として誰かを選んでしまうことがあります。つまり、ストレスやイライラ、不満を誰かにぶつけ、その人に感情を押し付けることで、自分の負担を軽くしようとする行為です。では、なぜ特定の人がそのような役割に選ばれるのか、そして、どのような人が「負の感情のゴミ箱」にされやすいのかを考えてみます。

 まず、断るのが苦手な人や、受け身の人は負の感情のターゲットにされやすいです。他人の要求や感情を受け止める性質があるため、周囲の人から「この人なら文句を言わないだろう」と見られやすいと感じます。断れない人は、相手の負の感情を吸収してしまい、その結果、ストレスが溜まってしまうことが多くなります。

 自己主張が苦手な人も、他人の感情を受け止めがちです。特に優しすぎる人は、他人を傷つけたくないという思いから、相手のイライラや怒りをそのまま受け入れてしまいます。周囲の人にとっては、自分の感情をぶつけても反論されない慢心から、こういった人を「負の感情のゴミ箱」として使いやすいのでしょう。

 負の感情をぶつけられやすい人のもう一つの特徴は、感情の反応が少ないことです。冷静で大人しい人は、相手にとって「反撃される心配が少ない」というマイナスな安全性を感じさせます。自分の怒りや不満を表現することが少ない人は、結果的に他人の感情を吸収する役割に回されることが多いと感じます。

 「世話焼き」タイプや、他人の感情に敏感な人も、負の感情のゴミ箱にされやすいです。彼らは相手の感情を察して、相手を落ち着かせるために自分の感情を抑えることが多いため、無意識のうちに他人の負の感情を処理する役割を担ってしまいます。他人の問題を自分のことのように感じることで、自分が苦しんでしまうことがよくあります。

 孤立している人、または友人や仲間が少ない人も狙われやすい傾向があります。孤立していることで、助けを得る手段が少なく、他人の攻撃や感情を受け流す力が弱まります。そのため、他人から負の感情をぶつけられた際に、反論や反撃ができず、その役割を押し付けられやすくなります。

 自己評価が低く、自分に自信がない人も負の感情のターゲットにされやすいです。こうした人は他人の批判や悪意を受け入れてしまいやすく、他人の負の感情に対しても自分が悪いのではないかと考える傾向があります。このため、相手にとっても感情をぶつけやすい存在になりがちです。

 いじめや虐待、過去のトラウマを抱えている人も、他人の負の感情を吸収しやすい傾向があります。彼らは過去の経験から、自分を守るために衝突を避けることが多く、そのため他人にとっては「反論しない相手」として見られやすくなります。トラウマによって自己防衛が働くため、相手の感情を受け入れやすくなってしまうのです。

「負の感情のゴミ箱」にされやすい人たちは、決して弱いわけではありません。むしろ、優しさや他人への共感力が強いため、周りに悪用されやすいことが多いと思われます。しかし、その優しさが時に他人の負の感情を受け止めすぎてしまう結果になり、自分を犠牲にしてしまうこともあります。大切なのは、自分の境界線を引き、必要以上に他人の感情を吸収しないことです。

 自分を守るために、時には「ノー」と言う勇気や、自己主張をすることが必要です。他人の感情をすべて背負う必要はありませんし、自分の心の健康を第一に考えることが、長い目で見れば自身にも周囲の人たちにとっても良い影響に繋がるでしょう。

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猫男@ASD
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