2023/01/21 17:21夢で見た映画の話
1人は生き残り1人は蛾のままで死ぬことを選んだらしい母親は帰ってきたがこの話をしなかった お邪魔させてもらっている屋敷の方も気にする様子はなかった ただ母の手記と日記だけ
昔から生きづらいと感じていたそれはたまに蛾になるような特性にも現れていたぼくはなにか人と違い、いつかそれを活かして羽化できると信じていた でもできなかった 雨が降り車に置いて行かれた晩いつもの厳重な警備がない中ここでなら行けると思った 母親が来たがそのまま逃げ出した 雨が降り川になった道路の路肩に身を擦り付けながら流れていく 幼虫の皮膚は地味に弾力があり破れることはなく擦れるだけだった 自分の力ですらこの皮を破れないのが嫌で触角を片方引きちぎった その傷口をブロックに押し付けた僕はただどうにかこの皮を脱ぎたかったんだ 自分でどうにか破ってやるんだ 他の人からみたらただ汚い青虫が潰れて死んでいるだけかも知れない でも日常の何気ない一コマにも誰かの人生がある
昔から気難しい子だった 手に負いにくい特性もあった 親として死ぬことは望んでいない その内包された翼で飛び立って欲しかった あの子にはその力があった でもそれを不全にしてしまったのは間違いなく私だ 人一倍母親を頑張ったと思っていた でもあの子には合わなかった 他の子の母親なら満点だったかもしれない でも私の子はあの子だから
雨が上がり晴れた屋敷を抜け出し1枚蛾の羽を見つけた 青くて光っていた 1度太陽に透かしそこの木の根元に埋めてやった
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