想像するだけで世界は作られていく②
ある時、夜中に起きて本を読んでいた。
夜中の3時ごろ、そろそろ夫が帰ってくるかな?と
扉を開けて、外に出た。
右を見て、左を見た瞬間
スーッとタクシーが停まり、夫が降りてきた。
地元への転勤が決まった。
母や父、友人の援助を借りながら子育てできると心の底から安堵した。
ある豪雨の日。
なぜなのか高山へ旅行に来てしまった。
ある食堂で、うな丼を食べていたら、
土砂災害警戒のニュース。
道路が閉鎖され、郡上から出られなくなってしまった。
帰れない。
オムツもない。
食堂の女将さんに薬局は近所にあるか尋ねると
オムツを買いに薬局まで車で連れて行ってくれることになった。
人のあたたかみを感じた。
私が望んでいた、困っている人が隣人に助けられる世界だった。
私は宿を探し、アクシデントを楽しむことにした。
次の日起きてからも、雨は降り続き、夫は文字通り肩を落としていた。
私はこう決めた。
「雨は止み、道路は開通し、虹を見て帰る」
息子とてるてる坊主を作り、
雨はすぐに止む。と言った。
雨はみるみるうちに止んでいった。
車を走らせると、昨日の食堂の娘さん夫妻と会い、
下道情報を教えてもらった。
また雨が降ってきた。
高速も動いてないので、コンビニで車を降り
一人でぐるぐると歩いて回った。
「雨は止んで、虹を見て帰る。」とつぶやいた。
少しすると雨はやみ、一般道で帰れることになった。
土砂崩れの跡が2、3箇所あった
巻き込まれたらどうしよう、とよぎった時は、
子どもが砂遊びで土を固めるように、周りの土を手で固めるイメージをした。
車に揺られ、私は寝ていた。
ふっと目を覚ますと虹がふたつ出ていた。