未完成な臓器たち
毎週金曜日に日記をあげようと思ってます。偏見まみれの私の宗教を作っている感じです。ごめんなさい。
大人になるにつれて逃避の方法が増えてゆく。煙草、酒、薬、あとヤラシイやつとか。目に見えない精神年齢は誰にもわからないまま。19で酒を飲んでいる人たちなんて話を聞いているとまあまあいる。学内で煙草を吸っている人はまだ見たことがないけれど、多分確実にいる。彼氏がいる人はいるし彼氏を探している人もいる。
美しい世界だと思っていた。砂糖菓子みたいに甘くてふわふわしているのだと。隔絶された空間で幸せに皆笑っているのだと。幻想殺し。F1みたいな音を出すんじゃない。どんな世界でも生きていけるんだって、私は私だって、そう言えるんだって。そういえば私は誰だっけ? この個性の死んでゆく世界の中で、都会(地方とも言う)から出てきた子たちの方言が移ってゆく中で、無理やり「なんでやねん」と笑いながら静かにゆるやかに確かに私は崩壊してゆく。それが悪いことなのかと言われればそうでもないだろうけれど。つまりは私は社会の一部になっている。小夜 鳴子という人間はそこにいるようでいていない。レッテルを貼られて分類分けされて、どうにもならない。
「あんたとろいなぁ」
遠い昔、私は特別な女の子だった。世界で一番だった。なんの根拠もない自信という名のお城は周りのお世辞と砂糖菓子みたいな愛でできていたから、城下町から遠く離れた場所に足をつけたとき、私は特別な女の子ではないという事実はゆるやかに真綿は締めつけた。私は弱虫だから、その中で窒息していく。日本文学は別に好きではなかった。芸術センスのない私は日本文学が好きな奴はイケてると思っていたから太宰治を好んだ。端的に言ってかなり読みづらい。高尚な趣味というものは私には合わないということを改めて知る。多分、もう読まない。
「どうして結婚しないの?」
高校時代のように、脳天気な奴だ、と思われているに違いない。Twitterをやっていると言えばびっくりされたし、インスタをやっていないと言えば呆れられた。私のアカウントを知りたいという素振りもなくて安心した。別に見られても構いやしないけど、Twitterの自分と現実の自分は別人格なところが少しあって正直恥ずかしい。人の脳みそは多角形だから(???)そういうのも全然不思議じゃないと思う。他人といると声色が変わったり笑顔が増えたりするじゃん。それのあからさまなバージョンってだけだ。
「さよるがメンタル弱いのはなんとなく察してたで」
バイセクシュアルであるだとか。そうやって自分を定義付けして生きていけるというのは幸せなことだと思った。私たちは人間になるために生きている。死んで燃えて骨になったところで、「ああ、やっとなれた」と呟ける。まだその道の途中だ。いつになったら人間になれるの、と自殺する人もいる。そういう人たちはどうなのだろう。肉とか骨とか形成している段階で死ぬわけだから、不完全な人間になるんだろうか。なんとなくゾンビ的な存在を思い浮かべた。
アンナチュラルというドラマの中堂さんの台詞が印象に残っている。人の皮を被った生き物である我々はその皮を剥げばみんな未完成な臓器が溢れ出す。私が毎日綺麗だな、と見蕩れてしまうあの子だって。そう考えると全てがどうでもよくなってきて、それなのに未だ見た目を気にする自分が大層愚かに思えてきてなにそれ笑える。
イマジンブレイカーが来たあとは特別になりたいわけじゃないと言いつつ、誰かの特別になりたいとずっと思っている。集団でいるよりも2人でいたい。3人の会話だとどうしても1人を置いていってしまう。上手く話せない。そういう自分のそういうところが嫌だ。だから2人でいたい。私にはあなたしかいないのだと恐ろしい依存癖が言うけれど、心の中で囁くもう1人にはそれは微塵も届くことなく、私の元を去ってゆく。おしゃべりなくせに口下手な私は嫌われることを恐れて黙り込む。本当はおしゃべりは苦手なんだ。ただ、面白くないやつと思われるのが恐怖で。あと、自分の好きなことは無限に喋り続けたいという我侭で。私は喋り続ける。
学校で一番頭が悪かった私はここでは真ん中くらいにいる。友人の大学は同じ学部なのに変わった子が多いらしい。ここにはあまり変わった子はいない。私もそっちに行きたかったな、と笑うと「え、なんで?」と言われた。私は思わず黙り込んでしまった。私自身が大学内の子たちのことを馬鹿にしていることに気づいてショックを受けたのだ。まだ名前も覚えていない子がほとんどで、覚える気もなかった。傲慢だ。それでいて特別でいたかった、だなんて。私も彼女たちに馬鹿にされている。私みたいな奴にはお似合いの人生だ。
ここまで日記を記して、どうやってまとめようかと戸惑う。何の生産性もない文章だ。でも、金曜は日記を書こうと決めていた。とりあえず、今回はこんな感じで。独断と偏見に塗れた醜く未熟な私をどうか嘲ってください。思いっきり。