「まずはやってみる!」試行錯誤力の育み方〜エレキエンジニア(なりきりラボ#14)〜
<プログラム開発者、いわたく・きいろちゃん・ほっしーに聞きました!>
ー もともとは2020年6-7月の開講を予定していた「エレキエンジニア」ですが、新型コロナの流行により延期せざるを得ず、満を持しての登場ですね!
きいろちゃん:僕が入社して最初に手掛けたプログラムですし学部での専攻も工学だったので、特に強い思い入れがあって。
いわたく:緊急事態宣言の出た4月以降エイスクールでは通常授業のオンライン提供もしていたけれど、このプログラムはやっぱりつくってなんぼ、手元を見て直接サポートしてこそ講師やメンターの価値がいきるからね。
テック系としては、「プログラマー」「メカエンジニア」という定番プログラムが既にあったので、今回の「エレキエンジニア」を加えるとものづくり三兄弟といったところかな。
メカだけ(例:自転車、ボールペン)、メカとエレキだけ(例:懐中電灯、電気ポット)でつくられているものはあるけれど、プログラムだけで成り立つものはほとんどない。だから、昨今プログラミング教育に注目が集まっているけれど、その指示を具現化する伝統的な工学にも目を向けてほしいとつくったプログラムです。
プログラム前半では電気に関する基本的な知識をクイズやゲームに加え、実際に手を動かして回路を組みながら学びます。前半で学んだことをいかして後半ではオリジナルメカを制作するんですが、全編をとおして活用するのは「ブレッドボード」という簡単に電子回路を試作できる基盤。本格的な電子工作では「はんだ付け」という金属と金属をつなぎあわせる作業が必要なのですが、安全管理に注意が必要で難易度が高い。電子工作の真髄を損なわなず初心者の子どもたちも気負いなく挑戦できるようにと、使用ツールの選定からワザのステップアップまで丁寧に設計しました。
きいろちゃん:それこそ導入部では、電子レンジやドライヤーなど、身の回りの家電がどんな仕組みで動くのか想像してみることからスタートします。いろんな事例から、電気には【インプット・アウトプット・スループット】という3つの概念があって、それらを上手に組み合わせることで点滅する電球やセンサーで反応するモーターなどさまざまな表現ができることに気がつくんです。
でもこのプログラムの真骨頂はやはり、ひたすら試行錯誤し続けること、実体験から学びを得ること。ただ知識を蓄えて「電気博士」になったつもりでも、実際に自分で回路を組むとなるとうまくいかないことも多い。僕も工学部出身ですが、プログラムを設計しながらワークに自らとりくんで検証するなかで学ぶことが本当に多かった!
ー 教室でひとり電子工作をしながら、「なんでLEDひとつコントロールできないんだ!!」と叫んでいましたよね(笑)
きいろちゃん:そうなんです(苦笑)。頭で理解するのと手を動かして実現するのと、その間には大きなギャップがあって。これは他のプログラムにも言えることなのですが、なかでも特にエレキエンジニアは「上手くいったかどうか」が目の前ですぐに確認できるのがいいところですよね。試行錯誤力・忍耐力を養うのにすごく適しているんです。
ほっしー:電子工作というと最初はハードルが高く感じるかもしれませんが、第4週目くらいに入ってくると「まずはやってみる」「試行錯誤し続ける」ことに自然と慣れてきますよね。勉学というと頭での理解が先にくるイメージがありあすが、これは手を動かしながら自分なりの理解を深めるのでいい。
やってみる前からあきらめちゃう、わからないとすぐに投げ出してしまうというお子さんにとってはいい訓練かも。
いわたく:そうそう。あと、電子工作自体は一人でもできるかもしれないけれど、その試行錯誤の空気というか、教室に仲間がいてそれぞれがトライ&エラーを繰り返し、互いから学び合う現場感が大事だと思うんです。キットを送付しておうちでどうぞ、というのもできなくはないけれど、やっぱり教室でワイワイ盛り上がってほしい。おうちで取り組む場合は、ぜひご家族と楽しんでいただきたいですね。
ー 後半で制作するオリジナルメカはどんなものを想定しているんですか?
きいろちゃん:あくまで支給するブレッドボードやコード、LED電球などをベースにするので、その大きさやフォルムに制約をうけるところはありますが、作品の方向性自体は完全に自由です!便利なものでも、楽しく可愛いものでも、遊べるおもちゃでも。
ほっしー:表現できる動き自体はシンプルなんだけれど、そこにちょっとユニークな見立てやアイディアが掛け合わさると表現方法は無限大、という可能性にワクワクしてほしいですよね。
いわたく:ちなみに今、中高生クラスでもエンジニアプロジェクトをやっているんですが、彼らのレベルになるとメカの設計・組み合わせからそのプロダクトを使った体験のデザインまでぐっと踏み込みます!いくらでも応用・発展の余地があるのが、ホンモノの職業に「なりきり」学ぶ醍醐味ですよね。
ー 正直なところエレキと聞いてもピンとこなかったんですが(笑)、面白そう・やってみたい!という気持ちになってきました。
きいろちゃん:そこが今回の狙いなんです。電子工作ってメカとかコンピューター好きの子しかやらない。例えばアートが好き、ダンスが好き、という他の子にとって関心をもつきっかけがなかなかないんですよね。でもこれだけ身近に電化製品があふれる時代、もっと広く一般の人というか「みんなが」トライしてもいいんじゃないって思うんです。
ほっしー:例えば、ビジュアルプログラミングの登場でプログラミングに挑戦する人が増えたじゃないですか。子ども向けのプログラミング教室が爆発的に増えたのも、こういう技術革新に支えられていると思うんです。エレキの場合、それがブレッドボードの活用だったりするんじゃないかなと。でも、巷のロボット教室では電子工作まで踏み込むところは意外と少なくて。
いわたく:電気という目に見えないものを扱う難しさがあるからですよね。ビジュアルプログラミングにせよ、レゴ®マインドストームのような機構にせよ、子ども向けの教材はわかりやすさが学びのとっかかりを与えてくれます。でも、そればかりを追求してしまうと、ものごとの本質がわからなくなり輪郭がぼやけてしまう。プログラム設計チームとしてはその絶妙なラインを攻めてみたつもりなんですが、子どもたちののめり込み具合やアウトプットからプログラムへのフィードバックを得られたらと楽しみにしています!
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