もっと早く!もっと楽に! 〜小学生工場長、PDCAを回しまくる!?〜
「なんでこんなに時間がかかってしまうんだ・・・!?」
「もっとこの作業を早くできないかなぁ・・・」
大人のみなさんもそう感じたことはありますよね。
特に仕事において、効率性は欠かせない要素です。
そこで、今回はおしごと算数®のプログラム「工場長」編に挑戦し、効率性をとことん追求した子どもたちの2ヶ月間について紹介していきたいと思います!
工場長とは
「工場長」を一言でいうと、生産管理をするお仕事。「品質の高い製品を、スケジュールを守って、効率よく生産できるように管理する」お仕事に本気でなりきってもらいました。
最終ミッションは、紙でできた納品物を、チームメイトと協力して納期までに提出する、というものです。
子どもたちは、「どうやったらもっと早くできるか?」「どうやったら無駄が少なくなるか?」というプロセス改善と材料の有効活用の2つの観点から効率性を追求するため、毎回PDCAサイクルを回し、頭をフル回転させながら取り組んでいきました。
プロセス改善をして生産効率をアップせよ
2ヶ月間、全8回のプログラムの中で、まず最初に学ぶのは、「プロセス(手順)の改善」です。「どうやったらもっと楽に?」「どうやったらもっと早くできる?」と問いを立てて探究します。
まずは、「タイムトライアル!ボールを決まった場所へ運べ!」というミッションに挑戦!
最初はとにかく本気で挑戦し、終わった後「どうやったらもっと効率的にボールを運べる?」と話し合いました。2回目は、どのチームも1回目より速くボールを運び切ることができました。
ボール運びミッションの他にも、「折り紙王冠づくり」や「カードケースづくり」など、様々なミッションに挑戦しましたが、ポイントはすべてのミッションについて2回チャレンジをする、ということ。
生産管理の仕事は、1回やってみただけではなかなかうまくいきません。事前に計画(Plan)をして実行(Do)をしては、振り返り(Check)をして、改善(Action)していきます。そんなPDCAサイクルを回しながら、ぐるぐると試行錯誤を繰り返していくことで、プロセス改善のワザを養いました。
生徒たちがPDCAサイクルを回すときに使ったのは、「プロセス図」と呼ばれるもの。作業の手順を細かく分解して書き出すことで、「無駄な作業はないか?」「同時にできる作業はないか?」とプロセスを見直しました。
また、分解した一つひとつの作業にかかる時間を計測することで、「どの作業に時間がかかっているのか?」とボトルネックを探し出しました。
材料を有効活用せよ
最終ミッションでは、紙を材料にして製品を作ってもらいます。もちろん、その材料を得るためには、お金(費用)を払わなければいけません。そのため、工場長が儲けるためにはコスト削減の観点も必要です。
そこで大切なのが、「材料の有効活用」という考え方。材料のムダを最小限にして、製造にかかるコストを抑えよう、ということです。
その練習として、生徒たちは材料から決められた数のパーツを切り出すミッションに挑戦しました。
「材料のザイズが12×18cm」
「切り出す円のサイズが直径4cmなら・・・?」
と図形の性質を使いながら、「どうやったら無駄を減らせるかな?」と材料を無駄なく使うワザを習得しました。材料を有効活用するには、図形の性質を理解することがとても大切なのです。
ちなみに、材料を有効活用する、という考え方は実生活にも役立ちます。上野・秋葉原校では、届いたコーヒーやお茶を決められた棚のスペースに敷き詰めて、収納しようと試行錯誤!
ついに始まった工場生産ゲーム
2か月間、様々な学びを経て、ついに最終ミッション、"a-factory"(工場生産ゲーム)がスタートしました。
生徒たちはチームに分かれて、協力して生産管理に取り組みます。はじめに注文書が配られ、それをもとに生産計画を立てます。材料の仕入れは、生産系計画中に行います。
しかし、コストを気にしながらスケジュールと品質を守ることはすごく難しい。
スケジュールを守ろうと急ぎすぎると品質が落ちてしまったり、品質を守ろうとしすぎるとスケジュールに間に合わなくなったり。また、材料が足りず、途中から材料を仕入れないといけなくなることもあったりしました。
ときには利益が出ず、かなり苦戦することもありました。
しかし、ここで大事になってくるのがPDCAサイクルを回すこと。
計画を立てて、実行してダメだったのなら、「どこを改善したら良かった?」と丁寧に振り返りをします。
そして、それを「次のミッションではこうやってみる」と改善アクションを決めて、またそれをテストしてみる。そしてそれをまた振り返って・・・と、とにかくPDCAサイクルを回し続け、効率性を追求し続けました。
すると、段々と結果がついてきました。2週目にして、利益(儲け)が出たのです!
とにかくPDCAを回し続け、改善し続けた結果です。
最終回に「みんな工場長どうだった?たのしかった?」と感想を聞くと、みんな「難しかったけど楽しかった!!」と元気に答えてくれました。
工場長の学びを生活に
「工場長」になりきることで学んだ、「効率性を追求する」という考え方、そしてそれを続けるためのPDCAを回し続ける力。これらは、学校の宿題、料理、掃除、お家のお手伝いなど、日常生活でもどんどん活かせるのではないかと思います。
「もっと早く・もっと楽に!」を合言葉に、みんなで日々の効率をあげていきましょう!
(あ、お家のお手伝いは、まずは「お家のお手伝いをする!」と決めるところからがスタートですかね(笑))
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