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山口県道134号秋掛錦線 不通区間 前編

以前紹介した鶯笛隧道(ほおてきずいどう)は、山口県道134号秋掛錦線に存在する唯一の隧道であった。隧道のレポートはこちら。

鶯笛隧道探索時から気になっていたことだが、県道134号には通行不能区間があるという。
「通行不能区間:岩国市本郷町西黒沢(岩国市道で迂回可能)」(wikipediaより)
で、これがどこかというと、

地理院地図加工

この徒歩道表記された部分だと思うのだ!
地図上に丸印で示した分岐を東へ行けば不通区間、北へ行けば迂回路の岩国市道だろう。前回雙津峡温泉を訪れた際には時間切れで手を出せなかったこの不通区間の現状を知りたいと思い、今冬行ってきた。なお、今回も家族を温泉に放り投げてきたので、制限時間付きである。
スタート地点の温泉から、まずは県道の現役区間を川沿いに北東方向へ歩き、迂回路との分岐点を目指すことにする。


ここから県道へアプローチ。橋の向こうに見えるのが鶯笛隧道。今回は、前回行かなかった右奥へ向かう。夏みかん色のガードレールは山口県管理道の証!

これから向かう道。当面の間は左手に宇佐川の支流、右手に崖という位置関係で進んでいく。離合不可能ないわゆる険道であるが、轍はしっかりある。
なお、往路は全体的に登りとなる。分岐点まで2km弱だが、体力を温存しつつゆっくり進まないと、運動不足のジジイには厳しい。

上の写真の奥に見えていた切通しの様子である。左右の断崖が親子みたいで可愛いと思った。左の子どもの方の崖面に、「屏風ケ嶽」という看板が置いて?あった。この子の名前か・・・?屏風ケ嶽というのは岩壁が屏風のように広く切り立った断崖地形につけられがちな名称だとは思うが、これは、ちょっとよく分からない(苦笑)。

こんな感じの景色がしばらく続く。
退屈な場面に見えるだろうか?実際は、歩いていると、すごい圧迫感で退屈を感じる暇はない。なにせ、

私の右手から、高さ30mを優に超える垂直に近い大断崖が威圧してくるのだ!そんな不運はないと信じているが、落石が直撃すれば人生終了だからね。

大断崖を回り込んだ先でガードレールが途切れた。この先、ガードレールはあったりなかったりする。気がつけば川との比高はずいぶん小さくなっている。川面を埋め尽くす勢いの巨石は、落石だろうか。

自動車よりも大きな岩塊から木が生えている珍景。この巨岩はいつからここにあるのだろう。なかなか面白い景色だと思うが、まったく知られていないあたり、この県道のマイナーぶりが思いやられる。

足が疲れてきて、清流を眺めながらふらふら歩いていると、見覚えのある青文字の看板が見えてきた。

百間嶽。
これは間違いなく対岸に聳えるこの大断崖のことだろう。百間というと180mちょっと。目視した感じ180mあっても全然おかしくない圧倒的なスケール感。この県道をとりまく自然環境が一度暴威を振るえば、ちっぽけな道など一溜りもないだろうと嫌でも確信できてしまう。

百間嶽を過ぎると、しばらくは地形に沿ってだらだらと登るだけ。やがてガードレールが復活する。県道に入って20分くらい経つが人も車もまったく見ない。一応現役の県道なのだがな。この道の1日の交通量はどんなものなのだろう。

県道が沢をまたぐ地点。地図にもない沢を築堤で超えていく。

沢の上流側を築堤上から撮影。
現在地は下記のとおり。

じ、実はまだ分岐点までの半分も行ってないんだ・・・。
それでも短い距離に意外と多くのものがあったと思う。身を切るようだった寒さも気にならないくらいに体が火照ってきたし、この先もずっと登りなので、この築堤上で小休止した。
一旦セーブして中断。
次回は駆け足で分岐点まで行こう。

中編へ続く

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