【オンライン”学習ゼミ”】 「学び方」を、学ぶ。 「自分に合う」を、見つける。
みなさん、こんにちは。
a.school(エイスクール)の大学生メンターさとちゃんです。普段は本郷校の教室で子どもたちと一緒に授業をしたり、最近ではオンライン”朝の会”をしたりしています。
さて今回は、先日開講した「オンライン”学習ゼミ”」の様子をお届けします!毎週子どもたちと取り組んだ探究の結晶レポート、長いですが内容盛りだくさんなので、ぜひ最後まで読んでやってください。笑
学習ゼミって?
「なんで勉強しなきゃいけないの?」
「毎日どんなふうに勉強すればいいのかな?」
そんな問いに答えるのが、この学習ゼミ。
まずは大枠の説明から!
▼ 概要
・毎週1コマ60分の授業
・Web会議ツール Zoomを使用
→子どもたちは、iPhone・iPad・パソコンを使って参加
・小学生最大5名+大学生メンター 1名の少人数制
→テレビ電話形式の最適人数
▼ 形式
・メンターが画面共有機能を使って、授業資料を見せながら進めます
・カッチリした雰囲気ではなく、みんなでリラックスしながら取り組みます
ポイントは、いわゆる”大人”がいないこと。
子どもたちにとって大学生メンターは講師ではなく、近所のお兄ちゃん・お姉ちゃんのような距離感。ついこの前まで(?!)小学生だったので、みんなと同じ目線で話せます。学校あるあるや、先生・お母さんあるあるも共有できる存在です。
そんな子どもだけの空間は、本音で話せる安心空間。だからこそ、「これ言ったら怒られそう」や「こう言ったら褒められるよね」が一切なしの本音が飛び交います。
実際に私は、前回参加した子どもたちに「さとちゃんは年上だけど大人じゃない、子どもだよね~」「僕たちの味方、さとちゃん。」と言われていました。笑
学習ゼミ3つのゴール
学習ゼミが目指すゴールは3つ。
① 学習の目的を子どもたちが自分なりに持てるようになる
② 毎日の学習習慣がつき始め、自分なりの勉強方法を工夫できるようになる
③ わからない問題を持ち寄り、仲間同士で教え合い解決できるようになる
授業を通じて、
「そもそもどうして勉強するんだっけ?」という【Why】や、「毎日どのように勉強しようか」という【How】を繰り返し問います。
毎週のゼミで学びそのものに向き合うことで、子どもたち自身が自分なりの勉強の目的や、勉強習慣を見つけることができます。
正直な話、授業をはじめるまで、小学生にこのテーマってどうなんだ?と思っていました。(エイスクールの大人の人たちごめんなさい。笑)
そんなこと本当に考えられるのか?難しすぎないか?と (エイスクールでも、ベテランメンターと呼ばれるようになった私は)少しドキドキしていました。
ところがどっこい!出てくる出てくる、みんなの本音!
「難しい。」は、「”言葉にするのが” 難しい。」だけでした。普段はただ言葉にしていないだけで、みんないろんなことを感じたり考えたりしていました。そんな言語化されていないモヤモヤや考えに向き合って、本音をぶつけて、仲間からいろんなことを感じ取る。それが、学習ゼミです。
困った時は、大学生がいます!みんなが感じているモヤモヤに寄り添えるのがお兄さん・お姉さんの強いところ。
勉強のアドバイスだって、小・中・高・大とくればレパートリーの宝庫!どんな悩みだって、お姉さんに任せなさい!時には「しくじり先生」になって、ワザを惜しみなく共有していました。笑
どんなプログラム?事例紹介
1コマ60分の授業は、だいたい2つのコンテンツで構成されています。一つひとつにしっかりと時間をかけ、スピードではなく、子どもたちの納得感を大切にじっくりと取り組むのが学習ゼミの特徴です。
それでは、いくつかの事例をご紹介します!
その1)生活記録
ゼミの入り口は、まず普段の自分を知ることから。
全国の小学生に「一週間のうち、いつも何にどれくらい時間を使っている?」と街頭インタビュー (いや、校門インタビューか?笑)をしたとしましょう。果たして、ちゃんと答えられる小学生はどのくらいいるでしょうか。
10年前の私に聞いても絶対に答えられない自信があります。笑 つまり、普段自分の時間の使い方なんか気にしたことないよね!ということです。
それを実際に見える化して集計し、お互いに見せあってフィードバックするのが第一歩です。
すると、どうでしょう。「意外と…」の嵐!どんな発見があったとしても、「できてるじゃん!」は自信に、「ダメだな…」は改善に繋がります。
翌週以降の子どもに変化が出るのは、言わずもがな。何より、みんなの時間意識が変わったなと感じました。
その2)目標チャレンジ
少人数クラスの良さである一致団結のチーム意識をいかしたこのワーク。
▼ ルール
・一人3つの目標をみんなに宣言!
・翌週、目標が何%達成できたか互いに報告!
・クラスみんなで100%を目指そう!
というシンプルなものですが、みんなに宣言する・みんなで100%を目指すとなれば、けっこう頑張れちゃうんですよね。
ここで、実際にどんな目標が出ていたかご紹介します!
▼ 目標の例
・○時に寝る / 起きる!
・遅刻をしない!
・お母さんとの約束を守る!
・宿題を○時までに終わらせる!
・新しい本を3冊読む!
・ていねいに字を書く!
・習い事の練習を毎日1時間する!
・○○の勉強を、○時間する!
もちろん、大学生メンターもクラスの仲間の一人なので、しっかり一緒に目標宣言をして、100%目指して頑張りますよ!
そしてただ報告するだけでなく、100%達成できたら目標のレベルアップを、できなかったら翌週に100%できるためにはどうするかを一緒に作戦会議するのもポイントです。
いわゆるPDCAサイクルをクラスのみんなでグルグル回していくんです!(そう、小学生だってPDCAできちゃうんです!)
その3)哲学対話
一見とっつきにくそうなタイトルですが、実は学習ゼミで一番人気なのがこちら!
やることは簡単、お題に関してじっくり話すだけです。
前回のゼミでは、このようなテーマについて話しました。
▼ お題
・なんで勉強しなきゃいけないの?
・勉強の好き嫌いって?
・なぜ親は子どもに「勉強」させたがるの?
・〇〇の授業はなぜできたのだろう?
・なぜ〇〇の授業は学校にないのだろう?
・どんな「大人」になりたい?
なぜ、人気コーナーなのか? なぜ、小学生でも盛り上がるのか?
その理由は上でも述べたとおり「みんな普段は言葉にしないだけで、本当はたくさん感じたり考えたりしていることだから」です。
立ち止まってみればとても大切な問いですが、学校の友だちや家族と気軽に話すような話題でもないですよね。そんな普段はなかなか議論しないことをじっくりと丁寧に話します。そして仲間の考えにもたくさん耳を傾けます。
低学年クラスでも、高学年クラスでも毎回タイムオーバー必至な人気コンテンツ。いつも「もっと話したい!」「え、もう終わり?」がとまりません。
その4)「勉強」タイプ診断
ポケモンには炎や水といったタイプがあって、それぞれ強みと弱点があります。バトルの時は、それぞれのポケモンが何のタイプでどうやって強みをいかし、どんな弱点を対策するか考えますよね。
人も同じ、私たちにもタイプがあります。
どんな勉強法が向いているか、どんなことは苦手なのか。
知っていると、知らないとでは大違いですよね。知ろうとするのと、しないのでは大違いですよね。
そんな自分の「勉強」タイプを診断するのが、こちら。実際には、心理テストのようなものを用いて分析します。
心理テストみたいだからといって、女子だけが夢中になる訳ではありません!むしろ、男子の方が興味津々だったかも!?
その5)自分の「トリセツ」づくり
みなさんは、自分のことをどこまで知っていますか?自分のことを、どこまで人に伝えられますか?
ムムム…と思うかもしれませんが、言葉でまとめていないだけで理解していることはたくさんあるはずです。
前回の学習ゼミでは、次のシートを使って子どもたちに発表してもらいました。
結果として、全員が学習ゼミに取り組む前より自分自身への解像度が上がり、それを言葉にまとめ、周りに伝え、少しずつ行動や環境を変化させていくことができました。
なかでも、みんながこだわりをみせてくれた項目がこちら!
▼ 理想の勉強空間について
・場所(時間帯別にもこだわりが!)
・姿勢(椅子、足の置き位置 など)
・音(音楽、雑音 など)
・道具(えんぴつ、消しゴム、下敷き など)
・周りの人(距離感、やめてほしい声がけ など)
・飲み物(予想以上にこだわりが強い子がたくさん!)
改めて言葉にまとめることで、理想の勉強空間を自分で作りだせるようになるんです。さらに、相手に伝わるレベルにまで落としこむことで、おうちの人に相談して改善をはかっていた子もいました。
学習ゼミ 3つの”こそ!”
10週間にわたってチャレンジした学習ゼミ。改めて振り返ってみると、3つの”こそ!”がありました。
① オンラインだからこそ!
② 家だからこそ!
③ 小学生&大学生だからこそ!
一つずつお話します。
① オンラインだからこそ!
最近どんどん増えているオンライン授業。良いところも、難しいところもありますが、私個人は学習ゼミは”オンライン”に向いていると思います!
その大きな理由が、チャット機能。前回の授業で大活躍したこの機能、発言するよりも気軽にコミュニケーションがとれるんです。
通常のテーマ設定やプロセスが明確な授業よりも抽象度が高く、決まった答えもないワークが続く学習ゼミ。子どもたちがぶつかるのは、「分かるんだけど、言葉にできない。」「なんて言えばいいのかな…。」の壁。
そんな時の救世主!
わざわざ手を挙げるまでもないけど、言いたいことがある。言葉にはできないけど、絵文字でなら伝えられる。
これに応えられるのが、チャット機能!
実際に、私や子どもたちの間で会話が進むなか、常にチャットも大盛りあがり!メンターの私も積極的にチャットで出てきた言葉を拾ったり、絵文字のメッセージを読み解いたりすることで、対話を深めることができました。
このほかにもスタンプ機能や画面共有機能を活用し、学年問わず積極的に参加してくれた子どもたち。大学生の私よりもむしろ、小学生のみんなの方がオンラインの良さをいかすことができていたのはここだけの話です。笑
② 家だからこそ!
オンラインということで、みんなはおうちからの参加。その強みは大きく2つ。
・リラックスして話せる!
・教室に持ってくることができないものもカメラの前で共有できる!
当たり前といえば当たり前ですが、教室ではできないことばかりです。
これまで見てきたとおり、学習ゼミはなかなか疲れるアクティビティの連続なのですが、子どもたちがリラックスするからこそ自分の本音や状態に気がつくことができます。
またカメラをとおした中継では、時間割表やランドセルの中身といった学校や家庭の様子がわかるモノにさっとアクセスすることで、教室の外に広がる子どもたちの暮らしの全容に近づけるのがメリットです。
③ 小学生&大学生だからこそ!
上でもお話しましたが、講師やメンターと子どもとの距離が近いエイスクールといえど、小学生と大学生メンターだけの空間は少しレア。
上下の関係ではなく、頼れる心強いお兄ちゃん・お姉ちゃん。みんなと同じ目線で、隣で一緒に進む伴走者です。
私はいつもあだ名で「さとちゃーん!」と呼ばれていて、時にはナイショ話も。「お母さんには言えないけどね…」「学校で言ったら怒られるけど…」と、この関係性だからこその相談もしてくれます。
また、小学生のみんなにとっては大学生という存在がなかなか珍しいらしく、いつも質問の連続!”学部”というシステムや、時間割を自分でつくれること、大きな教室での授業、学食の話、はたまた中学・高校時代のことまで興味津々!もちろん、NGなしで全て答えますよ!
そんな子どもたちのリクエストに応えつつ、これまでに歩んできた小・中・高・大すべての経験値を少しでも還元できればと意識をしながら、みんなとお話しています。今だからこそ小学生時代を別の視点から捉えることもできますし、また自分だけでなく友人のエピソードを紹介することで多様な学び方・生き方を伝えることもできます。
何よりも、現役で勉学に励んでいる実体験を生かしたアドバイスができるのが大学生の強みです!
大学生メンター心の声「これ、小学生の時に受けておきたかったぁ…!」
確認ですが、言わされていません!笑 (ですよね?a.schoolの大人のみなさん!)本音で書いています。笑
昔の自分を振り返ってみると、小学校と家庭が世界の全てだったなとつくづく思います。当たり前を疑うこともなく、理由も考えず受け身で過ごしていたなと。学習ゼミで子どもたちと向き合いながら、「あの時の自分は、ただただ流されていたんだなぁ…。」と振り返るほど。(がんばれ自分!笑)
小学校の先の人生や、(他校を含む)学校外のルールや文化を知る術がないなかで、与えられたものに目標をもったり言われたことを素直に受け入れたりするのが難しいのは当然ですよね。本当は子どもたちも、自分で考え自分で選びとりたいし、そのほうがずっとワクワクするし頑張れるはず。
だからこそ、視野が広がり、視座が上がる学習ゼミは、みんなにとって「おもしろい!」と感じてもらえるのだと思います。
”学習ゼミ”の、その先
学習ゼミは、「学び方」を、学ぶ。「自分に合う」を、見つける。そんな場所です。
でも、”今” にだけ焦点をあてている訳ではありません。”ここで完結させない” ことを意識しています。
未来に向かうにつれて、自分はどんどん変わっていくもの。
だからこそ、アップデート意識と、何より変化していくことへのワクワクを忘れずに自分自身を探究し続けて欲しいと、子どもたちに伝えています。
ここでの「おもしろい!」という感覚は、きっとこの先も残り続けます。自分に必要な「問い」を知り、”今”の答えを出せた経験があれば、この先も大丈夫と信じています。
あぁ、小学生の自分に教えてあげたい…。笑
次回の開催が決定!
9月16日から、第二回の学習ゼミの開催が決定しました(毎週水曜日の16時以降)!メンターは前回と変わらず私さとちゃんを含むメンター陣が務めます。勉強にもやもやしている、秋から勉強を頑張りたい子どもたち、ぜひ一緒に学びを楽しみましょう!
▼プログラム詳細・お申し込みはこちらから!
▼学習ゼミの兄弟版である「受験ゼミ」も同時開講決定!
松岡 里美 | 本郷校メンター
自他ともに認める自己管理マニア。スポーツの経験を活かし、毎晩50分オリジナルのシートで”自分自身”を探究中。 a.schoolで好きなのは、オンライン ”朝の会”。朝の30分を楽しむコーナーを生徒と一緒にたくさん開発しています。チームに分かれてミッションにチャレンジする通称さとちゃんリーグは、いつも白熱の大熱戦で、オンラインであってもみんなで繋がり楽しむ朝は、最高の1日のスタートです。
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