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スペイン巡礼 銀の道 Vía de La Plata 29日目(Villanueva de las Peras - Calzadilla de Tera)

5月5日。Calzadilla de Teraまで19km。

この日どこまで、どれだけ歩くか悩みました。

前日Tábaraで宿泊していればこの日はSanta Marta de Teraまでの約23km、短くもなく、長くもない距離でちょうど良かったんですが、前の日に勢いで40km近く歩いたのでGronzeの提案しているプランからかなりずれてしまいました。

Gronzeのプランに沿ってSanta Marta de Teraまで歩くならたった10km。
Santa Marta de Teraを通過し、さらにはCalzadilla de Teraも通過して、
その数キロ先にあるOlleros de Teraまで行った場合、宿泊施設が民営の1軒のみ。
なので宿代が高め(1人部屋€35、2人部屋€50)
さらに先のVillar de Farfónまで歩けば夕飯込みで€20の民営アルベルゲがあり、
ここまで歩く方がお金もセーブ出来て良いのですが(実際歩くつもりでいました)、ここのアルベルゲはベッドがたった4つ。
予約を取るようですが、ここまで行くなら約30kmの距離。
*ちなみにこの時点でベッドがまだあるか未確認。
しかし翌日の行程が結構厳しくなりそうなので3日連チャンで30km歩くのは身体を相当酷使する事になる。

考えた結果、Calzadilla de Teraで区切る事にしました。

というわけで説明長くなりましたが、この日は朝6時30分過ぎに出発。

出発から1時間30分、Santa Croya de Teraを通過。
このRío Tera(テラ川)を越えたら先がSanta Marta de Teraの村です。
歩き始めて約2時間、Santa Marta de Teraに到着。
この曲がり角を曲がって坂を登り切ったところに、
サモラ最古のロマネスク様式のIglesia de Santa Marta de Tera(サンタ マルタ デ テラ教会)があります。
10世紀から12世紀にかけては多くの巡礼者が訪れる有名な修道院だったそうです。

僕が銀の道で知り合った殆どのPeregrino達はこの教会のそばにあるアルベルゲに泊まってました。
この教会で1996年に起きたと言われる光の奇跡(毎年特定の時刻、秋至の10時と春至の9時に、太陽の光が教会の眼球を通って入る現象が起こる)が起きたのを機に訪れる巡礼者がかなり多くなったそうです。
この村に泊まらずとも絶対見た方が良いよと前日ブラジル人のAnahiに言われたのがこの教会の南扉左手の壁にかかっている、巡礼姿の聖ヤコブの石像。
これこそがSanta Marta de Teraの一番の目玉。
サンタ マルタ デ テラ教会は巡礼姿の聖ヤコブ像で有名な、古い歴史を持つ、かつては修道院附属教会として存在していた、知る人ぞ知る教会だそうです。
この石像、12世紀のロマネスク彫刻の名作のひとつで、巡礼姿の聖ヤコブ像としてはもっとも古いらしい。
調べると、この聖ヤコブ像以外も柱の彫刻や、北扉右上にも使徒タダイオスの石像を見ることができたりと教会内外共、色々と見応えのある教会のようでした。
が、僕の早朝出発がまたも仇となり、着いたときはまだ門が閉まっていて中に入ることができず。どこからか南扉のある裏側に回れないものかと思ったのですが、見つけらず断念。
僕がこの村を通過した翌日にここに泊まったコロンビア人のマルタにお願いして彼女が撮った写真を送ってもらいました(この記事の表紙写真で使用してます)

将来またこの道を歩くことがあったらその時は教会の見学してここの傍にあるアルベルゲに泊まりたい。
Santa Marta de Teraを抜けて30分、雑木林が見えて来ました。
地図上ではCamarzana de Teraというエリアを示してますが
この巡礼路沿いは民家も何もない道でした。

こんな人っこひとりいない道を独りで歩くのは好き。
むしろ独りで歩きたい派。
なぜならその瞬間瞬間の景色をゆっくりと楽しみたいから。
誰かと感動を共有するのはもっと楽しいかもしれないけれど、巡礼の道では
1人が良いと個人的には思います。
自分だけが頼りなので自分に向き合って自分をもっと知る機会も持てるし。
とは言え、道を探すときは今日存在するネット環境やマップ機能、巡礼アプリがあるのでこれらを使用して目的地へと歩いていましたが。
それでも時に黄色矢印を見落として間違えたりもしましたが笑

僕は95年にアムトラックで全米を一周、2001年に車で全米を1周したことがありますが、その頃は携帯も今ほど発達していなかったのでその都度紙の地図を開いて目的地まで行くという方法でした。
今回こうして巡礼の旅を記している中で自分の記憶を辿るのにたまに参考にさせてもらって読んでいる、僕よりも7年くらい前に銀の道を歩かれた方は地図もアプリも使わず、黄色の矢印のみを頼りに歩いていたのですごいなと思いました。

でももっと昔は黄色の矢印さえもなかっただろうから太陽の向きや星の位置を見ながらSantiago de Compostelaを目指したんだろうなぁ。
3日間連続30km以上は身体酷使するから今日は19kmで区切ろうなんてことはきっとしてないでしょう。

午前11時前、Calzadilla de Teraに到着。
隣村Calzada de Teraのバル

泊まっていた村にはバルがなく、歩いて約20分の隣村まで来て食事です。

お店の看板犬が迎えてくれました。

この日は日曜日、村のスーパーは閉まっているのでバルで夕飯用のサンドイッチを持ち帰りでオーダーしました。
お昼も終え、夕飯も調達したし、アルベルゲに戻ってもすることもないので散策して時間を過ごそうと思ってましたが、雲行きも怪しい上に寒かったので、まっすぐアルベルゲに戻りました。
読みがあたり、この後激しい雨が降ってきました。
その土砂降りの中1人、2人とPeregrino達がやってきて、最終的にはベッド一つ残すのみ、僕を含めて全部で5人がこの日宿泊しました。

雨が止んだ後、外散歩する時に撮ったCalzadilla de Teraのアルベルゲ
もう夜9時なのに夕方のような明るさ。

この日ここに泊まったドイツ人のエビとポルトガル人のマニュエル(彼とはOurenseとAstorga分岐点の村Granja de Moreruelaのアルベルゲで一緒でした)、
ここから先のステージで幾度となく共に歩くことになりました。


巡り合わせてくれているのか、巡礼での出会いは不思議です。


この日泊まったアルベルゲ:Albergue de peregrinos de Calzadilla de Tera
寄付制、予約不可。
1階部分は隠居ホームとして使用されてて、アルベルゲは2階の部分。
シャワーとトイレは別々。
キッチンなどの設備はなく、ベッド(1段ベッド)のみ。
僕が着いた時は掃除をしている人がいたけど、受付は自分で宿泊者の記帳ノートにパスポート情報などを記入し、お金を入れる箱が置いてあるので自分で妥当と思う金額を入れて、自分でベッドを選ぶシステムでした。
ベッドは6個しかないので早めに着くように計算していくことお勧めします。
掛け毛布はありましたが、部屋に暖房はなく、5月初頭でしたがめちゃめちゃ寒かったです。

補足:Santa Marta de Teraに宿泊する日が日曜日に当たってしまった場合は、村唯一のレストランが3時30分に閉まってしまうそうです。加えてスーパーなどの食料品店がないそうです。なので前日の村か町で水や食料を調達は必須だそうです。
なお、Santa Marta  de Teraのアルベルゲもベッド数はたったの13個なのでそれも考慮に入れて当日の朝は到着時間を考えて出るべし。

残り349.60km。


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