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[推し詩集]荻窪メリーゴーランド(木下龍也・鈴木春香)
詩人木下龍也さんと鈴木春香さんとの往復書簡のような構成の詩集です。
二人の男女が出会い、最初は少しよそよそしく、でも少しずつ距離を縮めて次のデートを約束していく微笑ましいかけ引き、一緒にペットを飼って新しい生活が始まる予感、甘やかなエロティシズムの中にちょいちょい混ざるずれ、そして不穏な予兆と狂気、、、。
出てくる地名が荻窪と渋谷で、ここにも二人の世界が実はパラレルワールドという「ずれ」が絶妙に隠されています。
限定特装版に綴じ込みでついている解説で、木下さんと鈴木さんによる互いの首評とスリリングなたくらみがわかる仕掛けがあり、たくらみを知って再読すると、う、うわー、おおおー、と唸りまくってしまいます。でも恋するのもよいなあ。
たまたま入った西荻窪の今野書店で、その日に木下龍也サイン会がありラッキーでした。サインと共に一首書いてもらえるというファンサービスつき。うーん、そりゃモテるでしょ。