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「確率」をよんで、不確実な未来に挑戦!〜投資家(おしごと算数#7)〜

最近は小学生向けのマネー教育などでも語られることが多くなってきた、投資の世界。エイスクールがお届けする「投資家」の授業は、経済や金融について学ぶだけでなく、「確率(場合の数)」という算数(数学)の観点から投資に迫る、一風変わった内容が特徴です。

※本記事は、小学生向け探究学習プログラム「なりきりラボ®」「おしごと算数®」(グッドデザイン賞受賞)の各テーマを紹介するシリーズ記事の一つです。

<プログラム開発者、いわたく・すぎちゃんに聞きました!>

いわたく(岩田拓真):
株式会社a.school(エイスクール)代表取締役校長。京都大学総合人間学部卒、東京大学大学院工学系研究科修了(専門分野は、脳科学とイノベーション)。大学院在学中に、ひとり親家庭に対して動機づけ教育を行うNPO法人Motivation Makerを仲間とともに創業し、理事に就任。Boston Consulting Groupにて経営コンサルタントとして勤務した後、a.schoolを創業。探究学習の塾「a.school」を運営するとともに、様々な創造的な教育コンテンツの開発に携わる。自分自身も新しいことを学ぶのが大好き。一児の父。

すぎちゃん(杉野 亮介):慶応義塾大学経済学部卒業。学生時代に学習指導やテニスコーチの仕事を通じて「人に何かを教えること」に没頭。一方、日頃から思考ゲームや数学パズルなどに高じる、根っからのロジカルシンカー。大人の教育を手掛ける企業に7年勤務し、子どもの教育分野へ転身し、算数・数学の魅力を伝えるべく活動中。a.schoolではラーニングデザイナーとして、「おしごと算数」の企画開発に携わるほか、2017年3月〜2019年7月は柏の葉T-site校の同名クラス講師も務めた。

ー 最近、小学生でも株式投資に関心を持つ子が増えてきましたよね。

いわたく:そうですね。昔こそ、お金の話をするのは卑しいような感覚がありましたが、今は違います。子どもたちともっと積極的にお金の話をしないと、世の中の仕組みがわからないまま大人になっちゃうよね、という声が高まっているというか。

エイスクールでは、「コンビニ店長」「経営コンサルタント」「起業家・経営者」など、さまざまなプログラムをとおして、社会・経済・金融といった話題に子どもたちが触れる機会を作ってきました。「投資家」も株式投資の世界を紹介するのですが、今回の主役はあくまで「確率(場合の数)」という算数の考え方です。

なので、投資家という仕事にたどり着く前に、たくさんのギャンブルゲームをとおして確率思考を磨くのが特徴。知識を身につけることよりもとにかく実践(アウトプット)重視で、毎回子どもたちが真剣勝負に挑んでは一喜一憂して、と大盛りあがりします。

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ー ギャンブル、と聞くと、よく投資と投機の違いを耳にしますよね。

すぎちゃん:今回のプログラムに限ってはあえて、投資と投機を区別しないようにしたんですよ。そもそも2つの境界線はグラデーションであって、「確率を読んで判断を下す」という側面は同じ。

なので、(マネーゲームじゃないですけれど)勝敗がはっきりしたギャンブルゲームもやれば、社会の動きや会社の伸びを読みながら取り組む株式投資ゲームもやる、そこが一般的なマネー教育とは大きく違うところかなと思います。

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いわたく:
ギャンブルって限られた空間や時間、つまりある程度クローズドな環境でやるものなんですよね。考えるべき要素が少ないので、確率思考の訓練にはうってつけなんです。

それに比べて投資は、社会情勢や経済動向、企業の構造・体制など、複雑な世の中を様々な角度から読む力があってこそ。確率思考はあくまでサポート材料なのですが、そうした数だけでは読み取れない世界があるということを学んでほしいですね。

ー 小1でも株式投資がわかるようになりますか?

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いわたく:
低学年クラス(小1〜3年生)と高学年クラス(小4〜6年生)では内容が一部異なるのですが、大きな概念は掴めるようになりますよ。ただ、四季報から株価を読んだり、グラフからボラティリティやレンジの考え方を学んだりと、高学年のほうがより株式投資の実際に近づけますね。

すぎちゃん:今回のプログラム改定では、株式投資ゲームに「損切り」や「利益確定」などのより複雑なアイテムを増やしました。高学年はもちろんのこと、保護者の方々もぜひ一緒に挑戦していただきたいですね。

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ー ギャンブルや投資において、「確率(場合の数)」を読む力を具体的にどういかせるのでしょうか?

いわたく:例えば、そのギャンブル・投資がどのくらい儲けやすいのかを示す「期待値」というものがあります。下の図のように、金額に確率をかけ合わせることで計算できるのですが、期待値がわかるとそもそもお金を賭けるべきかどうかの判断ができるようになります。ギャンブルは基本的に期待値が100%を下回るので、平均的に儲からないようになっていることに気づいたり・・・

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すぎちゃん:
そうですね、あとはやっぱりリスクとリターンの考え方が大事ですね。賭け方について、当たった時の金額、外れる確率や外れた時のダメージを感覚的につかめるようになると、状況に合わせてどんな賭け方をするといいかを戦略的に考えることができるようになります。

ー 「投資家」を受講後、日常生活にいかせることはありますか?

すぎちゃん:株式投資ゲームにハマったら、「エア投資」に挑戦してみるといいかも。気になる銘柄を買った"つもり"になって、記録をつけてみるんです。家族で投資成績を競争してみてはどうでしょうか。

あとは、普段友達とやるようなカードゲームでも「確率思考」を使ってみるといいですね。「あいつ、最近ゲームに強くなったよな」と噂されるかもしれません!

いわたく:人によってはこれを機に、新聞やテレビのニュース番組の読み方・見方が変わるとか、情報を深堀りしたり比較したりするようになるとか、世の中に対するアンテナの立て方が変わるといいなぁと思います。

戦略をたてて勝負に挑むのが好きなタイプ、人間社会に関心があるタイプ、さまざまな子どもたちに楽しんでいただきたいプログラムですね!

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