芦田川吊橋チャレンジ
広島県府中市内をドライブしていたときに見つけた2つの橋のお話。
え、府中市ってどこ?という土地勘のない方にざっくり説明すれば、尾道の北の方、だ。
府中市は一級河川・芦田川の中流域にあり、JR福塩線の線路が通っている。東西方向のメインストリートである国道486号から分岐し、さらに北の旧上下町方面へとつながる道路が広島県道24号府中上下線(主要地方道)である。
橋は、JR福塩線と県道24号が芦田川を挟んで並走する区間で発見された。
最初の橋は、県道24号の始点からわずか1.7kmほどの位置でどす黒いオーラを放っていた。
2番めの橋は、橋1から3kmほど北にある。
どちらの橋も名前が分からないので、仮に橋1、橋2としておく。今後調査する機会があり、名前が判明すれば追記したい。
さて、まずは橋1である。
ドライブ中にちらりと見かけ、少し行き過ぎたが慌てて車を停めて徒歩で戻る。
渡りたいけど、もう見え方からして、危ない。
なんか歪んでるし、薄いし!だいぶキテるな、これは。果たして渡れるか?
あ、だめそうですね、これは。封鎖されてるのも勿論だが、仮に封鎖がなくても安全に渡れそうな気配は皆無。
主塔は健在のように見えてもこちら側の橋台付近は鉄板に置き換わってしまってるし、踏板がごっそり抜けてる箇所がある。
見てくれこのうねりを!左右の補剛桁と言うのかな、そこから踏板が浮いてしまってるんじゃないかという不安。そして踏板はいつ交換されたものかも分からず、私の体重を支えることができそうな厚みには見えない。どこかでズボッといく奴だぞ、これは。冬の芦田川はさぞ冷たかろう。
大変怖い橋だと思ったので、しばらく観察して撤収。私は古い橋を見てるだけでも楽しい人間だ。
車に戻る途中、福塩線の電車が来たので撮影。1両だけのかわいい電車だった。
橋2の発見は、橋1から離れてわずか5分後のことだ。
立て続けの吊橋。なんだ、府中は吊橋の町か?確かに八田原ダムには夢吊橋という観光橋があるが。
橋2の勇姿。今度の橋は小振りだが端正な感じがするぞ。
これは、対岸にある民家との行き来のための専用橋だろう。踏板には轍がくっきり!自動車に渡れて私が渡れない道理はない。
いざ渡橋。
半分くらい来た。車も通ってるから大丈夫だと頭では理解していても、踏板が音を立てたり動いたりするので、少し怖い。もしもの時は咄嗟に手すりを掴めるように右に寄って歩くチキン渡りだ。
踏板の隙間から鉄製の桁が見えるだろう。踏板を踏み抜いてしまわないように、桁の上を意識して歩いた。
橋上から見る芦田川上流と下流の景色。かつて水質が中国地方ワーストと言われた芦田川だが、中流域まで来ると綺麗なものだ。
と、7割がた渡り終え、この写真を撮っていたら緊急事態!
私の後ろ、県道からこの橋の上に軽自動車が進入してきた!笑
ガタゴトと大きな音を立てて背後から迫る軽自動車に追われ、私は慌てて、といっても早歩き程度の速度で渡橋を終えた。おそらく橋の先にある民家の住人の帰宅であろう。
私の姿は明らかに不審であったろうから、声をかけられる覚悟はしていたが、何も起こらなかった。
いやーびっくりしたなー。吊橋の上で自動車に追いかけられるのは初めての体験だったよ。
これが対岸から見た橋の様子。よく見ると主塔に郵便受けが備え付けられている。なんというプライベート感。
どうもお邪魔しました。
さようなら。
おわり