自分をどれだけ信じられるのか?
我が家には動物が6匹いる。
我が家にやってきた順番は
Cocoa(ミニチュアダックス)
Viola(アフガンハウンド)
Rosa(アフガンハウンド:Violaと同胎姉妹だが1年遅れでやってきた)
タイガ、レオン、サラ(日本猫:保護猫で同胎兄弟)
である。
ワンズはそれぞれ10歳になる。
そのワンズの中の1人の子の話になる。
Violaが8月のお盆前から後ろ足がおかしくなった。
生まれてまも無い小鹿が立とうとするような格好になる。
我が家は、ワンニャン共に塚口にあるSアニマル病院をかかりつけ医としていた。
ホメオパシーを使ってくれるので奈良から通院していた。
しかし、S先生が個人的理由で九州に引っ越すことになり、尼崎のA動物病院を紹介してもらっていた。
ということで、ViolaをA動物病院に連れて行くのだが、血液検査とレントゲンを撮影するが、原因はわからず『老化』ということになった。
しかし、明らかに尻尾は丸まり股からお腹に下に入り込み歩くのもよちよちなのだ。
S先生と相談して京都に神経を専門的に見てくれるN動物病院があるからA動物病院に紹介状を書いてもらって受診してはどうか?とアドバイスをもらった。
そこならMRIもあるから検査してもらうのに良いのでは?ということだった。
A動物病院で紹介状を書いてもらい、妻がN動物病院へ連れていった。
夜帰宅してから妻から話を聞く。
当日は院長がいなくて、勤務医が診察。
『反射を見るが、問題ない。血液検査をしても問題ない。どこも悪いところは無い。』
と言われたらしい。
え?じゃあMRIは?と思わず妻に聞き返した。
「MRI撮影しても何も出ないと思う。」と言われたらしい。
僕は、納得できなかった。
悪いところは無い、と言われても明らかに歩行困難なのだ。誰が見ても異常なのはわかる。
そして、MRIを撮らなかったこと。
画像撮影には2つの意義があると思っている。
1つは画像検査。もう1つは画像診断。
僕の中ではそういうふうに棲み分けている。他の先生は言葉の捉え方は違うかもしれない。
前者は診察してもよくわからない時に、レントゲン、CT、MRIやチンチグラムなどを撮影して異常が無いか?を調べる。
後者は、大凡の診断がついているがその診断を確定するために撮影する。
今回は画像撮影のうえ、検査をして異常を調べるべきだと思う。
Violaはその日から立ち上がることもできなくなった。
夜中ずっと「キュンキュン」鳴く。
痛いのか?それとも歩けなくなった自分が歯痒いのか?それすら飼い主の僕らにもわからない。
トイレすら大変になってしまった。
妻はずっとそばにいて看病するので眠れない。
そんな日が2日続いて、妻は近所のM動物病院を受診した。
以前にRosaが怪我をした時に連れていったことがあった。
その流れでViolaを今回連れていった。
経過を診ていないから何とも言えないけど、何かの病気だろう。
これだけ後ろ足の筋肉が落ちているのだから。
おそらく歩けなくなって動揺しているので泣いているのだろうから、もうそろそろ鳴かなくなるだろう・・・ということだったらしい。
そして、車椅子を勧められたと言う。
しかし、と思う。
僕は、妻に言った。
「やはりN動物病院にもう一度電話してMRIの予約をとろう」と。
納得できないままで終わらすのは良く無い。
やはり僕の頭の中で引っかかっているMRIは撮影するべきだ。
ということで、昨日再び妻がViolaを連れて受診。
そしてMRI撮影の結果、腰のあたりに骨を巻き込んだかなり大きな悪性腫瘍が見つかった。
ほらね、出てきたでしょ。
検査って、色んな角度から見ないと隠れているものもあるんだよね。
そのままOpeに入り、3時間近くかかって終了した。
僕も自分の診療が終わってから大阪から京都へと急いで向かった。
摘出した悪性腫瘍は、生検から返事が無いとわからないが、恐らく骨肉腫ではなかろうか、という話だった。
根治は無理だが、自立できるところまでは回復を目指しましょう、と院長が言ってくれた。
勤務医のドクターは今回勉強になったことだろう。
色んな角度から可能性を見ていかなければ、潜んでいるものを見つけられないということを。
そして、やはり自分の感覚であったり直感はとことん信じなければならない、と僕自身も改めて確信した。
後は、Violaがどこまで回復してくれるのかを見守っていきたい。
そして、今後の彼女との付き合い方もきっと変わることだろう。